ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/10/27
ほぼ一年中スーパーの店頭に並び、酸味と甘みのバランスも良く使い勝手のいいキウイフルーツ。
色合いやサイズ感もよく、手作り食やカフェのドッグメニューなどでも良く使われる食材です。そんなキウイを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にキウイを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、キウイは犬に与えても大丈夫な果物です。
本記事では、犬にキウイを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
結論から言うと、キウイには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎは要注意です。キウイの約80%以上は水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
キウイは犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなキウイ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
キウイには、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。
ビタミンC 71mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、被毛や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
ビタミンE 1.3mg
紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。
キウイにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれる食物繊維が、他の果物と比較しても多く含まれています。
アクチニジンは、タンパク質を分解する働きのある酵素です。
そのため肉や魚などのタンパク質にキウイを加えるとアクチニジンが柔らかく分解して、犬が消化しやすくなる効果が期待できます。
ただし、加熱すると酵素の働きが失われてしまいます。一番効果的なのはすりおろした生のキウイに加熱する前の肉や魚をしばらく漬け込んでおくことです。肉や魚が柔らかくなり、消化の負担が軽減できるでしょう。
※キウイフルーツ(緑肉種)の可食部100g当たりの数値
※参照元:
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07054_7
犬にキウイを与える際は、皮を剥いてから与えるようにしましょう。皮は消化不良の原因となることがあります。
与える際は、すりつぶす必要はないですが、食べやすいように犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしてあげましょう。
犬が、キウイを喜んで食べているからといって与えすぎることのないように注意しましょう。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量ですが、特にキウイは、前述の通り80%以上が水分ですので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。
以下が犬にキウイを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安
※緑肉種のキウイ1個(約100g)に含まれるエネルギーは、約51kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
キウイは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
キウイに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、キウイをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
キウイには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にキウイを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるキウイ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもキウイはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、キウイを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
キウイ以外の果物については以下の記事にまとめていますので、併せてご覧ください。
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