ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/04/26
人間にとって主食の1つであるパン。今では惣菜パンや菓子パンなど種類も豊富で、匂いにつられて犬が食べたそうな表情で駆け寄ってくることもあるのではないでしょうか。
そして、実際に、犬がパンを美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、食パンやフランスパンなど「プレーンなパン」なら与えても大丈夫。それ以外のパンを与えるのは控えたほうがいいでしょう。
本記事では、犬にパンを与えることについての知っておくべきことから注意点まで解説します。
【 目 次 】
パン自体が犬に有害なわけではないものの、パンの種類によっては犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、飼い主の皆さんは注意が必要です。
食パンやフランスパンなど「プレーンなパン」であれば、おやつ程度に与えることは問題ありません。ただし、「プレーンなパン」であっても塩分や砂糖にバターなどが多く含まれているものは、犬に与えないほうが無難です。
特に人間用に作られた惣菜パンや菓子パンになると犬にとっては塩分過多、糖分過多、ハイカロリーになるので、大きな負担をかけてしまいかねません。過剰に与えるとカロリーオーバーになり、肥満につながる他、塩分の過剰摂取により高血圧のリスクが高まる可能性があります。
さらに中毒症状を引き起こす食材を誤って食べてしまったときは適切な対処が必要となります。
また、「プレーンなパン」であってもアレルギーには注意しましょう。パンの主原料である小麦は、「グルテン」というアレルゲンになりやすいタンパク質を含んでいるからです。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ねぎやニンニクなどのネギ類やチョコレート、ぶどう(レーズン)など犬にとって危険な食材が入ったパンもたくさん販売されています。その中でも代表的なNG食材とその食材が引き起こす可能性がある中毒症状について解説します。
犬がたまねぎを食べてしまうと、まずは嘔吐や下痢といった消化器系のトラブルが発生する可能性があります。
さらに時間が経つと、貧血を伴う中毒症状が現れることがあります。これは「貧血」という言葉からイメージする通常の症状、つまりめまいや意識喪失だけではなく、口の中などの粘膜が白っぽくなることがあります。
こうしたたまねぎ中毒は、たまねぎに含まれる有機チオ硫酸化物(チオスルフィン酸化合物)によるものです。
この成分は人間にとっては血液をサラサラに保ち、血栓形成のリスクを低下する役割を果たしますが、犬の体内に入ると赤血球内部のヘモグロビンと反応し、ヘモグロビンを酸化させてしまいます。
酸化したヘモグロビンは酸素を運ぶ能力が低下し、犬の体にとっては重要な酸素供給が滞ることで貧血の症状を引き起こします。なお、この有機チオ硫酸化物はネギ科の食物(長ねぎ・ニンニク・ニラなど)に含まれているので、これらの野菜も犬に与えてはいけません。
チョコレートはカカオの種であるカカオ豆を主原料として、これに砂糖や粉乳などを加えて作られています。
このカカオ豆に含まれる「テオブロミン」という物質は犬にとって分解・排出にとても時間がかかるため、体から排出させようと嘔吐・下痢などの中毒症状が起こります。
1かけら程度食べただけで軽度な異常が生じる可能性があり、また、大幅に許容量を超えて摂取してしまうと神経症状などが現れ、最悪の場合死に至ることもあります。
どんな犬であってもチョコレートを1粒でも食べさせないようにするのが賢明です。
ぶどう(レーズン)を食べてしまった時に起こる中毒は、これまでの症例報告から「急性腎不全」の症状と考えられています。
急性腎不全とは、数時間〜数日の間に急激に腎臓の機能(血液のろ過、血圧の調節、pHの維持、尿中の老廃物の排泄)が低下していく状態です。
急性腎不全は、わずか1日ほどで急速に腎不全が進行して腎臓の機能が低下する、命に関わる危険な病気です。
急性腎不全は、早期に発見・治療すれば治癒する可能性がありますが、発見が遅れ、治療開始が遅くなれば命を落とすことになりかねません。
人間がぶどう(レーズン)入りのパンを食べる際は、犬が誤って口にしないように、細心の注意を払うようにしましょう。
惣菜パンや菓子パンの他、前述のネギ類やチョコレート、ぶどう(レーズン)など、中毒症状を引き起こす可能性が高い食材を含んだパンを食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか。
その場合は食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をしてください。その際、下記の情報もなるべく具体的に伝えるようにしましょう。
病院に行く際、もし食べたものと同じものが残っていれば一緒に持っていくのがおすすめです。
動物病院ではこれらの情報や症状をもとに、血液検査を行ったり、場合によっては吐かせたり胃の洗浄などを行います。また、既に中毒症状が出ている場合は投薬治療や輸血などを行うことも考えられます。なお、自己判断で応急処置をすることは危険ですので絶対にやめましょう。
Q犬用に作られたパンであれば与えても大丈夫でしょうか?
A基本的には与えて大丈夫です。
犬用に作られたパンの多くは、塩分や糖分のほか、添加物の利用やカロリーが抑えられて作られています。ただし、いくら犬用と言っても与えすぎには注意が必要なので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。
また小麦アレルギーにも注意が必要です。アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。パンの主原料である小麦は、「グルテン」というアレルゲンになりやすいタンパク質を含んでいます。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にパンを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Q手作りのパンなら与えても大丈夫でしょうか?
A犬の健康を害さない材料で作られた手作りのパンであれば大丈夫です。ただし、前述の犬用に作られたパンとおなじで、与えすぎや小麦アレルギーには注意しましょう。
犬にとって人間用のパンは、肥満や高血圧を引き起こす可能性の高い、高カロリーな食べ物です。パンの種類によっては中毒症状を引き起こす可能性もあります。
飼い主としてしっかり注意をし、誤って犬が口にしないようにしましょう。万が一、犬が中毒症状を引き起こす具材の入ったパンを食べてしまったら食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
パン以外の食材については以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
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