ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/12/20
きのこの中では味の癖がない「しめじ」は、和洋中といろいろな料理に使いやすく、栽培したものは年間を通して食べることができることから、食卓にのぼることも多いのではないでしょうか。
そんなしめじを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思われる方も多いでしょう。
結論から言うと、しめじは犬に与えても大丈夫な食品です。
本記事では、犬にしめじを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、しめじには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
噛みごたえもあり、具として存在感もありながらも低カロリーなので、肥満防止や栄養バランスを考えて手作り食を作るときにおすすめしたい食材とも言えます。
ただし、与え過ぎは要注意です。
人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
しめじは、βグルカンを含む豊富な食物繊維の他、ビタミンB群、ビタミンDなどのビタミン類や、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類といった犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなしめじ(生)100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
食物繊維は、犬のお腹の調子を整え、便秘予防に効果的といわれています。
またしめじには食物繊維の一種であるβグルカンが含まれています。
βグルカンは、キノコの仲間などに含まれる成分で、免疫系に役立つ働きのほか、マクロファージと呼ばれる細胞を活性化し、感染症や病気に対する抵抗力を高める効果があります。
糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、しめじ自体が持っている糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。疲れにくい体をつくるために必要と言われています。
皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。
タンパク質・アミノ酸の代謝と細胞の合成をサポートします。
ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収をサポートする栄養素です。
骨や歯の健康維持に必要で、ビタミンDが欠乏すると、骨粗しょう症やくる病などの病気になる可能性があります。
人がビタミンDを得るには食べ物から摂る方法と、日光を浴びて紫外線にビタミンDをつくってもらう2つの方法があります。ただし、犬の場合は日光を浴びてもほんの僅かして作ることができないため食事から摂る必要がある栄養素です。
しめじにはミネラルのひとつであるカリウムが含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
※ぶなしめじ(生)の可食部100g当たりの数値
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08016_7
犬にしめじを与える際は、生のまま与えてしまうと消化不良を起こす可能性があるため、消化しやすいように加熱調理してから与えるようにしましょう。しめじは加熱しても栄養素が流れにくいので、栄養素の観点からも問題ありません。
また、犬はしめじの石づき部を食べてしまっても問題はないと言われていますが、基本的には人が食べるのと同じように石づき部をカットし、おが屑を取り除いてから与えましょう。
100gあたりのカロリーがわずか26calのしめじですが、与えすぎには注意しましょう。特にしめじは約90%が水分ですので、摂り過ぎは下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、しめじのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。
以下が犬にしめじを与える際の目安です。
ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安;
※しめじ100gに含まれるエネルギーは、26kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
しめじは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
しめじに含まれるリンやカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。
特に療法食を食べている犬の場合には、しめじをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
きのこでアレルギー症状を引き起こした犬の報告が少なく、そこまで心配する必要はありませんが、しめじを食べた後に、嘔吐や下痢、皮膚の一部が赤くなる、体をかゆがるなどの症状を起こした場合は動物病院に相談しましょう。
また、初めて犬にしめじを与えるときには少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qしめじは子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるしめじ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
水分が多く、食物繊維が豊富なしめじは与えすぎるとお腹を壊すことに繋がります。そして、しめじを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないようも注意しましょう。
しめじ以外の犬に与えても良い食品については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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