ペットキュリアン社のコンパニオンアニマル栄養士であるNatalie Williamsは、カナダ ゲルフ大学にて、生物科学の優等理学士号とコンパニオンアニマル栄養学の修士号を取得。修士課程研究では、猫のエネルギーと栄養素の代謝に焦点を当てており、複数の査読付き論文を発表。フードの構成やペットの栄養学研究を最新に保つことに熱心に取り組んでいます。カエルや鳥、猫などいろいろなペットと過ごしてきた彼女は今、おやつ大好きお昼寝大好きのミニチュアダックスフンドのGus君との時間を楽しんでいます。
2021/02/09
炭水化物は、犬の健康に重要な役割を担います。
犬にとっての必須栄養素とは考えられていない上、単なるかさ増しに使われると誤認されることもよくありますが、実は、消化性が高く効率の良いエネルギー源であり、重要な栄養素なのです。
【 目 次 】
そもそもドッグフードにおける一般的な炭水化物源は、何を指しているのでしょうか?
それは穀類です。
穀類には、オート麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、米、小麦などがあります。穀類以外の炭水化物源には、豆類(エンドウ豆、レンズ豆、インゲン豆、ひよこ豆)、じゃがいも、サツマイモ、タピオカなどがあります。
消化の過程で、炭水化物はブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は、脳やその他特定の体細胞にとって好ましいエネルギー源です。
健全なペットの場合、ブドウ糖が体細胞に速やかに利用されるよう血糖値が厳密に制御されています。
炭水化物がブドウ糖源として供給されないと、体内ではたんぱく質など他の物質からブドウ糖が合成されます。そのため、食事から炭水化物を摂取することで、たんぱく質をエネルギーの生成ではなく筋肉や臓器などの体組織を作ったり修復したりするために利用することが可能になるのです。
どのドッグフードでも、炭水化物、脂肪、たんぱく質の含有量は一定のバランスが保たれています。つまり、いずれかの栄養素の含有量が少なくなった場合、他のいずれかもしくはすべての栄養素の含有量を増やす必要があります。
それにより、炭水化物の配合量を調整することで、いろいろなバランスの栄養価をもつ柔軟なペットフード作りが可能になります。これは、たんぱく質や脂質の摂取量を抑える必要があるペットや、疾患がありミネラル値の調整が必要なペットなどにとってはとても重要なポイントです。
たとえば、高たんぱく質の原材料の中には、リンも豊富に含有されているものがあります。そのため、腎臓病の犬に考慮したフードなどにおいてリンの値を抑えるには、たんぱく質の一部を炭水化物に置き換えることもできます。
私たちがよく耳にする作り話に、「炭水化物を摂るとペット(やヒト)は太る」というものがあります。
実際には、体重の増加の原因となるのは「消費したエネルギーに対する使用したエネルギーの量」です。食事中の炭水化物からは、たんぱく質と同じ量のエネルギー/脂質の半分以下の量のエネルギーが供給されます。したがって、エネルギー供給量が比較的低い栄養素として、炭水化物は体重管理の役割を果たします。
さらに、食物繊維は犬が消化することのできない唯一の炭水化物です。食物繊維は消化されず、ほとんどエネルギー源にもならないため、消費カロリーを減らすことができます。また、消化器系の健康維持や血糖値のコントロールにも役立ちます。
他にはペットフードにおいて、炭水化物は機能的利点も与えてくれます。
ドライフード粒の形、質感、密度は、フードの炭水化物(デンプン)の含有量に左右されるのです。
また、炭水化物は、ウェットフード(缶、テトラパックなど)の食感を改善させるのに活用することもできます。
食感は、特に小型犬にとっては嗜好性を左右する大きな要素ですので、食感の改善のために炭水化物を活用できることはとても重要なことなのです。
炭水化物源である穀類について、またグレインフリー・グルテンフリーについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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