ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/05/29
日本の夏の風物詩ともいえるスイカ。スーパーに並ぶスイカを見かけるようになると夏を感じますよね。
そんなスイカは、約90%が水分なので栄養がないと思われがちですが、汗と共に体の外へ出て行ってしまうカリウムをはじめとするミネラルやβ-カロテン、シトルリン、リコピンなど健康に役立つ成分が豊富に含まれています。
そんな「スイカ」を犬が美味しそうにシャクシャクと食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にスイカを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、スイカは犬に与えても大丈夫な果物です!
本記事では、犬にスイカを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
犬にスイカは与えることができる。ミネラルが豊富なので夏場の暑い日や運動後の水分補給に最適
スイカの約90%は水分。与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつやご褒美に
スイカを与えるときは種と外の皮を取り除き、犬が食べやすいように小さくカットして与える
【 目 次 】
結論から言うと、スイカには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
水分が豊富で他のフルーツに比べると糖分もカロリーも低めなので、夏場の暑い日や運動後の水分補給に与えるのにも最適です。
ただし与え過ぎは要注意です。
スイカは約90%が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、おやつやドッグフードのトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
スイカは、カリウムをはじめとするミネラルやβカロテン、ビタミンC、リコピン、シトルリンなど犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。
そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、スイカ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
スイカにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
スイカの赤色の色素で、強力な抗酸化作用を持つ成分です。
同じ効果を持つβカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の作用を持つとも言われています。 リコピンというとトマトを思い浮かべる人も多いかも知れませんが、じつはスイカにはトマトよりも多くリコピンが含まれていると言われています。
シトルリンは体内でL-アルギニンに変化し、血管のサポートに役立つアミノ酸です。
シニア期には血管の働きや性質が衰えることがありますが、シトルリンの摂取によって血管の健康を維持し、全体的な健康にも寄与することが期待されます。
※スイカ(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07077_7
犬にスイカを与える際は、種や外の皮は消化に悪いので避け、赤い果肉部分だけにしましょう。
また冷蔵庫などで冷えすぎたスイカは、お腹を冷やして下痢を起こしてしまう可能性が高まるので常温のものにしましょう。
与える際は、すりつぶす必要はないですが、食べやすいように犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしてあげましょう。
犬が、スイカを喜んで食べているからといって与えすぎることのないように注意しましょう。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量ですが、特にスイカは、前述の通り約90%が水分ですので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれています。そのためドッグフードを主食として、スイカはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
以下が犬にスイカを与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安
※スイカ1個(約100g)に含まれるエネルギーは、約41 kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
スイカは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる果物ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
スイカには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にスイカを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
スイカに含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、スイカをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
Qスイカのジュースなどの加工食品は与えても大丈夫でしょうか?
Aジュースには、人工甘味料や着色料、防腐剤、香料などの添加物が含まれていることが多いため、果汁100%以外のジュースは与えないほうが良いでしょう。
人間同様、夏の暑さで失った水分を補うのに最適な栄養成分が含まれるスイカ。
ただし、与え過ぎると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるので、あくまでおやつとして与えるようにしましょう。そして、スイカを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
そして、与えるときはアレルギーに注意し、外の皮と種を取り除き、犬が食べやすいように小さくカットして与えましょう。
スイカ以外の果物と野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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