ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/02/13
春の訪れを感じさせる食材として、たけのこを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。独特の香りや味、そして食感を持ち、煮て、焼いて、と様々な料理の食材として活躍します。
そんなたけのこを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思われる方も多いでしょう。
結論から言うと、たけのこは犬に与えても大丈夫な野菜です。ただし、与え過ぎには注意が必要な野菜です。
本記事では、犬にたけのこを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
たけのこには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎには要注意です。
その理由は、たけのこには食物繊維とシュウ酸が多く含まれているからです。
たけのこは、便のかさを増して便秘の解消に役立つ不溶性食物繊維を多く含みます。適量の不溶性食物繊維は犬の体にメリットをもらしますが、食べすぎは消化不良を起こし、かえって腸内環境が悪くしかねません。
もう一方のシュウ酸は、カルシウムと結合することでシュウ酸カルシウム尿石症の原因になります。与える際は茹でてアク抜きをするなどシュウ酸の量を減らす必要があります。
また、そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
たけのこには、食物繊維に亜鉛、カリウムの他、グルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸などの犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したたけのこ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
特にたけのこには100gあたり3.3gもの食物繊維が含まれており、これは食物繊維が豊富な食材として有名なキャベツの約1.8倍、バナナの3倍近い含有量になります。
ちなみにたけのこに多く含まれるのは、腸内環境の改善や便のかさを増して便秘の解消に役立つ不溶性食物繊維です。
前述の通り適量の不溶性食物繊維は犬の体にメリットをもらしますが、食べすぎは消化不良を起こし、かえって腸内環境が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
亜鉛は、細胞の生まれかわりに深く関与しているミネラルの一種です。
つまり、皮膚や粘膜、被毛など、体中の細胞が作られて機能するために必要な栄養素です。
そのため亜鉛が不足すると、皮膚炎や脱毛、発達障害、免疫機能不全、繁殖機能低下などを引き起こします可能性があります。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。
この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
パントテン酸は、ビタミンB群に分類される水溶性のビタミンです。
糖質や脂質をエネルギーに変換する際に必要な補酵素の材料となります。
他のビタミンB群と協力して、皮膚のバリア機能を高め、乾燥から守る働きもあります。
昆布の旨味成分として知られているグルタミン酸は、腸のバリア機能を促進する効果があり、炎症を予防したり消化吸収を促したり、抗がん作用も期待されています。
アミノ酸の一種のアスパラギン酸は、体の疲労によって生じた乳酸を分解してエネルギーに変換する作用があるため、疲労回復効果が期待できます。
※たけのこ(ゆで)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06150_7
前述の通りシュウ酸を食事から多く摂取しすぎると、シュウ酸カルシウム尿石症の原因となります。
シュウ酸を多く含むたけのこなので過剰摂取にならないように注意が必要ですが、適切な方法でアク抜きをすることで、シュウ酸の量を減らせることが知られています。
他にはアレルギーの点から注意が必要なケースもあるので覚えておきましょう。
犬にたけのこを与える際は生ではなく、シュウ酸を減らす目的と消化しやすくするためにも必ず下茹でして十分にアク抜きをしてから与えましょう。
また与える際は犬の大きさや食べ方にあわせて細かくカットしましょう。喉に詰まらせることを予防し、消化の手助けにもなります。
100gあたりのカロリーは31kcalと野菜の中では平均的なカロリーのたけのこですが、与えすぎには注意しましょう。
前述の通り不溶性食物繊維が多く含まれているので、たくさん与えてしまうと消化不良を起こすことが考えられます。特に腸の調子が良くない子、便秘気味の子は与えないようにしましょう。あくまで適量であることが大切です。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、栄養素の観点も含めて考え、一口サイズに小さくカットしたものを、1~3欠片与える程度にとどめておくことを目安にしましょう。
たけのこに含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。
特に療法食を食べている犬の場合には、たけのこをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
たけのこには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にたけのこを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qたけのこを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、それまでは、硬くて消化の悪いたけのこは与えないほうが良いでしょう。
老犬も同様に、消化器機能が弱っていることや喉に詰まらせるリスクがあることから与えないほうが無難です。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるたけのこ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもたけのこはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
またシュウ酸カルシウム尿石症を引き起こさないためにも必ずアク抜きをおこない、シュウ酸の量を減らしてから与えましょう。
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