犬にかぼちゃを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2023/10/16

犬 かぼちゃ

ハロウィンのモチーフとしてよく知られている「かぼちゃ」。

かぼちゃのコロッケや煮物などかぼちゃの甘みを活かした料理も豊富で、秋の食卓を彩る食材として楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

そんなかぼちゃを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、

  • 犬に人間の食べ物を与えていいのだろうか?
  • かぼちゃの成分は犬にとって安全なのか?
  • どのくらいの量を与えたらいいのだろう?

と疑問に思われる方も多いでしょう。

結論から言うと、かぼちゃは犬に与えても大丈夫な野菜です。

本記事では、犬にかぼちゃを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。

犬はかぼちゃを食べても大丈夫

犬 かぼちゃ

結論から言うと、かぼちゃには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

かぼちゃは、可食部の約20%が炭水化物と言われており、エネルギーを補給するのに役立つ食材です。茹でたり、蒸したり、レンジで加熱したりするだけで甘みが増して、味付けせずそのまま食べられるところも魅力といえます。

犬 かぼちゃ

ただし、与え過ぎは要注意です。

人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。

総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

かぼちゃに含まれる栄養素と効果

犬 かぼちゃ 栄養素

かぼちゃは、豊富な炭水化物の他、βカロテンやビタミンB群、カリウム、食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。

そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • 犬がβカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • さまざまなビタミンB群は、犬のエネルギー源となる栄養を上手く代謝するのに役立ちます。また、粘膜や皮膚の健康維持に役立つナイアシンも含まれています。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • 食物繊維により腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果や便秘の解消が期待できます。

かぼちゃ100gに含まれる栄養成分と効果

以下では、上記で示したようなかぼちゃ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

炭水化物(でんぷん)  20.6g

かぼちゃには、タンパク質・脂質と並ぶ3大栄養素のひとつ「炭水化物」が多く含まれています。炭水化物は、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。炭水化物というと糖質が多く、あまり良いイメージがないかもしれませんが、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。

合わせて読む犬に炭水化物は必要?

βカロテン(ビタミンA) 2500μg

かぼちゃには、βカロテンが豊富に含まれています。

βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。

ビタミンB群

ビタミンB1 0.07mg
糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、かぼちゃ自体が持っている糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。

ビタミンB2 0.08mg
皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。

ビタミンB6 0.23mg
タンパク質・アミノ酸の代謝と細胞の合成をサポートします。

カリウム 430mg

かぼちゃにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

食物繊維 3.5g

犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。

※西洋カボチャ(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06048_7

犬へのかぼちゃの与え方

犬 かぼちゃ 与え方

犬にかぼちゃを与える際は、柔らかくなるまで焼く・煮る・蒸すなど、しっかり加熱してから与えることをおすすめします。

生のかぼちゃをそのまま与えると、消化不良を引き起こし、嘔吐・下痢・食欲不振などの原因になることがあるためです。また与える際は、犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットするか砕いて、喉に詰まらせないように配慮してあげましょう。

かぼちゃの種や皮、ワタは取り除く

犬 かぼちゃ 種や皮、ワタ

かぼちゃの種やワタは消化しにくいため、消化管に詰まったり、口の中や消化管を傷つけたりする恐れがあるので極力取り除くようにしましょう。

また、かぼちゃの皮は固いので、基本的には取り除くことをおすすめします。

ただし、皮にも栄養が豊富に含まれているので、どうしても与えたい場合は十分柔らかくなるまで加熱し、さらに細かく切ってから与えるようにしましょう。

犬にかぼちゃを与えるときの適量

犬 かぼちゃ 適量

栄養価がいくら高くても与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもかぼちゃだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、かぼちゃはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。

以下が犬にかぼちゃを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。

犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安;1切れあたり25g程度

  • 小型(体重2~5kg)1切れ~2切れ
  • 中型(体重5~10kg)2切れ~3切れ
  • 大型(体重10~20kg)3切れ~4切れ

※かぼちゃ100gに含まれるエネルギーは、78kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出

犬にかぼちゃを与える際の注意点

犬 かぼちゃ

かぼちゃは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。

心臓や腎臓に問題がある犬には与えない

かぼちゃに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、かぼちゃをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。

アレルギーに注意

アレルギー かぼちゃ

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

かぼちゃには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬にかぼちゃを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

かぼちゃに関するよくあるQ&A

かぼちゃの加工食品

Qかぼちゃの加工食品(クッキーやケーキ、かぼちゃチップスなど)は与えても大丈夫でしょうか?

A一般的に人間用に加工された製品は、犬にとって過剰な糖分・塩分や油分が含まれていることが多く、カロリーの過剰摂取など犬にとって有害となることがあるので与えないほうがよいとされています。原材料や製法によっては与えて大丈夫な場合もありますが、犬用に作られた加工品以外は避けたほうがよいでしょう。

かぼちゃ 子犬

Qかぼちゃは子犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。

まとめ:かぼちゃは、犬のおやつ程度に

犬 かぼちゃ

犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるかぼちゃ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもかぼちゃはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

そして、かぼちゃを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

かぼちゃ以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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