犬にバナナを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2022/09/26

犬 バナナ

スーパーやコンビニなど手軽に手に入りやすく栄養豊富なことでも知られているバナナは、犬の健康に役立つ栄養素もたくさん含んでいます。

そんなバナナを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にバナナを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

本記事では、そうした犬にバナナを与えることの疑問に対してお応えします。

この記事で伝えたいこと

犬にバナナは与えても大丈夫。ただし、必ず皮を剥き、小さくカットする

バナナの与えすぎはNG。適量をおやつ程度に与える

アレルギーに注意。また持病を持つ犬には与えない

犬はバナナを食べても大丈夫

犬 バナナ 食べても大丈夫

結論から言うと、バナナには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

しかし、バナナを食べて下痢、嘔吐、痒みといったアレルギーを起こす犬は存在します。こうしたバナナアレルギーの犬にバナナをあげるのは絶対にやめましょう。

また与え過ぎも要注意です。身体の小さな犬にとっては、一口サイズでも糖分の摂り過ぎになることがあるのであくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。

食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時やおやつや食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。

総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

バナナに含まれる栄養素と効果

バナナ 効果

バナナには犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • さまざまなビタミンB群は、犬のエネルギー源となる栄養を上手く代謝するのに役立ちます。また、粘膜や皮膚の健康維持に役立つナイアシンも含まれています。
  • 抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEは、細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。
  • カリウムやマグネシウムなどミネラルも豊富で、カリウムは血流をさらさらにし、マグネシウムは血圧を調整してくれます。
  • 繊維質が多く含まれていることから、便秘予防にも効果的です。

バナナ1本(約100g)に含まれる栄養成分と効果

以下では、バナナ1本(約100g)に含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

ビタミン群

ビタミンB1 0.05mg

糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、バナナ自体が持っている糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。

ビタミンB2 0.04mg

皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。

ビタミンB6 0.38mg

タンパク質・アミノ酸の代謝と細胞の合成をサポートします。

ビタミンE(α−トコフェロール) 0.5mg

紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。

ポリフェノール

ポリフェノールはビタミンC以上に抗酸化能力が高く、犬の体内でも活躍してくれます。さらにビタミンEと合わさることで、脂質の酸化を強力に防ぎ、犬に大きな恩恵を与えてくれます。

ミネラル

バナナは、犬の成長に欠かせないミネラルを豊富に含んでいます。

カリウム 360mg

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

マグネシウム 32mg

ビタミン類をより効率的に吸収するのを助け、健康な骨の成長を促し、血圧や体温の調整、神経伝達や興奮を抑える働きがあります。また、体内の酵素の活性化を促す成分でもあり体内に吸収された糖質やタンパク質の代謝をスムーズにする働きもします。

食物繊維**1.1g

バナナは、レタスと同等量の繊維質が含まれていて、犬の便秘予防に効果的といわれています。さらにフラクトオリゴ糖という腸内の善玉菌やビフィズス菌を増やす働きをする成分も含まれているので腸内環境を整えることにも貢献します。

※バナナの可食部100g当たりの数値
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

犬にバナナを与える方法

バナナ 与え方

犬にバナナを与える際は必ず皮を剥いて、喉に詰まらせないように小さくカットしてから与えるようにしましょう。

必ず皮を剥く

犬にとって危険な成分が含まれているわけではないのですが、皮は消化が悪く、消化不良や腸閉塞などにつながりますので必ず剥いてから与えましょう。

最悪の場合、命に関わる腸閉塞を引き起こすこともありますので、剥いた皮を犬が勝手に食べてしまわないように必ず届かないところに捨てましょう。

バナナは小さくカット、もしくはすりつぶす

やわらかいバナナはそのままあげてもいいのではと思うかもしれませんが、そのまま与えてはのどに詰まらせる可能性もあります。

必ず小さくカットもしくはすりつぶしてからあげましょう。

特にバナナは嗜好性が高いので、慌てて食べようとしてしまう犬もいるので注意が必要です。

犬にバナナを与えるときの適量(小型犬・中型犬・大型犬)

バナナ 小型犬 中型犬 大型犬

バナナの与えすぎには注意しましょう。

人間用のダイエット食品として人気のあるバナナですが、カラダの小さい犬にとってはかなりの高カロリー食品です。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもバナナだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、バナナはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量です。

以下が犬にバナナを与える際の目安です。

ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。

犬の体重目安 1日あたりの接種可能目安

  • 小型(体重2~5kg) 20g~40g(1/5本~2/5本)
  • 中型(体重6~15kg) 46g~92g(1/2本~1本)
  • 大型(体重20~50kg) 114g~226g(1本~2本と1/4本)

※バナナ1本(約100g)に含まれるエネルギーは、約80~90kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出

犬にバナナを与える際の注意点

犬 バナナ 注意点

バナナは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、糖質やミネラルが豊富な点から注意が必要なケースがあります。

バナナアレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

バナナにはタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にバナナを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

バナナに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食 を食べている犬の場合には、バナナをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

ストルバイト結石症に注意

バナナに含まれているマグネシウム、カルシウム、リンなどのミネラル分は、犬の尿結石のうちで一番多くみられるストルバイト結晶・結石の成分でもあります。特にマグネシウムが豊富なので、尿検査で注意を受けるなど予防が必要な体質の場合は避けましょう。

バナナを使った犬のレシピ

犬用のバナナレシピをご紹介します。繰り返しになりますがバナナは犬にとって安全な食材の一つですが、過剰に与えると消化不良を引き起こすことがありますので、適量を守って与えるようにしましょう。

バナナのスムージー

材料:
バナナ 1本
プレーンヨーグルト(無糖・無脂肪)100g
水 50ml

手順:
すべての材料をミキサーに入れてよく混ぜます。

※注意:人間用のミルクには乳糖が含まれているため、犬にとっては下痢やアレルギーの原因となり得ます。使用は避けましょう。
作りすぎて残ったスムージーは、保存して再び与えることなく、人間が飲むようにしましょう。

その他、バナナに関するQ&A

Q.バナナの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?

A.一般的に人間用に加工された製品は、甘味料や油脂・小麦・乳製品などが含まれていることが多く、犬にとって有害となることがあるので与えないほうがよいとされています。原材料や製法によっては与えて大丈夫な場合もありますが、犬用に作られた加工品以外は避けたほうがよいでしょう。

Q.バナナジュースを与えても大丈夫でしょうか?

A.ミキサーにかけるバナナジュースは、消化にもよく、与えても大丈夫です。ただし、牛乳を混ぜると乳糖という成分によって下痢を起こしたり、タンパク質が原因でアレルギーになったりする可能性があるのでやめましょう。
バナナジュースを作る場合は犬用ミルクやヤギミルク、豆乳などを使用するのがおすすめです。
また市販されている人用のバナナジュースは与えない様にしましょう。

Q.バナナと一緒にヨーグルトを与えても大丈夫でしょうか?

A.プレーンヨーグルトなヨーグルトと一緒であれば与えても問題ありません。ただし、与えすぎには注意し、あくまでおやつの範囲で与えるようにしましょう。

詳しくは以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

Qバナナは子犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。

まとめ:栄養価の高いバナナは、犬のおやつ程度に

バナナ おやつ

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるバナナ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもバナナはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

与えるときは、アレルギーに注意し、必ず皮を裂き、小さく刻んで喉に詰まらせないようにしましょう。

そして、与える量は、1日の必要摂取カロリーの1割程度にし、バナナを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

その他の果物については「犬に与えても大丈夫な果物とダメな果物は?与える際の注意点と合わせて解説」に詳しくまとめていますので合わせて参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

なつ インポートマネージャー

「ペットに携わる仕事がしたい」の一心で、2年前に異業界からグローバルペットニュートリション㈱に転職。子供の頃に家にいたセキセイインコとは、友達のように喜怒哀楽を共有して一緒に育った。 学生時代の4年間をアメリカのイリノイ州で過ごす。趣味はテニスで、身体を動かすことが好き。 将来は、人間の家族と犬と一緒に朝活ランニングすることが小さな夢。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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