ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/05/12
家庭の冷蔵庫に必ず入っている卵。
料理のバリエーションも広く、なんと言ってもアミノ酸の栄養価を示す指標であるアミノ酸スコアが100で「完全栄養食」と呼ばれる栄養価の高さが特徴の食材です。当然ドッグフードの原材料としても使用されることが多い食材ですが、おやつや手作り食で使って犬に与えてもいいものなのか不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、卵は犬に与えても大丈夫な食材です。
本記事では、犬に卵を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、卵には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎは要注意です。人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時、またはおやつや食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
また、卵にアレルギーのある犬の場合は、食べて下痢、嘔吐、痒みといったアレルギーを起こすこともあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。卵はアミノ酸スコア100の良質なタンパク源ではありますが、アレルギーのある犬に与えるのはやめましょう。
卵には犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したような卵1個(Mサイズ50g)あたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている非常に重要な栄養素です。
タンパク質はエネルギーを供給する3大栄養素の一つで、20種類のアミノ酸が鎖のように結合してできています。卵は犬が必要とするアミノ酸のうち、体内で合成できない必須アミノ酸10種類をすべて含んでおり、良質なタンパク源と言えます。
体内で作ることができず、食品から摂取しなければならない必須脂肪酸の1つが、オメガ6脂肪酸であるリノール酸です。
毛艶の改善やフケの軽減など、皮膚・被毛の健康には欠かせない成分です。
卵黄に多く含まれるビタミンAは、油に溶けやすい脂溶性ビタミンの一つで、「目のビタミン」とも言われ白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。また、皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
卵黄に多く含まれるビオチンは、健康な皮膚と艶のある被毛に重要な役割を果たしています。
他にも糖や脂肪・タンパク質を体内でエネルギーに変えるときに使われる重要な栄養素です。神経機能の維持にも役立ちます。
※鶏卵(全卵・生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12004_7
犬に卵を与える際は、黄身と白身を一緒に与えるのであれば、基本的に生でも火を通してもどちらでも問題ありません。ただし、白身に含まれる「アビジン」というタンパク質は、生の状態ではビオチンの吸収を阻害する性質を持っているため、白身単体で与える場合は火を通すようにしましょう。
火を通す場合はゆで卵にするのがおすすめです。調味料はつけずに与えましょう。
人間は食べませんが、卵の殻を与えることも可能です。ただし、殻の表面についた汚れをしっかり落とすこと、飲み込む際に粘膜を傷つけないよう粉状に細かく砕いてから与えるようにしましょう。殻はカルシウムが豊富なので、適度な摂取は健康な骨や歯の維持に有効です。
日本では卵を生食する前提で生産しているため衛生管理がしっかりしており、流通前に卵の殻の洗浄や殺菌がしっかり行われています。
そのため、一般に流通している卵であれば、サルモネラ菌や大腸菌で汚染していることはほとんど考えられません。ただし、保管状況が気になるようであればしっかり火を通して使うようにしましょう。
卵の与えすぎには注意しましょう。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養豊富といっても卵だけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、卵はおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量です。
以下が犬に卵を与える際の目安です。
ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安;1日あたりの摂取可能目安
※卵1個(約50g)に含まれるエネルギーは、約71kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
卵は、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
卵にはタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬に卵を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれる卵。ただし、いくら栄養価が高いからといっても卵はあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
与えるときは、アレルギーに注意し味付けせずに与えましょう。
そして、与える量は、1日の必要摂取カロリーの10%程度にし、卵を与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
本記事では卵について解説してきましたが、犬に与えても大丈夫な果物や野菜については下記のコラムにまとめていますので、是非併せてご覧ください
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