【獣医師監修】犬にカニを与える際は気を付けて!中毒症状の危険性や対処法や解説

2024/06/17

犬 カニ

高級食材でもあるカニは、年末年始やお祝いごとなど、特別な日に食べるイメージがありますよね。冬に旬を迎えるものから、1年を通して美味しく食べられるカニまで、様々な種類があります。

しかし、生のカニは犬の体内でビタミンB1欠乏症を引き起こす物質が含まれている危険な食べ物です。

本記事では、犬が生のカニを食べてしまった時に起こり得る中毒症状や対処方法について見ていきます。

生のカニは絶対ダメ!アレルギーにも要注意

生のカニは絶対ダメ

環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」に、「注意が必要なもの」の1つとしてカニが紹介されています。

カニにはチアミナーゼという酵素が豊富に含まれていますが、これは犬にとって欠かせないビタミンB1を分解してしまうため、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。ビタミンB1欠乏症は食欲不振やおう吐、痙攣、筋力の低下やふらつきといった症状が現れます。

ただし、チアミナーゼは加熱すると効力を失うといわれています。犬にカニを与える際は茹でる・蒸す・焼くなどして火をしっかり通すようにしましょう。市販の加熱済みのカニは塩茹でされている可能性が高く、塩分過多で心臓や腎臓に負担がかかる場合がありますので避けた方がよいでしょう。

また、殻やスジは必ず取るようにしましょう。カニの殻は硬く、丸のみしてしまうと非常に危険です。殻は消化に悪いだけでなく、表面がトゲトゲしているため、胃腸を傷つけてしまう可能性もあります。脚にある乳白色のひも状のスジはカニの関節を動かすための腱ですが、骨や歯の成分と同じ成分からできていてこれも消化に悪いので、必ず取り除きましょう。

加えて、アレルギーにも注意が必要です。アレルギーがある場合は加熱したとしてもアレルゲンになる可能性はなくなりません。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や食べる楽しみ、与える楽しみとして、加熱の上、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

犬が生のカニを食べてしまった時に起こり得る中毒症状

犬 生のカニ

生のカニを大量に食べてしまうと、ビタミンB1欠乏症になり、筋力の低下やふらつきが見られることがあります。状態が悪化すると歩行障害や、けいれん発作などが起こり、最悪の場合命を落とすこともあります。

上記のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

どのくらいの量の生のカニを食べると危険なのか

どのくらいの量の生のカニを食べると危険なのか

どのくらいの量の生のカニを食べると危険かについては、犬の大きさや健康状態・年齢などによると考えられます。しかし、食べてしまった量が少なく、見る限り体調に影響がないからといっても、数日たって症状が現れたり、何も症状があらわれなくても体に不要な負担をかけている可能性は否定できません。

いつまでも元気でいてほしいと願うのであれば、どんな犬であっても生のカニを少しでも食べさせないようにするのが賢明です。

食事中はもちろん、台所に犬が入れるようにしている場合は調理中や保管時も、犬が誤って口にしないように、細心の注意を払うようにしましょう。家族やその場にいる人にも伝える必要があります。

もし犬が生のカニを食べてしまったら

犬が生のカニを食べてしまったら

万が一、犬が生のカニを食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

その場合は食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をしてください。その際、下記の情報もなるべく具体的に伝えるようにしましょう。

  • いつ食べたのか
  • 何を食べたのか(食材のままか、寿司など調理済み食品か)
  • どのくらいの量を食べたのか
  • 今、犬の体調はどうか

病院に行く際、もし食べたものと同じものが残っていれば一緒に持っていくのがおすすめです。

動物病院ではこれらの情報や症状をもとに、血液検査を行ったり、場合によっては吐かせたり胃の洗浄などを行います。また、既に中毒症状が出ている場合は投薬治療や輸血などを行うことも考えられます。なお、自己判断で応急処置をすることは危険ですので絶対にやめましょう。

加熱したカニであっても、アレルギーには注意

加熱したカニ アレルギー

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

加熱したカニであれば、犬に与えることはできますが、タンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、おう吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬に加熱したカニを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

カニに関するよくあるQ&A

カニに関するよくあるQ&A

Q カニ缶やカニカマなどの加工品は与えても大丈夫でしょうか?

A 加工品の場合加熱処理してありますので、チアミナーゼの心配はありませんが、人間用の食品は味付けされ、塩分が多くなっていることがあります。また大きいものだと喉に詰まらせたり、消化不良になったりする可能性もあるので、細かく刻むようにしましょう。犬用に販売されているカニカマもありますので、そちらをおすすめします。

Q カニ味噌は与えても大丈夫でしょうか?

A カニ味噌にはカドミウムが多く含まれている、という報告もあります。高濃度のカドミウムを長期間摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性がありますが、カドミウムは海水にも含まれており、カニ・エビなどの甲殻類や貝類などの内臓に蓄積されやすいことがわかっています。人間よりも身体の小さい犬には健康を害する可能性がありますので、与えない方がよいでしょう。

カニ以外の魚介類については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

果物・野菜たっぷりのプレミアムドッグフード

NOW FRESH (ナウフレッシュ)は、新鮮な果物や野菜をたっぷり使って栄養バランスを整えたプレミアムドッグフードです。

グレインフリーのプレミアムドッグフード
グレインフリーのプレミアムドッグフード

ミールフリー・グレインフリーのドッグフード
「NOW FRESH™(ナウフレッシュ)」

グレインフリーのプレミアムドッグフード

タンパク質源として、レンダリングミートミールや肉副産物を一切使用していません。100%フレッシュな生肉・鮮魚+グレインフリー+豊富な野菜・フルーツを使ったほどよいタンパク質バランスのレシピで体調のコントロールがしやすいプレミアムドッグフードです。

NOW FRESH 詳細 グレインフリーのプレミアムドッグフード

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

関連記事

小型犬 お試しセット
小型犬 お試しセット