ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/04/18
スーパーフードとして注目されているベリー類。
ヨーグルトやスムージー、シリアルに入れたり、おやつに一緒に食べたりと、ヘルシーな食生活に欠かせない果物として取り入れている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そんな抗酸化物質を豊富に含み、犬の健康に役立つミネラルやビタミン類も含むベリー類を、犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にベリー類を与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、多くのベリー類は犬に与えても大丈夫な果物です!
本記事では、犬にベリー類を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、多くのベリー類は犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
水分が豊富で、しかも生で食べることができるので、犬が水を飲みたがらない場合の水分補給にも役立ちます。
ただし与え過ぎは要注意です。
ベリー類には水分も多く含まれているため、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、おやつやドッグフードのトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ベリー類の多くは、抗酸化物質が豊富な他、ビタミン・ミネラル、ほかにもポリフェノールや食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
ビタミンCやアントシアニンというポリフェノールが豊富に含まれていて、美容や健康に良い食べ物として知られているイチゴ。
豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
さらにアントシアニンはビタミンCと相性が良く、相乗効果により高い抗酸化作用を発揮します。アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
イチゴの詳細については、以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。
ジャムやホームメイドのスイーツなどによく使われるブルーベリー。
食物繊維とビタミンEの豊富な供給源として知られており、アントシアニンとして知られるポリフェノールも含んでいます。
抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEは、細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。その他にブルーベリーに含まれるルテインは、目の健康へ働きかけるほかにも、皮膚の表面の弾力性や水分量、脂質量の増加が期待できます。
ブルーベリーの詳細については、以下の記事にまとめていますので合わせて参考にしてみてください。
小さな赤色の実を持つクランベリーは、北米地域の秋の感謝祭で七面鳥に添えるソースとして欠かせない果物として知られています。
クランベリーは、抗酸化作用のあるビタミンCやE、食物繊維、ビタミンK、マンガンなどを豊富に含んでいます。そうした抗酸化成分は炎症や酸化ストレスと戦い、犬の全体的な免疫機能を高め、さまざまな病気から犬を守るのに役立ちます。
また、天然のポリフェノールとプロアントシアニンも含んでおり、「尿路結石症(尿石症)」を引き起こす尿路感染症などの予防する効果が期待できます。
赤や黒、紫、黄色、金色まで多彩で、甘くてジューシーな味が魅力なラズベリー。
犬にとって欠かせないミネラルの中の五大栄養素であるカリウムや鉄分も含まれているため栄養バランスの良い果物として知られています。
さらに食物繊維が豊富に含まれているだけでなく、抗酸化作用のあるビタミンCも豊富です。ビタミンCは、病気やストレスへの抵抗力を高めたり、鉄分の吸収をよくしてくれます。
初夏に黒い実をつける、木イチゴの仲間であるブラックベリー。
非常に高い抗酸化作用を持ったアントシアニンなどのポリフェノールを沢山含み、炎症や老化などの原因となる酸化を予防する効果が期待できます。
さらに強い酸味の成分クエン酸は、体内の酸性物質を減少させる効果や、疲労回復と血液をサラサラにする働きがあるとされています。
「ビタミンCの王様」と呼ばれるほどビタミンCが豊富に含まれるアセロラ。
その他にも抗酸化作用を持つ成分のアントシアニンやケルセチン、さらにはβ-カロテンが含まれているのも特徴の一つです。
ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。β-カロテンは、体内で必要な分がビタミンAに変換され、白内障の予防など目の機能の健康維持の他、皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
直径約1センチの艶やかな赤黒い実をしたカシス。
カシスソーダやカシスオレンジなどお酒に使われているイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
カシスは、アントシアニンやビタミンA・C・Eなどの抗酸化成分を豊富に含みます。その中でもビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。また、皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
今回紹介したベリー類は、生のまま与えて問題ありません。
ただし、果実の周りには農薬が残っている可能性もあるので、水でしっかり洗ってから与えるようにしてください。
いくら栄養素に優れたベリー類でも与えすぎには注意しましょう。
特に消化器疾患がある犬は、水分が豊富なベリー類を与えすぎてしまうと下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
またストロベリー(イチゴ)やブルーベリーのような甘いベリー類は、犬が好む味なので与えすぎると癖になってしまい、ドッグフードを食べなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が含まれているといってもベリー類だけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、ベリー類はおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
一般的におやつとして与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなります。ただし、年齢や犬種によっても摂取できるカロリーや量が変わってきますので、与えすぎには十分注意しましょう。
どのベリー類でも小型犬で最大1粒を目安に調整することをおすすめします。
ベリー類は、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる果物ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
ベリー類には少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にベリー類を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
前述の通りベリー類に含まれる豊富な水分が犬によって刺激となってしまうことがあります。
体質など個体差がありますが、食べ過ぎるとお腹がゆるくなったり、下痢になったりする可能性があるので慎重に与えるようにしましょう。
Qベリー類の加工食品(ジャム・ヨーグルト・ジュースなど)は与えても大丈夫でしょうか?
A人間用に作られているベリー類の加工食品は、砂糖や人工甘味料、着色料、防腐剤、香料などの添加物が含まれていることが多いため与えないほうがいいでしょう。
Q犬にベリーミックスは与えても大丈夫でしょうか
Aベリーが生のままミックスされた商品であれば問題ありません。一方でベリーミックスの加工品は、一般的に甘味料や油脂・小麦・乳製品などが含まれていることが多く、犬にとって有害となることがあるので与えないほうがよいとされています。
原材料や製法によっては与えて大丈夫な場合もありますが、犬用に作られた加工品以外は避けたほうがよいでしょう。
抗酸化物質を豊富に含み、犬の健康に役立つミネラルやビタミン類も含むベリー類。
特に免疫力やアンチエイジングに効果的とされるビタミンCやポリフェノールを積極的に取り入れることができる果物です。
ただし、いくら栄養に優れていても与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。そして、ベリー類を与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
ベリー類以外の果物については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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