ドッグフードやキャットフードに含まれる「脂質」について解説

2021/08/21

ドッグフード キャットフード 脂質

5大栄養素の一つである「脂質」は、犬や猫のバランスのとれた食生活に必要なものです。

例えば、多くの健康な犬にとって、健康維持のためには約12~18%の「脂質」を含む食事が最適で、健康な猫であれば15~20%がベストと言われています。

この記事では、ドッグフードやキャットフードに含まれる脂質についてその役割から成分まで解説します。

脂質の役割

脂質は、タンパク質や炭水化物に比べて2倍以上のカロリーを供給するエネルギー源です。

このため、十分な運動をせず脂質を摂りすぎると簡単にエネルギー過多(カロリーオーバー)になってしまうので注意が必要です。それはシェイプアップされた愛犬や愛猫のウエストラインに悪影響を及ぼすだけでなく、肥満や消化不良、病気の原因になることがあるからです。

また、「エネルギー源」であること以外に、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助け、皮膚や被毛の健康を促進し、細胞膜や血液、神経組織や筋肉の成分となるといった大切な働きがあります。

さらに脂質は、ペットの健康面だけでなく、食べ物の味や香りを良くするという役割も担っています。一般的に、食品の味・香り・食感といった嗜好性は、脂質の量や質に影響されるからです。

脂質を構成する成分「脂肪酸」

脂質は、脂肪酸と呼ばれる成分で構成されています。

脂肪酸の中には、ペット自らの体内で合成することができず、食事から摂取する必要があるものがあり、これらは必須脂肪酸と呼ばれます。脂肪酸は化学的な構造の違いから、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸や短鎖・中鎖・長鎖脂肪酸のようにさまざまな種類があります。

エネルギー源として利用しやすい飽和脂肪酸

その中でも飽和脂肪酸とは、化学的に骨格となる炭素がすべて飽和結合で満たされた構造の脂肪酸で、常温で固まる動物性脂肪に多く含まれます。

エネルギー源として利用しやすい一方で、人間の場合は摂りすぎると血液中の悪玉コレステロールを滞らせると言われています。しかし、犬や猫は、人間と違って飽和脂肪酸を摂取してもコレステロール値が高くなることはありません。実際、飽和脂肪酸は、特に嗜好性の観点から、犬や猫にとって好ましいエネルギー源であると考えられています。

特に猫は肉食動物ですので、動物性の脂質に含まれる栄養素が必須となります。例えば、チキンオイル(鶏油)は嗜好性が高い飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸で必須脂肪酸であるリノール酸を含む脂質として、ペットフードによく使用されています。

脂肪酸の供給源となるオイルと栄養素について

脂肪酸 オイル

脂肪酸の中でも昨今、さまざまな健康をサポートする役割があるということで、オメガ3脂肪酸が有名になっていますが、オメガ3脂肪酸以外の脂肪酸にもそれぞれに重要な役割があり、バランスよく摂取することが重要です。

こうした脂肪酸をバランス良く摂取するために、ドッグフードやキャットフードには多くのオイルが配合されています。では実際にどのようなオイルが配合されているのでしょうか。

ここではペットキュリアン製品に含まれるオイルと栄養素について見ていきましょう。

・サーモン油:オメガ3脂肪酸であるDHA・EPAの供給源になります。嗜好性を高める役割もあります。

・鶏脂肪:エネルギー源として欠かせない飽和脂肪酸の供給源であると同時に、必須脂肪酸でオメガ6脂肪酸のリノール酸の供給源となります。嗜好性を高める役割もあります。

・クリルオイル:海のスーパーフード「クリル(南極オキアミ)」に含まれるオイルで、オメガ3脂肪酸であるEPA・DHAが、レシチン(リン脂質)と結びついた構造をしているため一般的な魚油より、吸収率が高いといわれています。また、強い抗酸化力(アンチエイジングの作用)を持つアスタキサンチンの供給源として、美容面や健康面でも注目されています。

・キャノーラ油:和名は菜種油です。オメガ 9脂肪酸のオレイン酸や、オメガ6脂肪酸のリノール酸の供給源になります。オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸も含みます。またビタミンEの供給源にもなります。

・ココナッツ油:構造が短い中鎖脂肪酸が多く含まれています。この脂肪酸はエネルギー源になりやすく消化吸収が早いため体脂肪になりにくいと言われています。

・フラックスシード油:和名はアマニ油です。オメガ3脂肪酸のαーリノレン酸の供給源となります。ビタミンEの供給源にもなります。

・ヒマワリ油:オメガ9脂肪酸のオレイン酸や、オメガ6脂肪酸のリノール酸の供給源になります。またビタミンEの供給源にもなります。

その他、ペットキュリアン製品は、多くのレシピで新鮮な生肉や鮮魚を使用しています。この肉や魚には、もちろん犬や猫の健康維持に欠かせない動物性の脂質が含まれています。

ペットフード全体の動物性食材の配合割合とのバランスを加味しながら、高品質なオイルを厳選して配合することが犬や猫の健康のために重要なのです。また、脂質を含む食事は、ペットのライフステージや疾病などのトラブルに合わせて、脂肪酸の量やバランスをコントロールする食事管理の方法もあります。

脂質の劣化を防ぐ酸化防止剤

「ドッグフードやキャットフードの酸化」という言葉は良く聞く言葉かもしれません。これはフードに使用されている「脂質」が酸素と結びつくことで変質している状態を指します。

こうした酸化を防ぐためにドッグフードやキャットフードの脂質は、「酸化防止剤」で保存されています。酸化防止剤には、植物由来のミックストコフェロール※1、ローズマリー、緑茶エキス※2など自然由来のものがよく使われています。

人工的な合成酸化防止剤としては、エトキシキン・BHA・BHTなどがあります。どのような酸化防止剤が使われているかは、ペットフードの原材料表示欄に、記載がありますので確認してみるとよいでしょう。

※1.トコフェロールとは、ビタミンEのことです。トコフェロール(ビタミンE)は化学的な構造によって複数種類あり、この複数種類のトコフェロールを混ぜたのが「ミックストコフェロール」と呼ばれています。
※2.緑茶由来のカテキン類に、抗酸化効果があると言われています。

脂質についてまとめ

今回は、ドッグフードやキャットフードに含まれる「脂質」について詳しく説明しました。中には、食事からしか摂取することができない成分もあり、愛犬、愛猫の健康のためにも脂質の持つ役割について理解しておくことは大切なことでしょう。

今回の記事で紹介したペットキュリアン社のフードは、脂質を含むAAFCOの栄養基準をクリアして作られています。また、これらのフードは、栄養学の博士号をもつ上級栄養士を筆頭に開発チームが厳選した食材を調達し、その食材の組み合わせや栄養素の配合について日々調査・研究したものです。

もし、脂質について疑問や不安がございましたら、いつでもお気軽にご質問ください。

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この記事を書いた人

Michele Dixon

ペットキュリアン社のアニマルヘルス&栄養部門のスペシャリストであるMicheleミシェルは、コロラド州立大学とコンパニオンアニマル科学研究所でペットの栄養学を研究しました。彼女は、幼い頃、最初に飼ったボルゾイの「ヤシャ」と一緒アメリカケネルクラブ(AKC)やカナダケネルクラブ(CKC)が主催する犬のトレーニング性能を競うコンテスト「High in Trial」で、最高得点を獲得しました。サイトハウンドに属するボルゾイは独立心が強く挑戦的な性質を持っているのでこの賞を受賞するのはとても珍しいことです。その後25年以上にわたって動物と栄養学に携わってきました。

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