ペットキュリアン社の栄養学責任者であるジェニファー博士は、カナダ州立サスカチュワン大学を卒業し、コンパニオンアニマル栄養学の分野で博士号を取得しています。サスカチュワン大学は1907年の創立以来、理学や医学、生物学、地質学などの理科系分野を得意としてカナダ屈指の研究施設を保有する大学であり、ペットの栄養分野で博士号を取得することは大変な難関です。ジェニファー博士は常に最新の栄養学にアンテナを張っており、ペットキュリアン製品のレシピに反映しています。
2022/09/05
猫の栄養についてインターネットで調べると、タンパク質についての様々な意見が見つかるでしょう—賛否両論、良い情報、悪い情報、そして知りたいと思っていた以上の多くの意見があります。
タンパク質とは何なのか、なぜそれがそんなに話題になるのか、そしてキャットフードはどのくらいのタンパク質を含むべきなのでしょうか?
【 目 次 】
タンパク質とは、エネルギーを供給する3つの三大栄養素の一つで、20種類のアミノ酸が鎖のように結合してできています。
猫が必要とするアミノ酸は20種類ありますが、これらのうち10種類しか体内で作ることができません。
以下に記載している残りの10種類を必須アミノ酸と呼びます。以下、10種類の必須アミノ酸に加え「タウリン」は体内で作ることができないため、食べ物から摂取する必要があります。
10種類の必須アミノ酸
猫特有の必須栄養素として、「アルギニン」と「タウリン」は犬よりもはるかに高い要求量を必要としています。
「アルギニン」は、アンモニアを尿素として変換する際に必要なアミノ酸です。食事から摂取するアルギニンが欠乏すると、体内にアンモニアが蓄積し、アンモニア中毒を引き起こします。アルギニンは動物性タンパク質に豊富に含まれているため、肉食獣である猫は、食事からアルギニンを摂取することが重要です。
「タウリン」は、動物性タンパク質に豊富に含まれており、心臓や血管の健康、胆汁の生成、目の網膜の健康、および子猫の適切な成長と発達のために欠かせない栄養素です。
タンパク質は、成長、発達、体組織の修復、消化酵素、免疫系のすべてにかかわっています。そのため、猫の健康上、バランスよく必須アミノ酸を摂取することがとても大切です。
キャットフードで一般的に使用されるタンパク質の供給源は、
と、主に3つのカテゴリに分類されます。
タンパク質を含む食品を食べると、タンパク質はアミノ酸に分解され、吸収されて体のタンパク質になります。ただし、体内のすべてのタンパク質が同じように作られているわけではありません。
必須アミノ酸を多く含む消化性の高いタンパク質源は、高品質のタンパク質と見なされます。
猫にとってタンパク質は、とても大切です。猫は、犬と違い「完全肉食動物」です。そのため、猫にとって肉を食べることは必要不可欠です。
一部のタンパク質は、制限アミノ酸と呼ばれる1つまたは複数の必須アミノ酸(通常はメチオニン、リジン、またはトリプトファン)が低レベルでしか含まれていません。 しかし、いくつかの食材を組み合わせることで、すべての必須アミノ酸(つまり、相補的なタンパク質)をバランスよくとることができます。
キャットフードのタンパク質の配合割合は、何年もかけてだんだんと高くなっていますが、猫はどれくらいのタンパク質を本当に必要としているのでしょうか?
タンパク質の必要量は、猫種やライフステージによって異なります。子猫は、新しい組織の発達に多くのタンパク質が必要なため、成猫よりも多く必要です。
全米飼料検査官協会(AAFCO)によると、成猫は、すべての必須アミノ酸要件を満たした上で、26%のタンパク質(乾物ベース)を必要とします。運動量の多い猫や疾患のある猫など、状況によっては、より高いタンパク質レベルが必要になる場合があります。
安く販売されているキャットフードはコスト削減のため、穀物の割合が高い場合が多く、タンパク質量が不十分の可能性が高いです。猫には、その子に合わせた十分なタンパク質量を満たした高タンパク質、低炭水化物のキャッツフードを与えてあげましょう。
逆に、健康状態によっては、タンパク質の割合が低い方が良い場合があります。
高タンパクの食事で考慮すべき要因の一つとして、他の栄養素のバランスが崩れる可能性があります。たとえば、犬と一緒で肉類の含有割合が非常に高い食事は、リンの過剰摂取の可能性があり、骨と腎臓の健康に悪い影響を及ぼします。
このように、タンパク質は適切な量を与えることが大切です。タンパク質を過度に与えすぎると処理できず体内の腎臓へ負担をかけてしまいます。それにより、腎不全などの病気のリスクを高めるきっかけとなってしまいます。
適切に配合されたキャットフードには、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。また、健康的な成猫の場合、タンパク質は30%~40%程度のものを選ぶことを推奨します。
脂肪と炭水化物は体にとって好ましいエネルギー源です。タンパク質を分解してエネルギーを供給することもできますが、動物は過剰なアミノ酸を貯蓄することができません。
組織の維持に利用されていないものは、肝臓と腎臓によって処理されるため、過度なタンパク質を摂取することで、肝臓と腎臓に負担がかかります。過度にタンパク質を摂取させるのではなく、バランスの良い食事を与えてあげましょう。
肥満は、多くの猫にとってますます大きな懸念事項になっています。
また、約500g~1kg痩せる必要があるペットの場合、高タンパク食が有益である可能性があるという研究結果があります。
エネルギーバランスは体重管理の重要な要素ですが、適度な高タンパク質は、カロリー制限食の猫の筋肉組織の喪失を防ぎながら、体脂肪を減らすことに役立つ可能性があります。
しかし、シニア猫はタンパク質の摂取量に気を付ける必要があります。高齢になると腎臓機能が低下し、腎臓病になりやすくなります。そのため、かかりつけの獣医さんと相談してタンパク質の制限をすることや摂取量を決めることおすすめします。
タンパク質は、食物アレルギーの最も一般的な原因成分です。猫が以前に食べたことがないタンパク質成分源は、有害な食物アレルギー反応を引き起こす可能性が低くなります。
新奇タンパク質の例としては、鹿肉、サーモン、ダック(鴨)、虫、バイソンなどがあります。
新奇タンパク質については『食物アレルギーのある愛犬にオススメ!「新奇タンパク質」を使用したドッグフードとは』に詳しくまとめていますので参考にしてください。
過去には、腎臓障害のある猫は低タンパク食を食べるべきであるという考え方が一般的でした。
腎臓は、血液中の窒素の量を調節する上で重要な役割を果たしています。
高窒素血症(azotemia)と呼ばれる高い血中窒素レベルは、錯乱、急速な心拍数、過度の喉の渇きなどの副作用を引き起こします。
タンパク質は食事の主要な窒素源であるため、タンパク質の摂取を制限することで高窒素血症を軽減し、腎臓をさらなる損傷から保護すると考えられていました。
猫の臨床状態や症状によっては、食事からのタンパク質摂取量を調整する必要があるかもしれませんが、現在では腎不全のほとんどの猫には、極端なタンパク質制限は推奨されなくなりました。 実際、慢性腎不全の動物の健康を維持し、栄養失調を防ぐには、高品質のタンパク質を必要なレベルでバランスよく適切に摂取することが不可欠です。
腎臓病(腎不全)の症状や対応方法については「犬と猫の腎臓病(腎不全)。その症状と対応方法について解説」に詳しくまとめていますので参考にしてください。
タンパク質は猫の食事に欠かせない栄養素であり、猫が強く健康であるために必要な必須アミノ酸を供給します。
ただし、ほとんどの栄養素と同様に、多すぎても少なすぎても良くないので、量よりも質が大切であること、消化されやすい食材を選ぶことが大切です。
NOW FRESH (ナウフレッシュ)は、食材の鮮度にこだわり持ち味を活かし、お互いを引き立てる多彩な組み合わせで栄養バランスを整えた食事です。
猫達の栄養源として重要なタンパク質と脂質は、高すぎず低すぎずの絶妙バランス。体調のコントロールがしやすく、腎臓・肝臓への負担など高タンパク質が気になる猫にもおすすめです。
タンパク質源として、レンダリングミートミールや肉副産物を一切使用していません。100%フレッシュな生肉・鮮魚+グレインフリー+豊富な野菜・フルーツを使ったほどよいタンパク質バランスのレシピで体調のコントロールがしやすいプレミアムキャットフードです。
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