【獣医師監修】犬に最適なタンパク質源は?生肉、ミートミール、副産物の違いと合わせて解説

2024/01/18

犬 タンパク質

ペットの健康な食事に欠かせないのが、タンパク質の存在です。しかし、さまざまなタンパク質源を使ったフードがあり、その選択肢の多さに頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。

また、フード選びの際にこのような疑問を抱いたことはないでしょうか。

  • 犬の健康に最適なタンパク質源は?
  • 成分表示の読み方は?
  • 「ミートミール」とは?
  • チキンミールとチキン副産物ミールの違いは?
  • 骨抜きターキーとターキーミールの違いは?

タンパク質やその元となる原材料は、ペットフードの中でもとても重要な栄養素です。だからこそ、色々なタンパク質源のフードが存在するのです。

タンパク質にはどんな成分が含まれているのか、そしてなぜそれが犬の健康に欠かせないのかを、この記事で掘り下げていきます。どのようなタンパク質源を使ったフードが最適なのか、選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

タンパク質とは?なぜ犬に必要なのか?

タンパク質

タンパク質は脂質、炭水化物とともにペットフードを構成する3大栄養素(体が大量に必要とする栄養素)の一つです。

タンパク質はアミノ酸と呼ばれる構成要素からできており、筋肉の健康な発達や回復など、体内の機能にとって重要な働きをします。それは、健康な筋肉を構築するために不可欠なアミノ酸がタンパク質に含まれているからです。アミノ酸は他の栄養素では代替できません。

犬の体に必要なアミノ酸は、合計22種類です。その中の12種類は体内の栄養素から合成が可能で、「非必須アミノ酸」と呼ばれます。ですが、「必須アミノ酸」と呼ばれる10種類のアミノ酸は、体内で合成することができません。

食物からしっかり補給することが大切なのです。

犬にとって最適なタンパク質源

ペットの食事において重要なのはどのタンパク質源からタンパク質を摂るかではなく、アミノ酸のバランスです。そのため、犬にとってどのタンパク質源が最適か断定するのは難しいでしょう。

ですが、さまざまなタンパク質源の中でも、全卵はアミノ酸スコア100と言われ、必須アミノ酸がすべて含まれているので特に優れていると言えます。

つまり、犬の健康に欠かせないのは、タンパク質に含まれているアミノ酸そのものなのです。それが動物由来であれ、植物由来であれ、体に与える影響は大差ないと考えられています。動物性タンパク質と植物性タンパク質(サステナブルなエンドウ豆など)両方を使ったフードを選ぶことで、さまざまな種類のアミノ酸をバランスよく摂取させることができます。

生肉や全卵、ミートミールや豆類など、タンパク質源が異なると、タンパク質に含まれる必須アミノ酸の種類や量も異なります。複数のタンパク質源を使った食事をペットに与えることで、必要なアミノ酸を簡単に摂取させることができます。

他にも、犬の健康に良いと言われているのは、フードローテーションし、タンパク質源の種類を定期的に変えることです。

異なるタンパク質源を与えることには、いくつかのメリットがあります。ある研究によれば、犬は若いうちから様々な原材料由来のタンパク質や、バラエティ豊かな食べ物を摂ることで、善玉菌が新しい食物源を簡単に判別できるようになるそうです※1。その結果、食物アレルギーの発症を予防できる可能性があります。

※1.Montegiove, N., Calzoni, E., Cesaretti, A., Pellegrino, RM., Emiliani, C., Pellegrino, A., & Leonardi, L.2022. The Hard Choice about Dry Pet Food: Comparison of Protein and Lipid Nutritional Qualities and Digestibility of Three Different Chicken-Based Formulations. Animals. Vol 12(12).

ミートミールと副産物ミールとは?

ミートミール

「ミートミール」とは、特定の動物由来のお肉を濃縮させ、乾燥させたものを指します。

原材料表には「チキンミール」や「ラムミール」など、タンパク質源の由来となる動物が一つのみ表記されています。ただし、動物の種類が表記されていないミートミールも存在します。このようなフードには何の動物が使用されているのか具体的に分からないため、あまりお勧めはできません。

逆に、動物の種類が明記されているミートミールは、生肉や、栄養豊富な骨や軟骨を加熱し、水分と脂肪を蒸発させ、タンパク質豊富な粉状に圧縮させたものの事です。

副産物ミール

副産物ミールは、筋肉以外の全てのお肉の部位を使ったフードです。これには栄養豊富な内臓肉の他、頭や足などの望ましくない部位も含まれています

副産物ミールの製造法はミートミールとほぼ変わりません。

フードに使用される動物は一種類ですが、動物のさまざまな部位が使われていることが多いでしょう。原材料表では「鶏副産物ミール」、または「ポーク副産物ミール」など、使用された動物名が表記されています。

副産物ミールは犬にとって有害?

副産物ミール

副産物ミールに使用できるお肉の部位に関しては、厳格な規定は存在しません。つまり、内臓から足などの部位まで、栄養価の異なるさまざまなお肉の部位が使用されている可能性があるのです。そのため、同じフードでも主に栄養価の高い原材料を使って製造する時と、そうでない時がある可能性がありますが、それを確認する手段はないのです。

愛犬にぴったりなフードを選ぶ際に大切なのは、加工が少ないフレッシュな原材料を使用した、シンプルなレシピを選ぶことです。生肉、野菜、果物など、使用されている原材料が原材料表に明記されたフードなら、安心して愛犬に与えることができます。

生肉と、ミートミールの違いは?

生肉と、ミートミールの違いは?

動物の種類が表記されたミートミールには、高品質なタンパク質が含まれていますが、生肉にもいくつかメリットがあります。

まず、ミートミールを製造する際には特定の動物由来の肉を濃縮させ、乾燥させるために、高熱で加工されます。さらに、ドライフードの粒を製造する際に再度加熱されるので、二度加熱されることになります。

それに比べて生肉からドライフードを作る際は、ミートミールのようにあらかじめ肉を加工する工程がありません。加熱の回数が少ないため栄養素が失われにくく、肉の素材の味が保たれます。また、生肉を使ったフードは消化に優しいので、胃腸の弱い犬にも安心です。

動物生物学に焦点を当てた科学雑誌「Animals※2」に掲載された研究 によれば、生肉のみを使用したドライフードは、ミートミールのみを使用したフードや生肉とミートミールを組み合わせたフードよりも、アミノ酸の量が豊富だそうです。

特に生の鶏肉のみを使用したドライフードが、必須アミノ酸と分岐鎖アミノ酸、そしてタウリンが最も多く含まれているとの結果が示されました。また、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸も最も多く含まれていたそうです。さらに、この研究において分析されたフードの中で、生の鶏肉を使用したフードが最も消化しやすいことが判明しました。これらの研究結果から見て取れるのは、生肉を取り入れたドライフードが非常に優れているということです。

※2.Castellazzi, AM., Valsecchi, C., Caimmi, S., Licari, A., Marseglia, A., Leoni, MC., Caimmi, D., Miraglia del Giudice, M., Leonardi, S., La Rosa, M., & Marseglia, GL. 2013. Probiotics and food allergy. Ital J Pediatr. Vol 39(47).

副産物ミール

ミートミールには骨が含まれているため、リン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。一方で、生肉には骨が含まれないため、ミートミールを使用したフードに比べてミネラルの含有量が少なくなります。腎臓病やストルバイト結晶などの泌尿器系の疾患といった、ミネラルの量が関わる健康上の問題を抱える犬には、生肉を使ったフードの方が安心かもしれません。

生肉を使ったフードには多くのメリットがある一方で、やはりミートミールと比べると、販売価格がやや高めになることがあります。その理由は、肉が加工されていない生の状態でドライフードの製造に使用されるからです。

ミートミールを製造する工程では、フードに必要なタンパク質を濃縮させるために、加熱によって水分を蒸発させます。しかし、生肉からドライフードを製造する場合、生肉には水分が多く含まれているため、ミートミールと同じ量のフードを作るには、より多くのお肉を使用する必要があります。例えば、ある量のフードを製造する際、必要なミートミールの量を1とすると、生肉で同じ量のフードを作るには、ミートミールの3~5倍が必要になります。

生肉を卵やタンパク質豊富な植物性の原材料と組み合わせたフードを選べば、さまざまな種類のタンパク質をたっぷりと与えられます。ナウフレッシュは新鮮でシンプルな原材料を使った、美味しくかつバランスの取れた総合栄養食です。飼い主の皆様も、安心して愛犬に与えることができます。

これまでの話を簡単にまとめると、生肉を使ったフードはミートミールを使ったフードと比べて販売価格がやや高い傾向にあります。

生肉には水分が多く含まれているため、高タンパクのフードを作るには、ミートミールよりも多くのお肉を使用する必要があるからです。新鮮な生肉、卵、そして植物性の食材を組み合わせることで、色々な種類のタンパク質が含まれたフードが完成します。

犬にタンパク質はどれくらい必要?

タンパク質が多ければ多いほど良いという考え方は、危険かもしれません。

犬も人と同様に、筋肉の発達などに効果的に利用できるタンパク質の摂取量には限りがあります。その限度を超えて摂取した場合、余分なタンパク質は体脂肪となるか、尿として排泄されます。

犬に必要なタンパク質量は、個々の大きさやライフステージ、活動レベルによって異なります。アメリカでペットフードの推奨基準を定めている団体「アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)」によると、成犬に与えるフードには少なくとも18%のタンパク質が必要です。

ですが、活動量の多い犬、使役犬、そして子犬は、通常よりも高い割合のタンパク質が必要です。これは筋肉を維持し、成長と発育をサポートするための必要条件と言えます。

ナウフレッシュに含まれるタンパク質は?

グレインフリーのプレミアムドッグフード
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ミールフリー・グレインフリーのドッグフード
「NOW FRESH™(ナウフレッシュ)」

グレインフリーのプレミアムドッグフード

タンパク質源として、レンダリングミートミールや肉副産物を一切使用していません。100%フレッシュな生肉・鮮魚+グレインフリー+豊富な野菜・フルーツを使ったほどよいタンパク質バランスのレシピで体調のコントロールがしやすいプレミアムドッグフードです。

NOW FRESH 詳細 グレインフリーのプレミアムドッグフード

ナウフレッシュのドッグフードは、ターキーやサーモン、ダックなどの生肉や卵から得られる動物性タンパク質と、豆類などの植物性タンパク質を組み合わせて作られています。

これらのタンパク質は、犬の健康維持に不可欠な必須アミノ酸をすべて含んでいます。さらに、犬のライフステージや大きさにも合わせてレシピを調整しているため、どの犬にとってもバランスの良いフードを提供しています。タンパク質のバランスを考慮することで、愛犬の健康的な体重維持をサポートするレシピも用意しています。

ナウフレッシュには、高品質な生肉が使用されています。できるだけ加工を最小限に抑えているため、お腹にも優しいです。新鮮な生肉の美味しさと食感は、きっと犬も喜ぶことでしょう。

ミートミールや副産物ミールは使用していないため、ミネラル量が抑えられています。犬の尿路の健康が気になる方にとっては、嬉しいポイントではないでしょうか。

まとめ

タンパク質と一言で言っても、動物の種類によってタンパク質の種類も異なります。ましてや、量が多ければ多いほど栄養価が高いというわけでもありません。

タンパク質に含まれるアミノ酸は体に不可欠であり、これらのアミノ酸にしか果たせない特別な役割を担っています。同時に、タンパク質は食べ物を美味しくしてくれるとても有能な栄養素です。ただし、過剰な摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。

フード選びのキーポイントは、栄養バランスと、犬の体の大きさやライフステージに適しているかどうかです。また、フードのベースとなる原材料がペットの健康状態や味の好み、また飼い主自身の価値観に合っているかどうかも、考慮したい点です。

ナウフレッシュは素材への徹底的なこだわりから、新鮮で自然な原材料を選び抜いています。タンパク質源においても、高品質なものだけを使用しています。この徹底したアプローチを基に、愛犬のライフステージやサイズに応じた栄養バランスを実現しています。

この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

Val C.カスタマー・ケア代表

2005年からペットキュリアン社に勤務。1978年に初めてゴールデンレトリバーを飼い、ドッグスポーツに参加。それ以来、ずっと犬に携わってきた。ブリーダーであり、ドッグショーやオビディエンス(躾大会)への出場経験もある。アジリティやフライボールなどのスポーツも大好き。

Theresa Lantz

ペット栄養学の専門家 アルバータ大学でペット栄養学の理学士号と、動物科学の理学修士号を取得。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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