犬に枝豆を与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2023/07/28

犬 枝豆

夏の食卓には欠かせない枝豆。

色合いやサイズ感もよく、手作り食やカフェのドッグメニューなどでも良く使われる食材です。そんな枝豆を犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬に枝豆を与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

結論から言うと、枝豆は犬に与えても大丈夫な野菜です。

本記事では、犬に枝豆を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。

また、豆類をドッグフードに使う理由については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

犬は枝豆を食べても大丈夫

犬 枝豆

結論から言うと、枝豆には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

ただし与え過ぎは要注意です。人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

また、枝豆は未成熟な大豆のことで同じ植物です。そのため、大豆にアレルギーのある犬の場合は、食べて下痢、嘔吐、痒みといったアレルギーを起こすこともあります。

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。枝豆は重量の11%がタンパク質です。大豆にアレルギーのある犬に枝豆を与えるのはやめましょう。

枝豆に含まれる栄養素と効果

犬 枝豆

枝豆には犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • タンパク質が豊富な枝豆。タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている重要な栄養素です。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます

枝豆(生)の可食部100gに含まれる栄養成分と効果

以下では、上記で示したような枝豆100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

ビタミン群

枝豆には、葉酸などのB群、ビタミンC、ビタミンKなどが含まれています。

葉酸(ビタミンB9) 320μg

葉酸は神経組織の発達やDNAの合成に関与しているとされ妊娠中の母犬などに特に役立ちます。また、貧血予防にも効果があります。

ビタミンC 27mg

体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。

ビタミンK 30μg

出血があった際に、血を止める凝固作用や骨の形成をサポートする役割があります。

カリウム 590mg

枝豆にはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

食物繊維 5g

犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。

タンパク質 11.7g

タンパク質と言えば肉や魚を思い浮かべますが、枝豆にも多くのタンパク質が含まれています。

特に枝豆のタンパク質は、動物性タンパク質に似た良質のタンパク質と言われています。犬はオオカミとは異なり、植物性のタンパク質も消化することができるため、市販のドッグフードの原材料として使用されることもあります。タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている非常に重要な栄養素です。

※枝豆(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06015_7

犬への枝豆の与え方

犬 枝豆

枝豆は生で食べることはできません。生で食べると消化不良を起こしますので、犬に枝豆を与える際は必ず火を通して与えてください。

茹でるとビタミンなどの栄養素が水に流れ出ますが、枝豆の場合は鞘に守られているので、そこまで大きく変わらないということも特徴です。気になるようであれば蒸し焼きなどにするのもおすすめです。

鞘は食べられませんので必ずはずして与えてください。また、薄皮は消化しにくいので剥くようにしましょう。

枝豆は小さな豆ではありますが、子犬など消化器官が未発達の場合は、火を通した上でさらにペースト状にするなどして細かくして与えるのが良いでしょう。

また、犬には味が濃すぎるため、調理の際は塩を加えないようにしてください。

犬に枝豆を与えるときの適量

犬 枝豆

枝豆の与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といっても枝豆だけでは不十分です。

そのためドッグフードを主食として、枝豆はおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になります。ただし、枝豆は100gあたり125kcalと野菜の中ではカロリーの高い食材ですので、ダイエットには不向きだと考えてください。

以下が犬に枝豆を与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。

犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安

  • 小型(体重2~5kg)10粒~20粒
  • 中型(体重5~10kg)20粒~40粒
  • 大型(体重10~20kg)40粒~70粒

※枝豆1粒(約1g)に含まれるエネルギーは、約1.4 kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出

犬に枝豆を与える際の注意点

犬 枝豆

枝豆は、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

枝豆に多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、枝豆をあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

大豆アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

枝豆は大豆と同じ植物です。野菜ではありますが、タンパク質がしっかり含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬に枝豆を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

枝豆に関するよくあるQ&A

Q冷凍の枝豆は与えても大丈夫でしょうか?

A塩などの味が付いていないことを確認し、火を通してから与えるならば問題ありません。

まとめ:枝豆は、犬のおやつ程度に

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれる枝豆。ただし、いくら栄養価が高いからといっても枝豆はあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

そして、枝豆を与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

枝豆以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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