ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/05/30
レタスは春から初夏にかけて特に美味しい野菜です。
シャキシャキとした食感とみずみずしさが特徴で、サラダなどのさっぱりとした一品として楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
そんなレタスを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思われる方も多いでしょう。
結論から言うと、レタスは犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬にレタスを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
レタスには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。またレタスには、グリーンリーフやサニーレタスなどさまざまな種類がありますが、どれも犬に与えて問題ありません。
水分が豊富で低カロリー、しかも生で食べることができるので、夏場の暑い日や運動後の水分補給に与えるのにも最適です。
ただし与え過ぎには要注意です。
レタスは約96%が水分であり、さらにレタスに含まれる食物繊維を摂り過ぎれば、消化不良や下痢を引き起こすかもしれません。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
レタスには、ビタミン類(ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK)や食物繊維、カリウム、鉄分、カルシウムなど、犬の健康維持に役立つ栄養が含まれています。レタスは水分を多く含んでいるため、栄養価自体は高くありませんが、各種の栄養素が少しずつバランスよく含まれているのが特徴です。
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したレタス100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果をより詳しく紹介します。
ビタミンC 5mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
ビタミンE 0.5mg
紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。
ビタミンK 29μg
出血があった際に、血を止める凝固作用や骨の形成をサポートする役割があります。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
ちなみにレタスに多く含まれるのは、腸内環境の改善や便のかさを増して便秘の解消に役立つ不溶性食物繊維です。適量の不溶性食物繊維は犬の体にメリットをもらしますが、食べすぎたり、細かくせずに与えたりすると消化不良を起こし、かえって腸内環境を悪くしかねません。
カルシウムは骨と歯の構成成分の99%を占め、身体を支える骨格を強化する働きがあります。また、神経刺激の伝達・興奮、筋肉の収縮、ホルモンの分泌、血液凝固など、身体のバランスを整えることにも役立っています。
レタスにはミネラルのひとつであるカリウムが含まれています。 カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
※レタス(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06312_7
レタスは、健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
レタスに含まれるリンやカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、レタスをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
レタスには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にレタスを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
以前、アメリカでは犬のキシリトールによる中毒例が報告され、「体重1kgあたり100mgの摂取で重篤な低血糖に陥る懸念がある」として、キシリトールの使用に注意するよう呼びかけられたことがあります。
キシリトールは、犬が摂取した場合に血液中の糖分を調整するインスリンを大量に放出させ、急激に血糖値を下げてしまいます。
そして、レタスの葉には天然のキシリトールがごく微量含まれているため、危険なのではないかと心配する方もいるかもしれません。
確かにレタスにはキシリトールが含まれていますが、その量はごく微量です。中毒となるほどの量を摂取するには、小型犬でレタス6~8個を食べる計算になるため、適量を守って与える分には問題ありません。
それでも万が一、レタスを食べた後に犬の様子がおかしいと思ったら、すぐに動物病院を受診しましょう。
犬にレタスを与える際は、食べやすいように小さくちぎってあげてください。芯の部分も小さくカットすることで、消化しやすくなります。
また、レタスを茹でて与えることも可能ですが、ビタミンCやカリウムといった水溶性の栄養素は、茹でることで水に溶け出してしまいます。
レタスの栄養を効果的に摂取させたいなら、軽く水洗いした後で生のまま与えることをおすすめします。
100gあたりのカロリーがわずか11kcalのレタスですが、与えすぎには注意しましょう。約96%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、レタスのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。
そのため、小型犬でレタスの葉っぱ2枚程度を目安に調整することをおすすめします。
Qレタスを老犬に与えても大丈夫でしょうか?
A与えても大丈夫です。前述の通りレタスの約96%は水分なので、水分の摂取量が減りがちな老犬の水分補給にもなります。ドライフードのトッピングに使うのも良いでしょう。
Qレタスを子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
Qレタスの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?
Aレタスに塩やコショウ、砂糖などの調味料が使用されている加工食品は、人間にとっては薄いと感じるくらいでも、犬にとっては塩分やカロリーが多く、下痢などの消化不良の原因になることがあるので与えないようにしましょう。
水分豊富で、低カロリー、それでいて生で食べることができるレタスは、水分補給として与えるのに最適な野菜です。
ただし、いくら低カロリーといっても与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。そして、レタスを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
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