【獣医師監修】犬に小松菜を与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2024/12/17

犬 小松菜

寒さに強く、冬の時期に特に美味しくなる特徴を持つ小松菜は、寒冷地での栽培に適し、寒さを受けることで甘みが増すことから「冬菜(ふゆな)」と呼ばれることがあります。

鍋の食材として使用されることも多い小松菜を、冬の食卓で犬にも与えたいと考える方もいるのではないでしょうか。一方で、次のような疑問を抱く方も多いでしょう。

  • 犬に人間の食べ物を与えていいのだろうか?
  • 小松菜の成分は犬にとって安全なのか?
  • どのくらいの量を与えたらいいのだろう?

結論から言うと、小松菜は犬に与えても大丈夫な野菜です。ただし、与える際にはしっかりと茹でてから与えるなどの注意が必要です。

本記事では、犬に小松菜を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点までを分かりやすく解説します。

犬は小松菜を食べても大丈夫

犬は小松菜を食べても大丈夫

小松菜には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

ただし与え過ぎには要注意です。

小松菜の約94%は水分でできていることから、水分補給を超えてたくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられるためです。あくまで適量であることが大切です。

与え過ぎには要注意

また、そもそも総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

小松菜に含まれる栄養素と効果

小松菜に含まれる栄養素と効果

小松菜には、βカロテンやビタミンC、Eなどのビタミン類、その他にもカルシウムや鉄分などの犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。

  • βカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなどが期待できます。
  • 鉄分は免疫力を維持するために重要な栄養素です。

小松菜(ゆで)の可食部100gに含まれる栄養成分と効果

小松菜(ゆで)の可食部100gに含まれる栄養成分と効果

以下では、上記で示した小松菜100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

ビタミン群

βカロテン 3100μg

小松菜には、βカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。

ビタミンC  21mg

体の細胞と細胞の間をつなぐコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。

ビタミンE 1.6mg

紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。

鉄分 2.1mg

鉄分は免疫力を維持するために重要な栄養素です。鉄分は体内に酸素を送る重要な役割を果たしているため、鉄分が足りないと体内に十分な酸素が送られず、免疫細胞もエネルギー不足となり機能の低下につながります。

カルシウム 150mg

ビタミン類をより効率的に吸収するのを助け、健康な骨の成長を促し、血圧や体温の調整、神経伝達や興奮を抑える働きがあります。また、体内の酵素の活性化を促す成分でもあり体内に吸収された糖質やタンパク質の代謝をスムーズにする働きもします。

※小松菜(ゆで)の可食部100g当たりの数値
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06087_7

小松菜の与え方と注意点

小松菜の与え方と注意点

小松菜の与え方

犬に小松菜を与える際は、生ではなく、消化しやすくするために、必ず茹でてから与えるようにしましょう。

また、犬は食事をするときにあまり噛まず、そのまま飲み込んでしまい、喉に詰まらせる可能性もあるため、犬が消化しやすいよう、犬の大きさや食べ方に合わせて小さくカットしましょう。

犬に小松菜を与えるときの適量

100gあたりのカロリーがわずか14kcalの小松菜とはいえ、与えすぎには注意しましょう。約94%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。

おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、小松菜のカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。

栄養素の観点も含めて考え、「1~2cm程度に小さくカットしたものを20~30g程度与える」ことを目安にしましょう。

小松菜を与える際の注意点

食物アレルギーに注意

食物アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

小松菜には少量ですがタンパク質が含まれているので、極稀にアレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬に小松菜を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

甲状腺機能の低下が認められる犬には与えない

小松菜などのアブラナ科の野菜には、甲状腺ホルモンの分泌を阻害する『ゴイトロゲン(グルコシノレート)』という成分が含まれており、この成分の摂取が多量に続くと、甲状腺ホルモンの欠乏が引き起こされ、運動性の低下や無気力などの症状が現れる可能性があると考えられています。

すでに甲状腺機能の低下が認められる犬には、小松菜を与えないほうが安心です。

見た目が似ている野菜との違いについて

ほうれん草との違い

ほうれん草との違い

ほうれん草も小松菜同様、βカロテンのほか、鉄分や葉酸も豊富に含み、犬の健康維持に役立つ栄養素を含んだ野菜です。犬にも安心して与えることができますが、小松菜と比較するとシュウ酸を多く含むため、与える際にはしっかりと下茹でをするなど注意が必要です。

小松菜にもシュウ酸は含まれますが少量ですので、シュウ酸が気になる場合にほうれん草の代わりとしてもあげることもできます。

ちなみに、小松菜はアブラナ科に属し、白菜やキャベツと同じ仲間である一方、ほうれん草はヒユ科に属するため、そもそも科が異なります。

チンゲン菜との違い

チンゲン菜との違い

チンゲン菜も犬に危険な成分を含まないため、基本的には与えても問題ありません。ただし、小松菜と同様に、犬にチンゲン菜を与える場合は、必ず加熱し、細かく刻んでから与えるようにしましょう。

小松菜に関するよくあるQ&A

Q犬に小松菜の茎部分を与えても大丈夫でしょうか?

A茎部分は与えても大丈夫です。ただし、葉より固いので、細かく刻んでから、葉の部分より長めの時間茹でてから与えるようにしましょう。

Q冷凍した小松菜を犬に与えても大丈夫でしょうか?

Aしっかりと茹でた小松菜であれば問題ありません。冷凍前にしっかりと水分を絞り、食べやすいように小さくカットしておくと良いでしょう。一方、スーパーなどで売られている冷凍の小松菜には注意が必要です。元々人間用に塩茹でされているものもあり、犬には塩分の過剰摂取となる可能性があります。そのため茹で方がはっきりしていない市販のものは避けたほうがよいでしょう。

小松菜 子犬

Q小松菜を子犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。

小松菜与える際は、アク抜きを行い犬のおやつ程度に与えましょう

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれる小松菜。ただし、いくら栄養価が高いからといっても小松菜はあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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