ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/03/13
色合いやサイズ感もよく、手作り食やカフェのドッグメニューなどでも良く使われるとうもろこし。
夏が旬ですが、コーンの缶詰などで1年中手軽に利用できる食材です。
そんなとうもろこしを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にとうもろこしを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、とうもろこしは犬に与えても大丈夫な食材です。
本記事では、犬にとうもろこしを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、とうもろこしには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎは要注意です。
人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
とうもろこしは、豊富な炭水化物の他、ビタミンB1・B2、カリウム、食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなとうもろこし100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
とうもろこしには、タンパク質・脂質と並ぶ3大栄養素のひとつ「炭水化物」が多く含まれています。
炭水化物は、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。炭水化物というと糖質が多く、あまり良いイメージがないかもしれませんが、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。
糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、とうもろこし自体が持っている糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。
皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
※とうもろこし(ゆで)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06176_7
犬にとうもろこしを与える際は、柔らかくなるまで煮る・蒸すなど、しっかり加熱してから与えるようにしてください。生で食べると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の症状がでることがあります。
なお、芯は食べられませんので必ずはずして、実の部分だけを与えてください。加熱済みであっても芯は非常に硬く犬の歯でも噛み砕けないとされ、誤飲しやすいものとして危険な食品とされています。
またとうもろこしの実は小さいですが、子犬など消化器官が未発達の場合は、火を通した上でさらにペースト状にするなどして細かくして与えるのが良いでしょう。なお、調理の際は塩を加えないようにしてください。
とうもろこしの与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもとうもろこしだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、とうもろこしはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になります。
以下が犬にとうもろこしを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安
※とうもろこし100g(茹で)に含まれるエネルギーは、約95 kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
とうもろこしは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
とうもろこしに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。また、タンパク質もしっかり含まれているので食べすぎると肝臓や腎臓に負担がかかります。
特に療法食を食べている犬の場合には、とうもろこしをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
とうもろこしは野菜ではありますが、タンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にとうもろこしを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qとうもろこしの加工品であるコーン缶やポップコーンは与えても大丈夫でしょうか?
A市販されているほとんどのコーン缶は食塩や砂糖で味付けがされています。コーン缶を使用する際は味付けのされていないものを選ぶことをおすすめします。また、ポップコーンはバターや塩などが添加されていますので、与えないようにしましょう。
Qとうもろこしは子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるとうもろこし。ただし、いくら栄養価が高いからといってもとうもろこしはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、とうもろこしを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
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