ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/10/22
うどんは、多くの家庭で親しまれている食材ですが、犬に与えても良いものか気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
炭水化物が豊富で、柔らかく消化に良いことから、犬が美味しそうに食べるという声もよく聞かれますが、実際に犬にうどんを与える場合、適量や注意点を知っておくことが大切です。
いった疑問を持つ飼い主さんも多いはずです。
結論から言うと、うどんは犬に与えても問題ない食べ物ですが、適量やアレルギー、体調に注意が必要です。
本記事では、犬にうどんを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、うどんには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
うどんは、特に犬のエネルギー源となる炭水化物が豊富に含まれており、消化にも良い食べ物です。そのため、食欲が落ちているときや胃腸が弱っている犬におすすめです。
ただし、与え過ぎは要注意です。
人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
また、うどんの主成分である小麦は、アレルギー反応を引き起こす場合もあります。
小麦アレルギーを持つ犬には、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が出ることがあるため、注意が必要です。初めて与える際には、少量から始め、アレルギー反応がないか確認することをおすすめします。
うどんは前述の炭水化物やタンパク質の他にも僅かではありますが、ビタミン類、ミネラルなど犬の健康維持に役立つ栄養素も含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなうどん100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
うどんには、タンパク質・脂質と並ぶ3大栄養素のひとつ「炭水化物」が多く含まれています。炭水化物は、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。炭水化物というと糖質が多く、あまり良いイメージがないかもしれませんが、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。
タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている非常に重要な栄養素です。タンパク質はエネルギーを供給する3大栄養素の一つで、20種類のアミノ酸が鎖のように結合してできています。
ビタミンのひとつであるナトリウムは、体内の水分量や細胞外液の浸透圧を調整する役割を持ちます。
※うどん(ゆで)の可食部100g当たりの数値 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01039_7
犬にうどんを与える際は、茹でたうどんをしっかりと水で洗ってから与えるようにしましょう。
うどんの表面には塩分がついているので、その塩分を落とすことが重要です。特に市販のうどんには多くの塩分が含まれていることがあるため、充分に水で洗い流し、余分な塩分を取り除くことが大切です。
また与える際は、喉に詰まらせないためにも小さくカットして与えるように配慮してあげましょう。特に大型犬でも、細長いうどんをそのまま与えると窒息のリスクがあるため、短く切ったうえで与えるとより安全です。
うどんの「つゆ」と「ネギ」などの薬味は、必ず犬に与えないように注意しましょう。
「つゆ」は犬にとって塩分が多すぎるため、腎臓や心臓に負担をかける可能性が高く、塩分過多は長期的に健康を害します。
また、「ネギ」のような薬味は犬にとって有害な成分が入っていることがあるので与えないようにしてください。
特に小型犬や体力が落ちている犬には、わずかな量でも深刻な中毒症状が現れる可能性があるため、絶対に避けましょう。
ネギの中毒症状については以下の記事も参考にしてください。
炭水化物が豊富で消化に良いとされるうどんですが、与えすぎると犬に負担をかけることがあるため、適量を守ることが大切です。うどんを与えすぎると、下痢や嘔吐、肥満の原因になる可能性があるので、注意しましょう。
以下が犬にうどんを与える際の目安量です。
これはあくまで参考値であり、犬の年齢、体調、運動量、消化機能によって調整する必要があります。特に消化が弱い犬や高齢犬には、より慎重に量を決めましょう。
犬の体重目安と1日あたりの摂取可能目安(うどん一玉あたり約200gを基準とする)
※うどん100gに含まれるエネルギーは、95kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
うどんは、これまで述べたように健康な犬には比較的安全に与えられる食品ですが、いくつかの注意点があります。特にアレルギーのリスクや、心臓や腎臓に持病を持つ犬に対しては慎重に対応する必要があります。
犬のアレルギーは、免疫システムが特定のタンパク質に対して異常に反応することで引き起こされます。
うどんの主原料である小麦にはタンパク質が含まれており、小麦アレルギーのある犬にとっては問題となる可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にうどんを与える際は、少量に留め、他の新しい食べ物を一緒に与えないようにしましょう。これにより、アレルギー反応が出た場合でも原因を特定しやすく、症状が軽度で済む可能性があります。アレルギー反応が疑われる場合は、すぐに獣医師に相談してください。
また、グレインフリーやグルテンフリーのドッグフードが注目されています。これらのフードは、小麦や他の穀物を含まないため、アレルギーリスクを減らしたい飼い主にとって良い選択肢となることが多いです。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
うどんには、リンやカリウムなどの成分が含まれています。
これらのミネラルは、心臓や腎臓に持病を抱えている犬には制限が必要な場合があります。特に腎臓病の犬にとっては、リンの過剰摂取が病状を悪化させることがあります。また、うどんに含まれるタンパク質は、肝臓や腎臓への負担が大きくなるため、過剰摂取を避けることが重要です。
療法食を与えている犬や持病のある犬には、うどんを与える前に必ず獣医師に相談してください。
犬に与えても問題のない麺類はいくつかありますが、どれも適切な調理と配慮が必要です。うどん以外にも選択肢がありますが、犬の健康状態やアレルギーリスクに十分気を付けてください。
そうめん・ひやむぎは、うどんと同じく犬に与えても安全な麺類です。与え方や注意点もうどんと同様で、茹でた後に塩分をしっかり洗い流し、小さくカットしてから与えるのが基本です。
これらの麺は、小麦を主原料とし、違いは麺の太さにあります。農林水産省が定めるJAS規格(日本農林規格)によると、機械で製麺する「干しめん」のうち、直径1.3mm未満が「そうめん」、1.3mm以上1.7mm未満が「ひやむぎ」、1.7mm以上は「うどん」とされています。サイズの違いだけで栄養成分はほぼ同じです。
蕎麦もやわらかく茹でることで、犬に与えることができます。ただし、蕎麦アレルギーや小麦アレルギーを持つ犬には注意が必要です。
蕎麦の主原料はソバの実を粉にしたそば粉ですが、つなぎに小麦粉が使われていることが多いため、アレルギーのリスクを考慮する必要があります。
与える際は、うどんと同様に喉に詰まらせないよう、小さくカットして与えましょう。また、初めて蕎麦を与える際には少量から始め、アレルギー反応に注意してください。
パスタも犬に与えて問題ありませんが、茹でる際には必ず塩を使わないように注意が必要です。人間用に調理されたパスタは塩分が高くなるため、犬には適していません。無塩のお湯でしっかり茹でた後、小さくカットして与えるようにしましょう。
また、パスタの主原料も小麦なので、小麦アレルギーを持つ犬には慎重に与えるか、避けることが必要です。
Q うどんは子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A 通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
うどんは、犬にとって栄養価が高いものの、主食としてではなくあくまで「おやつ」として与えるのが基本です。炭水化物が豊富なため、犬の健康に必要な栄養をサポートすることもありますが、適量を守ることが大切です。
与える際には、うどんを主食の一部に置き換え、カロリーオーバーに注意しましょう。特に、肥満が気になる犬や運動量の少ない犬には、過剰な炭水化物を避ける工夫が必要です。例えば、うどんを与える日には、主食やおやつの量を調整するなどのバランスが求められます。
うどん以外にも、犬に与えて良い食品やその注意点については、以下の記事をご参照ください。
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