ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスとは?犬や猫にあげたほうがいいの?

2020/09/18

プロバイオティクス・プレバイオティクス・消化酵素

スーパーマーケットの商品棚には、「プレバイオティクス」「プロバイオティクス」あるいは「酵素」「消化酵素」を配合!というセールスコピーがついた商品がたくさん並んでいます。しかし「バイオティクス」とは、はたして何者なのでしょうか?なぜそれほど注目されるのでしょう?これらは私たちのペットにも必要なものなのでしょうか?

ここでは、ペットフードに含まれる「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「消化酵素」の紹介から、プロバイオティクスを含むヨーグルトを犬や猫にあげるべきか解説します。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは、動物の腸内に生息する有益な微生物(細菌または酵母 いわゆる善玉菌)のことです。「十分量を摂取したとき宿主に有益な効果を与える生きた微生物」(FAO/WHO)という定義もあります。

大腸に到達するまで生き残るように設計されたプロバイオティクスは、腸内フローラのバランスを整え、善玉菌の数を増やす働きをします。この働きは、ヒトと同じように犬や猫でも認められており、ペットフードに適切な量を添加して給餌すると、下痢などのお腹トラブルを改善するという研究結果があります。

健康的な腸内環境を整えるには、まず、その子の体質に合った良質なドッグフード・キャットフードを選ぶことが重要です。さらに、プロバイオティクスを配合しているペットフードを選択肢に加えれば、胃腸の健康をサポートする食事選びができるでしょう。

ペットキュリアン社のGO!カーニボア(犬用)GO!カーニボア(猫用)NOW FRESH™(ナウフレッシュ・犬用)NOW FRESH™(ナウフレッシュ・猫用)では、プロバイオティクスとして、ラクトバチルス・アシドフィルス菌とエンテロコッカス・フェシウム菌を採用しています。

また、腸内環境に影響を与えるフード以外の要因として、ストレスのある環境や抗生物質の投与があります。このような要因がある場合には、食事とは関係なく腸内の細菌バランスが崩れてしまうことがあるので注意が必要です。

プレバイオティクスとは?

プレバイオティクス

プレバイオティクスは、大腸に生息している善玉菌(つまりプロバイオティクス)のエネルギー源=「エサ」となる成分のこと言います。

プレバイオティクスが腸内に適切に供給されると、それを食べるプロバイオティクスが活性化し、結果的に健やかな腸内環境の形成にアプローチできます。

ペットフードに含まれるプレバイオティクスの一般的な成分としては、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)などです。 研究によると、プレバイオティクスを含む食事を与えられたペットは、便の中にビフィズス菌や乳酸桿菌などの有益な細菌(善玉菌)が多く存在していたことが示されています(参照論文1)。

プレバイオティクスを与えた結果、排泄行動が規則的になりウンチの質が改善したことも示されています。

GO!シリーズやNOW FRESH®(ナウフレッシュ)シリーズには、プレバイオティクスとなるイヌリンの供給源として、乾燥チコリ根を採用しています。

消化酵素とは?

消化酵素は、食べたものを体に取り込める大きさまで細かく分解する役割を持つ生物学的に活性化された分子です。

ペットフードのパッケージでは、プロバイオティクスと消化酵素の表示が類似しているため、混乱することがありますが、この二つは構造が異なるだけでなく、消化管の健康をサポートするという点でも全く異なる機能を持っています。

プロバイオティクスと消化酵素の主な違いは、プロバイオティクスが生体(善玉菌)であるのに対し、消化酵素は非生体のタンパク質であるということです。つまり、消化酵素は生き物ではありません。

プロバイオティクスは、腸内の善玉菌の最適なバランスを整えることで健康な消化器官と免疫機能をサポートしますが、消化酵素はターゲットとなる特定の栄養素の分解に直接作用して、その栄養素の吸収をサポートする働きを持っています。たとえば、脂質をターゲットした消化酵素であるリパーゼは脂肪を脂肪酸に分解し、タンパク質をターゲットにした消化酵素であるプロテアーゼは、タンパク質をアミノ酸に分解します。研究により、消化酵素は消化を助けるだけでなく、ペットのウンチの質も改善することが示されています(参照論文2)

GO!カーニボアシリーズでは、炭水化物やタンパク質を分解する消化酵素の供給源として、アスペルギルス・オリザエとバチルス・サブティリスを採用しています。アスペルギルス・オリザエは「麹菌」の仲間で、味噌や甘酒などの製造に欠かせない酵素です。また、バチルス・サブティリスは、和名を枯草菌(こそうきん)と言い、アミラーゼやプロテアーゼなどの消化酵素を多く分泌して納豆などの製造に活用されています。

「マイクロバイオーム」「腸内フローラ」とは?

マイクロバイオーム=「細菌叢(さいきんそう)」とは、人間または動物の体に生息する微生物達のコミュニティ(集合体)のことです。

一部の科学者は、マイクロバイオームの働きが生物の総合的な健康や免疫系に対して大変重要な役割であることから、マイクロバイオームを新しい「器官」であると考えているほどです。

ヒトの場合、ヒトの細胞の10倍以上の微生物細胞が存在すると報告されています。また、「腸内フローラ」は、腸内に生息するマイクロバイオームを指します。

腸内フローラは、体に合わない食事や食生活の乱れ、抗生物質の投与、病気などの要因により、その組成が悪化する可能性があると言われています。腸内フローラのバランスが崩れると、ガスの異常発生、腹部の膨満、消化不良、下痢、便秘、過敏性腸症候群などの消化器系疾患に関連すると言われます。

幸いなことに、マイクロバイオームには環境への適応能力があり、バランスが崩れてもまた回復させることができますが、状況により数か月または数年かかる場合もあります。

ペットフードに含まれるプロバイオティクスやプレバイオティクスは、腸内フローラの細菌組成を改善する方法の1つになります。

犬や猫にヨーグルトをあげるべきですか?

最新の研究から得られた考察では、食事からさまざまなプロバイオティクスを摂取することがペットの健康に有益であることが示唆されています。ですので、ヨーグルトが犬や猫の健康にメリットをもたらす可能性はあると言えるでしょう。

しかし、市販のヨーグルトは基本的にはヒトが消費するために販売されているため、このような善玉菌が人間に有益であることは証明されていますが、必ずしもペットで有益であるかどうかはまだ分からないことも多くあります。

ヒト用のヨーグルトのパッケージでよく見られる「生きて届く乳酸菌!」と、ペットフードで活用され、有用な効果が証明されているプロバイオティクス菌はイコールではありません。

市場のヨーグルトの大部分は、ラクトバチルス・デルブリッキィ(通称ブルガリア菌、ブルガリクス菌)とサーモフィラス菌が種菌となって作られます。また、一部のヨーグルトは、ガゼリ菌やビフィズス菌といった菌種を追加しています。

このような市販のヨーグルトに使用される各種のプロバイオティクス株が、犬と猫の健康にもメリットをもたらすのかどうか、これから継続した研究が必要です。ただ、ヨーグルトは、プロバイオティクスの供給源として期待できるだけでなく水分補給や良質なタンパク質やカルシウムの供給源としても利用できます。

ヨーグルトに含まれるタンパク質の一部は、乳酸発酵によりペプチドまで分解されているため、消化吸収が良いと言われています。また、独特のとろみや酸味が好きな子でしたら、嗜好性のUPも期待できます。

どんな素材でも与えすぎると、全体の栄養バランスを崩すリスクがありますがフードのトッピングやおやつとして上手に使えば、犬や猫にも相性の良い食材のひとつと考えられます。

ヨーグルトを選ぶときには、無糖のもの(プレーンヨーグルト)を選ぶと良いでしょう。無脂肪のものが良いかどうかは、その子の体質やライフスタイルによって異なります。

ペットのアレルギー対策としてプロバイオティクスを与えるメリットがありますか?

腸内の細菌バランス(マイクロバイオームの組成・腸内フローラ)とアレルギーとの間には、なにかしらの関連があると考えられていますが、これもさらなる研究が必要な分野です。

この分野の研究のほとんどは、これまでペットではなくヒトで行われてきました。その研究成果に基づく概念として、プロバイオティクスを摂取し、腸内環境を整えることでアレルギーの発症を防ぐことができると考えられています。

世界アレルギー機構WAO(World Allergy Organization)は、妊娠中や授乳中の女性、アレルギーのある子供が生まれるリスクの高い女性、およびアレルギー発症のリスクが高い乳幼児に、プロバイオティクスの使用を推奨するガイドラインを提供しています。

このようなことから、プロバイオティクスがペットのアレルギー予防にも役割を果たす可能性はありますが、給与の推奨を行う前に、もっと多くの研究やさらなる考察が必要です(参照論文3)。

参照論文

1. Gibson, G.R. and M.B. Roberfroid, eds. Handbook of Prebiotics. 2008.
2. Twomey, L.N., et al. Anim. Feed Sci, Technol., 2003. 108(1): 71-82.
3. Fiocchi, A., et al. World Allergy Organ J., 2015. 8(1).

プロバイオティクス配合のプレミアムドッグフード「NOW FRESH (ナウフレッシュ)」

「NOW FRESH (ナウフレッシュ)」は、健康な腸内環境と免疫機能をサポートするプロバイオティクス、プレバイオティクスもしっかり配合した食事です。

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グレインフリーのプレミアムキャットフード
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この記事を書いた人

大久保 マネージャー

犬猫専門の動物園でアルバイトした事をきっかけにペット業界へ。以降、ペットショップ、ペット専門問屋、店舗開発などペットに関わる仕事を経験後、現在はNOW FRESHの営業として日々活動中。

ジェニファー・アドルフ博士、ナタリー・アサロ

ペットキュリアン社の栄養学責任者であるジェニファー博士は、カナダ州立サスカチュワン大学を卒業し、コンパニオンアニマル栄養学の分野で博士号を取得しています。サスカチュワン大学は1907年の創立以来、理学や医学、生物学、地質学などの理科系分野を得意としてカナダ屈指の研究施設を保有する大学であり、ペットの栄養分野で博士号を取得することは大変な難関です。ジェニファー博士は常に最新の栄養学にアンテナを張っており、ペットキュリアン製品のレシピに反映しています。ナタリーもペットキュリアン社のペット栄養士です。オンタリオ州にある総合公立大学グエルフ大学で生物科学の名誉学士号とコンパニオンアニマル栄養学の修士号を取得しています。

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