ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/01/30
犬の栄養に関する基本的な知識を得ておくことは、愛犬の成長と健康を維持するために大切なことです。
犬に必要な栄養素は人間とまったく同じですが、その比率は人間とは異なるため、正しい理解をしていないと偏った栄養バランスの食事を与えて、健康を害することに繋がりかねません。
犬の健康に必要な特有の栄養素のことを理解しておくことは、ドッグフードを選ぶ際、おやつやトッピングとして食事を与える際にも役立ちます。
【 目 次 】
犬に必要な栄養素は人間と同じで「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」の3大栄養素に、「ビタミン」「ミネラル」を加えた5種類があり、5大栄養素と呼ばれています。
主に「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」は、エネルギー源として働き、「ビタミン」「ミネラル」は、代謝を助けたり、体の機能を調整したりする働きがあります。
また、水も犬の生命維持に欠かすことができない栄養素の一つで、水を含めて「6大栄養素」と呼ぶ場合もあります。
栄養素の中でも犬の体内で作りだすことができず、食物から直接摂取する必要があるものは「必須栄養素」と呼ばれ、「必須アミノ酸」や「必須脂肪酸」、「ビタミン」などがこれにあたります。
これらの栄養素は、犬の健康を維持するために食事からバランス良く摂取することが重要です。ただし、犬は飼い主さんが与える食事が全てであり、自分でコントロールすることはできません。
また、いざ飼い主さんが犬の栄養バランスの知識を習得し日々の食事に取り入れようと思っても、忙しい毎日の中では現実的に難しいかもしれません。
そのために「総合栄養食」という考え方があり、「これさえ与えていれば健康を維持できる」という飼い主さんのために考えられた食事が作られています。
総合栄養食については以下の記事で詳しくまとめていますので、栄養について気にしている方はあわせて確認してみてください。
以下では5大栄養素について詳しく解説していきます。
タンパク質は脂質、炭水化物とともにペットフードを構成する3大栄養素(体が大量に必要とする栄養素)の一つです。
タンパク質はアミノ酸と呼ばれる構成要素からできており、筋肉の健康な発達や回復など、体内の機能にとって重要な働きをします。それは、健康な筋肉を構築するために不可欠なアミノ酸がタンパク質に含まれているからです。アミノ酸は他の栄養素では代替できません。
犬の体に必要なアミノ酸は、合計22種類です。
その中の12種類は体内の栄養素から合成が可能で、「非必須アミノ酸」と呼ばれます。ですが、「必須アミノ酸」と呼ばれる10種類のアミノ酸は、体内で合成することができないので、食物からしっかり補給することが大切です。
タンパク質については以下の記事でより詳しくまとめていますので参考にしてください。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
少量であってもタンパク質を含む食物を与えると、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬に与える食物にタンパク質が含まれる場合は、与える量を少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
アレルギーについては以下の記事でより詳しくまとめていますので参考にしてください。
脂質は、タンパク質や炭水化物に比べて2倍以上のカロリーを供給するエネルギー源です。
多くの健康な犬にとって、健康維持のためには約12~18%の「脂質」を含む食事が最適と言われています。
「エネルギー源」であること以外には、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助け、皮膚や被毛の健康を促進し、細胞膜や血液、神経組織や筋肉の成分となるといった大切な働きがあります。さらに脂質は、ペットの健康面だけでなく、食べ物の味や香りを良くするという役割も担っています。
脂質については以下の記事でより詳しくまとめていますので参考にしてください。
炭水化物は、消化性が高く効率の良いエネルギー源です。
消化の過程で、炭水化物はブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は、脳やその他特定の体細胞にとって好ましいエネルギー源です。
健全なペットの場合、ブドウ糖が体細胞に速やかに利用されるよう血糖値が厳密に制御されています。
炭水化物がブドウ糖源として供給されないと、体内ではタンパク質など他の物質からブドウ糖が合成されます。そのため、食事から炭水化物を摂取することで、タンパク質をエネルギーの生成ではなく筋肉や臓器などの体組織を作ったり修復したりするために利用することが可能になるのです。
犬にとっての必須栄養素とは考えられていない上、単なるかさ増しに使われると誤認されることもよくありますが、実は重要な栄養素なのです。
炭水化物については以下の記事でより詳しくまとめていますので参考にしてください。
ビタミンは病気への抵抗力を高め、酵素システムにおいて、必要不可欠な栄養素です。
ミネラル成分を骨や歯の構造成分に変える働きをしたり、赤血球の形成、再生、他にも食欲を維持したり、健康な皮膚・被毛を保ったりといった働きをもったものもあり、役割は多岐に渡るとともに、すべて大変重要なものになります。
ビタミンには脂溶性と水溶性の2種類のものがあります。脂溶性ビタミンにはA、D、E、Kがあり、体内に蓄積されています。過剰なこれらの摂取は体にとって毒となる可能性があります。水溶性ビタミンにはB群および、ビタミンCが含まれます。
ビタミンについては以下の記事でより詳しくまとめていますので参考にしてください。
ミネラルは、犬の骨や歯の形成、神経伝達、細胞の働きなど、犬のからだを正常に保つために欠かせない栄養素です。主要なミネラルとして、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウムがよく知られています。
犬はミネラルを体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。
また不足すると体調不良や、疲労感、食欲低下などの症状が現れることがあり、一方で摂り過ぎても中毒症状が出る可能性があります。バランスよく必要量を摂取することが大切です。
特にミネラルの体内吸収には、ミネラル同士の摂取バランスが関係するため注意が必要です。例えば、主要ミネラルとして骨や歯の強化を担う「リン」と「カルシウム」がありますが、この2つの栄養素は体内で密接に結びついています。
犬にとっての理想的なリンとカルシウムの摂取比率は1:1~2と言われていますが、リンを過剰摂取するとカルシウムが体内で吸収されにくくなります。
健全な骨の発育と維持のために極めて重要な栄養素であるカルシウムの吸収を阻害することによって、骨に十分なミネラルが供給されず、全身の骨や歯が弱くなってしまうため、特に骨の発達が著しい成長期や全身の機能が低下しがちな高齢期においては注意が必要です。
プロバイオティクスは、動物の腸内に生息する有益な微生物(細菌または酵母 いわゆる善玉菌)のことです。「十分量を摂取したとき宿主に有益な効果を与える生きた微生物」(FAO/WHO)という定義もあります。
大腸に到達するまで生き残るように設計されたプロバイオティクスは、腸内フローラのバランスを整え、善玉菌の数を増やす働きをします。この働きは、ヒトと同じように犬でも認められており、ペットフードに適切な量を添加して給餌すると、下痢などのお腹トラブルを改善するという研究結果があります。
より詳しくは以下の記事でまとめていますので、参考にしてください。
犬に必要な栄養素を理解し、栄養バランスの良い食事を与えることは、犬の健康はもちろん、飼い主の安心感にも繋がります。
何より飼い主さんの安心感や幸せは、犬に伝わるものです。
ゆっくりと時間をかけられるときや、気持ちの余裕のあるときには、飼い主さんのライフスタイルに合わせて今回の記事を参考に栄養バランスを考慮したトッピングや手作りレシピにチャレンジしたり、一般食のおかずを組み合わせたりするのも楽しいですね。
例えば、総合栄養食に旬の食材を取り入れて犬とともに季節感を味わうなど、新しい組み合わせを探求していくと、犬や猫も飼い主さんも新鮮な気持ちになれるかもしれませんよ。
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