犬にアボカドを与えるのは控えよう!中毒症状の危険性や対処法を解説

2023/01/24

犬 アボカド

「世界でいちばん栄養価の高い果実」としてギネスブックに記録されるほどのスーパーフード「アボカド」。

そんな栄養の優等生である食材をついつい犬にお裾分けしたくなりますよね。実際にアボカドやアボカドオイルを使用したペット用製品も販売されています。

しかし、重篤な中毒症状を引き起こした例も報告されていることから、現時点においては食べさせない方がよいと考えられます。

本記事では、犬がアボカドを食べてしまった時に起こり得る中毒症状や、対処方法についてみていきます。

この記事で伝えたいこと

犬にアボカドは、現時点においては食べさせない方がよい

犬がアボカドを食べてしまった際には中毒症状の他、様々な症状が引き起こされる可能性がある

犬がアボカドを食べてしまった際は、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぐ

犬がアボカドを食べるのを控えたほうが良い理由

犬がアボカドを食べることによって起こり得る症状には様々なものがあります。

ペルシンが引き起こす中毒症状

ペルシンが引き起こす中毒症状

まずアボカドを犬に与えてはいけない理由として「ペルシン」という殺菌作用のある成分が含まれていることが挙げられます。

ペルシンは、アボカドの葉・皮・種子・果肉に含まれており下痢や嘔吐の原因になります。

人間に対しては無害な成分ですが、犬やほかの動物(馬、牛、ヤギ、猫、マウス、ハムスター、うさぎ、鳥など)にとっては有害だといわれています。このように人間にとって健康に役に立つ食べ物でも、犬にとっては健康を損なう原因になることがあります。

種の誤飲・誤食にも注意

アボガド種

前述の通りアボカドの種や皮にもペルシンは含まれています。

さらにアボカドの種は大きく硬いので、もし犬が飲み込んでしまうと気管を塞いでしまい窒息の恐れがあります。特に小型犬は気管や食道なども小さく、消化することができず食道閉塞や腸閉塞を起こす可能性があります。

外科手術が必要になる可能性もありますので、犬が誤飲や誤食しないように必ず届かないところに保管しましょう。また人が食べた後ゴミとして捨てる際も犬がゴミ箱をあさって食べてしまうことがないように気をつけましょう。

食物アレルギーを引き起こす可能性

アボカドには、100gあたり2.1gのタンパク質(※1)が含まれています。

このタンパク質に免疫機能が過剰に反応することで、稀にアレルギー症状を起こすことがあります。

※1.参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07006_7

急性膵炎を引き起こす可能性

犬 急性膵炎

ギネスブックに記録されるほどの栄養価の高い果実であるアボカドは、100gあたり17.5gもの脂肪分を含み、カロリーも100gあたり178kcalの高脂肪・高カロリーの食材です。

人にとっては栄養素満点のスーパーフードとして注目されていますが、犬がこのような高脂肪・高カロリーの食材を過剰に摂取すると肥満や糖尿病の原因になりやすいのはもちろんのこと、突然発症し急性に進行する膵臓の炎症「急性膵炎」になる恐れがあるので注意が必要です。

犬がアボカドを食べたときに引き起こされる症状

前述の通り犬がアボカドを食べたときには様々な症状が見られる可能性があります。

では、具体的にどのような症状が引き起こされるのか原因ごとに具体的に見ていきましょう。

ペルシンによる中毒症状

ペルシンによる中毒症状

以下がペルシンによる主な中毒症状です。

  • 嘔吐
  • 下痢・軟便
  • 呼吸困難
  • 痙攣(けいれん)

ペルシンによる中毒症状は、おおむね3日以内に出現することが多いとされています。そのため犬が食べてしまってから3日以内に食欲、活動性の低下や上記の嘔吐・下痢などの症状がみられる場合には、すぐに動物病院を受診し、アボカドを摂取していることを獣医師に伝えましょう。

中毒症状を引き起こすアボカドの摂取量について

現在のところ中毒を発症する摂取量は不明とされています。

そもそもアボカドには1,000種以上もの品種があると言われており、ペルシンの含有量もその種類によって異なると言われています。またその耐性についても犬ごとに個体差があると言われています。

そのため現在においては、たとえ少量でも誤って食べてしまわないようにすることが大切です。

アボカドの種による窒息

以下が種を喉につまらせてしまったときの主な症状です。

  • 「ウェッ」という苦しそうな声を出して頭を下に下げるポーズを取る
  • 前足で喉を掻こうとする
  • 何かを吐き出そうとする
  • 意識がなくなる

誤ってアボガドの種を飲み込んでしまい気管に詰まった場合、すぐに症状は見られます。

すぐに種を取り除いて気道を確保しないと命にかかわりますので、まず、口の中を確認して手で取れそうであれば取りましょう。うまくいかない場合、

「小型犬・中型犬の場合」は背中を叩いて取り除く方法を試してください。

犬の後ろ側にまわって、前足と後ろ足の間から手を入れて片手で犬の顎を支えます。この時犬の頭が下を向くようにしてください。

そして反対側の手で犬の肩甲骨の間の背中よりも少し上の部分について真ん中あたりを強めに手のひらの腹で数回叩きます。

「大型犬」の場合は腹部を圧迫する方法を試してください。

犬の後ろ側にまわって、胴体の下から両手を入れます。この時犬のお尻と自分のお腹を密着させてください。

片方の手は拳を握り犬の上腹部(あばらのすぐ後ろあたり)に当て、両手で犬を持ち上げるようにして斜め上に強く圧迫します。

なお、どちらの方法も応急処置であり、無事に種を取り除けたとしても犬が怪我をしたり内臓損傷をしている可能性もあります。

落ち着いたら一度動物病院に連れて行くようにしましょう。

食物アレルギーの症状

食物アレルギーの症状

以下が食物アレルギーの主な症状です。

  • 皮膚のかゆみ
  • 慢性または再発性耳感染症(耳のかゆみ、耳の赤み、耳の腫れ)
  • 脱毛
  • 過度の引っかき
  • 湿疹
  • 繰り返し発症する皮膚の炎症(多くは抗生物質の投与・投薬が効きますが、中止すると再発します)
  • 嘔吐
  • 下痢

犬がアボカドを食べてから数時間後に嘔吐や下痢、体を痒がるなどの症状が見られたら、アボカドに対する食物アレルギーの可能性があります。

犬の食物アレルギーの詳細は「犬の食物アレルギー・食物不耐症の症状と診断方法」にまとめていますので、参考にして見みてください。

急性膵炎の症状

以下が急性膵炎の主な症状です。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • よだれを垂らす(気持ち悪そうにする)
  • 食欲不振
  • 元気がなくなる
  • 腹痛
  • ぐったりするなど

膵炎の主な症状は嘔吐や下痢で、特に何度も嘔吐を突然するようになります。同時に食欲や元気がなくなり活発さがなくなる様子も見られます。

犬がアボカドを食べてしまったときの対処法

犬がアボカドを食べてしまったときの対処法

万が一、犬がアボカドを食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

その場合は食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をしてください。その際、下記の情報もなるべく具体的に伝えるようにしましょう。

・いつ食べたのか

・どのくらいの量を食べたのか

・今、犬の体調はどうか

病院に行く際、もし食べたアボカドと同じものが残っていれば一緒に持っていくのがおすすめです。動物病院ではこれらの情報や症状をもとに、血液検査を行ったり、場合によっては吐かせたり胃の洗浄をしたり、吸着剤として活性炭の投与や点滴治療などが行われることが考えられます。

自己判断で応急処置をすることは危険ですので絶対にやめましょう。

まとめ:犬にアボカドを与えるのは控えよう。種の誤飲にも注意

犬にアボカドを与えるのは控えよう

犬にとって、アボカドは中毒症状だけではなく窒息やアレルギーなど発症させかねない食べ物です。

人間にとって栄養素たっぷりの魅力的な食材であっても犬にとっては有害なことがあります。

飼い主としてしっかり注意をし、誤って犬が口にしないようにしましょう。万が一、犬がアボカドを食べてしまったら食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう。

アボカドの他に「犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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