ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/07/13
さくらんぼは、丸くかわいらしい見た目と色鮮やかさから人気があり、その甘酸っぱい味わいが特徴的な果物です。
さくらんぼは、ビタミンCやビタミンEのビタミン類の他、アンチエイジングや動脈硬化の予防が期待できるアントシアニンなど健康に役立つ成分が豊富に含まれています。
そんなさくらんぼを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にさくらんぼを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、さくらんぼは犬に与えても大丈夫な果物です! 本記事では、犬にさくらんぼを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、犬はさくらんぼを食べても問題ありませんが、必ず種や茎を取り除いて与えてください。
種や茎には有毒物質「アミグダリン」という成分が含まれており、中毒症状を引き起こす可能性があります。また小型犬ではのどや消化器に詰まらせる可能性あります。
与え過ぎも要注意です。さくらんぼは約80%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、おやつやドッグフードのトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
さくらんぼは、ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類からカリウム、βカロテン、アントシアニンなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、さくらんぼ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。
さくらんぼにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
さくらんぼにはアントシアニンというポリフェノールが含まれています。
アントシアニンはビタミンCと相性が良く、相乗効果により高い抗酸化作用を発揮します。アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
※さくらんぼ(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07070_7
犬にさくらんぼを与える際は、種と茎を必ず取り除いて果肉部分のみ与えるようにしましょう。
前述の通り種と茎には有毒物質「アミグダリン」が含まれています。この成分が犬の体内に入ると、青酸ガスが発生し、「アミグダリン中毒」を引き起こす可能性があります。
犬の体型や体調にもよりますが、もし中毒が起こってしまうと、食後約30分から1時間程度で、痙攣、呼吸困難、下痢、嘔吐などの症状が現れます。
さくらんぼを丸呑みすることでのどに詰まらせる可能性もありますので、必ず種を取り除いてから与えるようにしましょう。
犬が、さくらんぼを喜んで食べているからといって与えすぎることのないように注意しましょう。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量ですが、特にさくらんぼは、前述の通り約80%が水分ですので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。
以下が犬にさくらんぼを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安:さくらんぼ1個の果肉部分(約8g)換算
※さくらんぼ100gに含まれるエネルギーは、約64kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
さくらんぼは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる果物ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
さくらんぼに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、さくらんぼをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
さくらんぼには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にさくらんぼを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qアメリカンチェリーは与えても大丈夫でしょうか?
Aさくらんぼと同じように与えても大丈夫です。日本のさくらんぼとアメリカンチェリーは、栽培されている地域と品種の違いにより見た目の色や大きさに違いはありますが、成分の違いはそこまでありません。さくらんぼと同じで種と茎を取り除き、適量を与える分には問題ありません。
Qさくらんぼの缶詰などの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?
Aさくらんぼに限らず缶詰は、基本的に砂糖が大量に使われていることが多いため、与えないようにしましょう。
Qチワワを飼っているのですが、さくらんぼは与えても大丈夫でしょうか?
Aチワワも他の犬種同様さくらんぼを食べても大丈夫です。ただし、この記事で紹介しているように必ず種や茎を取り除いて与えてください。 またチワワはのどや消化器に詰まらせる可能性が高いので特に注意してあげてください。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるさくらんぼは、果肉の部分だけなら犬に与えても大丈夫な果物です。
ただし、与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。そして、さくらんぼを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
そして、与えるときはアレルギーに注意し、必ず中毒成分の含まれる種と茎を取り除きましょう。
さくらんぼ以外の果物と野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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