ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/03/18
果実の王様と呼ばれる「メロン」。
香り高く、品のある甘さが特徴で、贈答品としてもよく利用される高級フルーツの一種です。
そんなメロンを見つめる犬の目は、いつも食べたそうな表情をしています。実際に、犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、メロンは犬に与えても大丈夫な果物です。ただし、与え過ぎには注意が必要です。
本記事では、犬にメロンを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
メロンには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
水分が豊富で他のフルーツに比べてミネラル類も豊富なので、暑い日や運動後の水分補給に与えるのもよいでしょう。水を飲みたがらない犬も、甘い香りのあるメロンなら興味を示してくれるかもしれません。
ただし与え過ぎには要注意です。
メロンは約88%が水分ですので、水分補給をこえてたくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
メロンには、食物繊維にβカロテン、ビタミンCの他、カリウムといった犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したメロン100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
ちなみにメロンに多く含まれるのは、腸内環境の改善や便のかさを増して便秘の解消に役立つ不溶性食物繊維です。前述の通り適量の不溶性食物繊維は犬の体にメリットをもらしますが、食べすぎは消化不良を起こし、かえって腸内環境が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
メロンに含まれるβカロテンの量は、果物類の中では最多と言われています。
そんなβカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
葉酸は神経組織の発達やDNAの合成に関与しているとされ妊娠中の母犬などに特に役立ちます。また、貧血予防にも効果があります。
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。
また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
特にメロンは、カリウムが多いことが特徴です。同じウリ科のスイカに含まれるカリウムが100gあたり120mgなのに対して、メロンは350mgと約3倍も多く含まれています。
ビタミン類をより効率的に吸収するのを助け、健康な骨の成長を促し、血圧や体温の調整、神経伝達や興奮を抑える働きがあります。
また、体内の酵素の活性化を促す成分でもあり体内に吸収された糖質やタンパク質の代謝をスムーズにする働きもします。
※メロンの可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07134_7
犬にメロンを与える際は、種や外の皮は消化に悪いので避け、果肉部分だけにしましょう。
特にメロンの皮を食べてしまうと、犬の喉に詰まるだけでなく、飲み込んだとしても食道や腸に詰まらせたり傷つけたりするおそれがあるので危険なので、誤って食べてしまうことがないように蓋付きのゴミ箱などに捨てるようにしましょう。
また冷蔵庫などで冷えすぎたメロンは、お腹を冷やして下痢を起こしてしまう可能性が高まるので常温のものにしましょう。
与える際は、すりつぶす必要はないですが、食べやすいように犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしてあげましょう。
犬が、メロンを喜んで食べているからといって与えすぎることのないように注意しましょう。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量ですが、特にメロンは、前述の通り約88%が水分であり、また糖分も多く含まれているので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。
栄養素の観点も含めて考え、一口サイズに小さくカットしたものを、1~3欠片与える程度にとどめておくことを目安にしましょう。
メロンに含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。
特に療法食を食べている犬の場合には、メロンをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
メロンには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にメロンを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
メロンにはタンパク質分解酵素である「ククミシン」という成分が含まれています。
この成分を摂取すると人間では、口や唇、喉がイガイガしたり、痒みを感じたりする方がいます。犬も同様で、場合によっては腹痛や吐いてしまうこともあります。
万が一、メロンを食べた犬が吐いたり、下痢をしたりした場合には、かかりつけの動物病院で獣医師の診察を受けるようにしましょう。
Qメロンを子犬や老犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。
ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、まずは少量から与えるようにしてましょう。
老犬も同様に、消化器機能が弱っていることがあることから、与える際は少量から始めましょう。
Qメロンのジュースやアイス・ゼリーなどの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?
Aメロンの加工食品には、人工甘味料や着色料、防腐剤、香料などの添加物が含まれていることが多いため、果汁100%以外のジュースは与えないほうが良いでしょう。
人間同様、暑さで失った水分を補うのに最適な栄養成分が含まれるメロン。
ただし、与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、与えるときはアレルギーに注意し、外の皮と種を取り除き、犬が食べやすいように小さくカットして与えましょう。
メロン以外の果物と野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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