ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2024/01/18
「緑黄色野菜の王様」や「総合栄養野菜」と言われるほど栄養豊富なほうれん草は、人間にとって健康維持に効果的な成分が含まれていることで知られています。
そんなほうれん草を犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、
と疑問に思われる方も多いでしょう。
結論から言うと、ほうれん草は犬に与えても大丈夫な野菜です。ただし、与える際には注意が必要です。
本記事では、犬にほうれん草を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
ほうれん草には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎには要注意です。
環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」にも、「注意が必要なもの」の1つとしてほうれん草が紹介されています。
その理由は、ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、カルシウムと結合することでシュウ酸カルシウム尿石症の原因になるからです。与える際は茹でてアク抜きをするなどシュウ酸の量を減らす必要があります。
また、そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ほうれん草には、βカロテンやビタミンB類などのビタミン類、その他にも鉄分やマグネシウムなどの犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したほうれん草100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
βカロテン 4200μg
ほうれん草には、βカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンB1 0.11mg
糖質の代謝をサポートするビタミンB1は、糖質を速やかにエネルギーに換えてくれます。
ビタミンB2 0.20mg
皮膚と被毛の健康維持、質の向上を高めるために欠かせない栄養素です。
ビタミンC 35mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
ビタミンE 2.3mg
紫外線などによる活性酸素による酸化ダメージから細胞を若々しく健康的に維持するのに役立ちます。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、より効率的にその作用を発揮するといわれています。
鉄分は免疫力を維持するために重要な栄養素です。鉄分は体内に酸素を送る重要な役割を果たしているため、鉄分が足りないと体内に十分な酸素が送られず、免疫細胞もエネルギー不足となり機能の低下につながります。
ビタミン類をより効率的に吸収するのを助け、健康な骨の成長を促し、血圧や体温の調整、神経伝達や興奮を抑える働きがあります。また、体内の酵素の活性化を促す成分でもあり体内に吸収された糖質やタンパク質の代謝をスムーズにする働きもします。
※ほうれん草(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06267_7
前述の通りシュウ酸を食事から多く摂取しすぎると、シュウ酸カルシウム尿石症の原因となります。
シュウ酸を多く含むほうれん草なので過剰摂取にならないように注意が必要ですが、適切な方法でアク抜きをすることで、シュウ酸の量を減らせることが知られています。
他にはアレルギーの点から注意が必要なケースもあるので覚えておきましょう。
犬にほうれん草を与える際は生ではなく、シュウ酸を減らす目的と消化しやすくするためにも必ず茹でてから与えるようにしましょう。
茹でる際は、十分な量のお湯を使用することが大切です。
電子レンジで加熱した後、水に晒してもシュウ酸は除去できますが、茹でた場合ほど多くのシュウ酸を除去することはできません。愛犬のためには、たっぷりのお湯を使用して茹でることをおすすめします。
またアク抜きをしたほうれん草は、犬が消化しやすいよう犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしましょう。
100gあたりのカロリーがわずか18kcalのほうれん草ですが、与えすぎには注意しましょう。約92%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、ほうれん草のカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。
以下が犬にほうれん草を与える際の目安です。
ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安;
※ほうれん草(生)100gに含まれるエネルギーは、18kcalとして算出
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
ほうれん草には少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にほうれん草を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Q犬にほうれん草の茎部分を与えても大丈夫でしょうか?
A茎部分は与えても大丈夫です。ただし、葉より固いので、細かく刻んでから、葉の部分より長めの時間茹でてから与えるようにしましょう。
Q冷凍したほうれん草を犬に与えても大丈夫でしょうか?
Aしっかりと茹でたほうれん草であれば問題ありません。冷凍前にしっかりと水分を絞り、食べやすいように小さくカットしておくと良いでしょう。一方でスーパーなどで売られている冷凍のほうれん草には注意が必要です。元々人間用に塩茹でされているものもあり、犬には塩分の過剰摂取となる可能性があります。そのため茹で方がはっきりしていない市販のものは避けたほうがよいでしょう。
Qほうれん草を子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるほうれん草。ただし、いくら栄養価が高いからといってもほうれん草はあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
またシュウ酸カルシウム尿石症を引き起こさないためにも必ずアク抜きをおこない、シュウ酸の量を減らしてから与えましょう。
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