犬に生食を与える際に知っておくべきこと

2022/03/28

犬 生食

犬に生食を与えても大丈夫なのでしょうか?

飼い主の皆様には、できる限りベストな食事を犬に与えてほしいものです。例えば、犬が食物過敏症やダイエット、その他、健康に関する悩みを抱えているなら、食事の見直しは、犬の健康管理に大きく貢献するかもしれません。

この記事では、その中でも犬への生食について知っておくべきことをお伝えします。結論から言うと犬に生食を与えることはできますが、与える際にはいくつか注意が必要です。

犬のためにも飼い主として生食を与えることのメリット・デメリットと正しい与え方を理解し、犬とのハッピーな毎日に活かしてください。

生食とは?

生食とは?

生食のドッグフードは、賛否両論あるものの、かなり以前から存在しており、近年、その人気はますます高まっています。

ドックフードにおける生食とは、通常、生肉、生卵、骨(丸ごととミンチの両方)などの食材を含んでいることを指しています。

生食人気が高まっている背景には、オオカミを祖先に持つ犬は、元々「肉食」傾向が強く、野生動物本来の食事を与えたほうが良いという考え方があります。実際に犬の消化器官は、人に比べて生肉の消化吸収を効率よく行うようにできています。

生食は、そんな犬本来の食事に近く、素材が持っている活きた栄養素を手軽に摂ることができる食事です。

生食を与えるメリットは以下の通りです。

  • うんちの状態が良くなる
  • 皮膚・毛並みの改善
  • プラーク(歯垢)がつきにくく、歯をきれいに保ちやすい
  • 消化器官のトラブル改善
  • 肥満の防止効果

しかしながら、その裏付けとなる科学的根拠は乏しく、生食の危険性については多くの懸念が報告されていることには注意が必要です。

また生食に伴うリスクには、以下のようなものがあります。

  • 歯が折れる
  • 消化器官のトラブル
  • 鋭利な骨片により内蔵を傷つける可能性がある
  • 栄養素の不足
  • 病原菌汚染

ほとんどの獣医師と公衆衛生協会(AAHA、AVMA、CDC、FDA、CVMA、FEDIAF)は、犬のために生食を与えるに際して、慎重に行うことを強調しています。

このような警告は、私たち人間の食事を考えてみるとわかるのではないでしょうか。食品の安全の観点から、生食によるリスクは、犬だけでなく私たち人間も同じだからです。

飼い主として、犬のためを思って、どうしても生食をあげたいと考えている方もいることでしょう。以下では、生食をできるだけ安全で健康な食事として与えるために必要な情報を提供させていただきます。

生食を与える際の注意点

生食 注意点

どんな食べ物でも犬に与える際に気をつけることは以下の2つです。

1.犬(または飼い主)を病気にする有害な病原菌がいなくて安全であること
2.犬が必要とする栄養素をすべて摂取できる食事であること

犬に生食を与える際には、超高圧処理(非加熱殺菌)のような方法、栄養成分表示のある食品であるかどうか、資格を持った管理栄養士への相談など、多くのことを考慮する必要があります。

生肉

生肉は、サルモネラ菌や大腸菌などの病原菌に汚染されるリスクが高く、人間と同じようにペットも生肉から食中毒を起こす危険性があります。特にサルモネラ菌は動物から人へ感染することができる人と動物にとって共通の細菌です。

生肉が二次汚染され、家庭内の人が病気になることを防ぐためにも生肉の取り扱いには注意しなくてはなりません。

ペットに手作り食を与えることを大事にしているのであれば、病原菌を死滅させる調理を心がけましょう。ほとんどの細菌やウイルスは、加熱によってほぼ死滅します。肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安心です。

食事は、生でなければ前述したようなメリットを得ることができないという根拠はありません。しかしながら、調理は、ペットのためだけでなく、あなた自身やあなたの家族にとっても安全な食事であるという安心感を与えてくれます。

超高圧処理を検討する

ペットの食事を調理したくない場合は、超高圧処理(HPP)処理された市販の生食を購入するのも一案です。

超高圧処理(HPP)は、生食本来の風味や栄養素を維持しつつ、病原菌を死滅させることができます。有害な細菌を殺すために、熱ではなく、圧力を使用します。こうすることで、生食の安全性を高めながら、生食本来の状態を維持することができるのです。

市販の生食を購入する前に、メーカーに問い合わせて、超高圧処理(HPP)を行っているかどうか、また、高品質の食品を提供するために、他にどのような食品安全の仕組みを導入しているのか確認してみましょう。

犬に必要な栄養素

生肉

犬のために生食や手作り食を与える際には「犬が健康を維持できるための栄養バランス」を知っておくことが大切です。

栄養学的に適切な食事とは、その食事と水を犬に与えるだけで、健康を維持できるすべての栄養素が適切な量だけ含まれていることです。

手作り食の栄養レベルを検査したところ、栄養成分の量や比率が適切なバランスを満たしていないことがしばしばあります。そのため、生食などの手作り食を与える際は、資格を持った栄養士に連絡を取り、栄養バランスの取れた食事計画を考えることをお勧めします。

生食でも調理されていても、市販のフードを与える際は、犬種とライフステージ2と呼ばれる成犬期に適したフードを選ぶことが重要です。

また、その会社に連絡をして、どのような人たちが作ったのか、その人たちの資格はどうなっているのかを聞いてみるのもよいでしょう。この2つのステップを踏むことによって、与えようとしている食事が犬に必要な栄養を満たしているどうかの不安を取り除くことができます。

▼要チェック

パッケージに「AAFCOの基準をクリアしています」や「AAFCO基準に適合」等の記載に注目してください。この記述は、あなたのペットが必要とするすべての栄養素がバランス良くフードに含まれていることを保証するものです。

合わせて読む:犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解

生食におけるその他の栄養面での配慮

生食 栄養面

もう一つ考慮すべきは、生食に含まれる食材の栄養素の含有量です。ある種の栄養素は、それを含む食品の数が限られているため特に注意が必要です。

例えば、ビタミンDは油の多い魚種、牛レバー、卵黄など、特定の食品に含まれています。

カルシウムやリンのような他の栄養素は、与えないことも過剰に与えすぎてもいけないといったその量とバランスの調整が大切となってきます。特に成長期の若いペットの骨の健康のためには、病気を予防するためにこれらを適量摂取する必要があります。

特に手作り食の場合、1食でリンとカルシウムのバランスを調整することは難しく、高タンパク質の食材を使用した後に、少しタンパク質を抑えた食事を取り入れるなどメニューに工夫が必要となります。

このあたりについても獣医師に相談してみると良いでしょう。

飼い主さんの安心感や幸せは、犬に伝わる

生食 栄養面

ここまで生食を与えることのメリット・デメリットと与え方について見てきました。

犬のためを思って生食を与えたいと思うのは飼い主として素晴らしいことです。一方で、人間と同じで生食だからこその危険もあることはしっかり理解しなくてはいけません。

また偏りのない栄養バランスの取れた食事として与えることも大切です。

そのためにペットフードメーカーは、各栄養素が適切な量で含まれていることを確認するために、原材料や製品の検査を行っています。高い食品安全性と品質基準(病原菌検査など)を設け、有資格の栄養士のいる企業が作るバランスのとれたドライフード、ウェットフードは、大切なペットに安心して与えることができます。

例えば、生食とこうしたバランスの取れた総合栄養食を組み合わせていつもと違う食感を楽しむ、旬の食材を取り入れて犬とともに季節感を味わうなど、新しい組み合わせを探求していくと、犬も飼い主さんも新鮮な気持ちになれます。そして、「この食事は好きみたい」「今日は食いつきが良いな」など、犬の好みを新たに発見できると、さらに嬉しいですよね。

食事の選択肢はたくさんあるので、飼い主さんのライフスタイルに合わせて、いろんな種類の食事を楽しみながら、犬とハッピーに毎日を過ごしてください。

大切な家族の一員である愛犬のためのプレミアムドッグフード

NOW FRESH (ナウフレッシュ)は、市場に並んだ新鮮な原材料で作った手作り食をドライフードで実現させた、総合栄養食のプレミアムドッグフードです。

食材の鮮度にこだわり、100%フレッシュな生肉・鮮魚や新鮮な野菜・フルーツをたっぷり使用しています。

また、これらの素材の美味しさと栄養をできるだけ損なわない工夫として、低温(90℃)でゆっくり丁寧に調理する製法(SCSB製法)を採用しています。

グレインフリーのプレミアムドッグフード
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この記事を書いた人

Jennifer Adolphe

ペットキュリアン社の栄養学責任者であるジェニファー博士は、カナダ州立サスカチュワン大学を卒業し、コンパニオンアニマル栄養学の分野で博士号を取得しています。サスカチュワン大学は1907年の創立以来、理学や医学、生物学、地質学などの理科系分野を得意としてカナダ屈指の研究施設を保有する大学であり、ペットの栄養分野で博士号を取得することは大変な難関です。ジェニファー博士は常に最新の栄養学にアンテナを張っており、ペットキュリアン製品のレシピに反映しています。

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