【夏だけじゃない】犬の脱水症状の見分け方と対策を解説

2021/09/21 更新日:2022/09/16

犬 脱水症状

水分は生命にとって不可欠なものであり、犬の健康全般にとっても重要な要素です。

水分には、体中のあらゆる臓器や細胞を保護する緩衝材としての役割があるだけでなく、関節の潤滑、体温の調節、消化促進などの重要な役割を果たします。また、水分は犬の血流を正常に保ち、脳や内臓に必要な酸素を運ぶのに役立ちます。

犬は一日中、水分を失っているのが普通です。

犬の身体の水分は、パンティング、普段の呼吸、肉球部からの発汗、そして、通りすがりの木にオシッコをすることなどで失われていますが、その失われた水分を都度摂取して健康を保っています。

脱水症は、体内に取り入れる水分よりも失う水分の方が多い場合に起こります。

脱水症状はペットにとって危険な状態ですので、以下の情報に目を通し、ペットが一日を通して元気でいられるようにしましょう。

この記事はこんな人におすすめです

犬の脱水症状について詳しく知りたい方

犬が脱水症状を起こさないための対策を知りたい方

犬の脱水症状の治療法を知りたい方

脱水症状の原因

脱水症状の原因

犬の脱水症状の最も一般的な原因は、飲み水を確保できないことです。必要な量を飲まないと、すぐに脱水症状を起こして、 危険な状態になってしまいます。

すべての犬は、清潔で新鮮な水を1日中飲めるようにしてあげる必要があります。なお、犬が嘔吐や下痢をしている場合は、通常よりも多くの水分を失っているので、普段よりも頻繁に水を交換してあげる必要があります。

犬にたくさんの運動をさせることは素晴らしいことですが、激しい運動と気温の高さの2つが重なると、冷たい水を大量に摂取する必要が出てきますので注意しましょう。

子犬、シニア、授乳中の母犬、さらにはトイ・プードルやポメラニアン、チワワのような超小型犬も他の犬種よりも多くの水を必要とします。

犬の脱水は、夏だけでなく一年中起こりえます。

むしろ夏は、熱中症の状態にならないように注意する飼い主さんも多く、犬も水分を多く摂取しようとするため、脱水が予防されやすいとも言えます。

一方で、秋から冬の季節になると、犬が水分をあまり取らなくなることに加えて、暖房の効いた環境で過ごすことで、いつのまにか脱水しているということがあります。

このように水分の必要性は変わらないのに、季節や環境、年齢、病気などがきっかけとなり犬が水分を摂ることへの欲求が減ることがあります。さらに、水分摂取量の減少は、腎臓病、糖尿病、ある種の癌などの健康上の問題を示している場合もあります。飲水量が減ったことが気になったら、かかりつけの獣医師に相談して問題を診断してもらい、必要な検査や治療を受けてください。

脱水症のサインと症状

脱水症の症状

愛犬といつもコミュニケーションをとっていても、愛犬から喉の渇きや体調不良を伝えることはできないかもしれません。では、愛犬が脱水症状を起こしているかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。

脱水症状の一般的なサインや症状を知ることは、迅速に対処し、より深刻な健康被害を防ぐこと繋がります。

脱水症状を見分ける最も簡単な方法の1つは、皮膚の弾力性を調べることです。

犬の肩甲骨の間の皮膚をそっとつまみ 、持ち上げて放してみましょう。水分補給が適切に行われていれば、皮膚はすぐ元の 位置に戻っていきます。脱水症状が始まっている場合は、皮膚に張りがなく、元にもどるまでに時間がかかります。つまんだ皮膚がそのまま立ち上がったような状態であればかなり深刻です。

持ち上げる前の状態にもどるまで2秒以内が正常の目安とされており、それ以上かかる場合には、やや強い脱水を疑いましょう。

その他の脱水症状のサイン

・目が落ちくぼんでいる
・鼻が乾いている
・食欲が落ちている
・歯茎が乾燥している・口が渇いている
・元気が落ちている・無気力・ボーっとしている
・弱っている
・倒れる

これらの特徴のいずれか、または組み合わせは、犬が脱水状態になる危険性が高いか、すでに脱水状態にあることを意味しています。

脱水症状の影響

犬が脱水症状に陥ると、さまざまなことが起こります。

脱水症状になると、カリウム、塩化物、ナトリウムなどの電解質が失われます。これらのミネラルは、筋肉の機能、体内のpHバランス調整、細胞への栄養分の流れに重要な役割を果たしています。

また、水分が失われると、血液が酸素を体内に取り込むことが難しくなります。重度の脱水症状になると、腎臓やその他の臓器が機能しなくなることもあります。

脱水症状の治療法

脱水症状 治療法

水分を補給する最も簡単な応急処置は水を与えることです。自分で飲めない場合は、口の周りを濡らしながら含ませるか、少しずつスポイトのようなもので与えてみてください。

このとき、急に大量の水を与えないようにすることが大切です。そうすると、犬が嘔吐してしまい、さらに脱水状態になってしまうからです。氷や非常に冷たい水を与えたくなるかもしれませんが、これは体の表面近くの血管を収縮させる原因となり、逆に体に備わっている冷却システムを遅らせる可能性があります。

犬が嘔吐していなければ、市販のスポーツドリンクや経口補水液のような電解質を多く含む液体を薄めて与えることもできます。ただし、適切な投与量については獣医師に確認してください。また、脱水症状が深刻化したり、基礎疾患の症状だったりすることもあるので、すぐに獣医に診てもらうことをお勧めします。

脱水症状の対策

脱水症状 対策

脱水症状にならないためには、やはり予防が一番です。

犬たちが1日に必要とする水分摂取量の目安として、簡単な計算式があります。

犬が1日に必要とする水分量の目安=体重(kg)×0.75乗×132(ml)

例えば、体重が5kgほどの犬であれば、約441mlとだいたい500mlのペットボトルと同じくらいの量になります。体重の10%前後でちょっと多めの量と覚えても良いかもしれません。

水をあまり飲まない犬の場合は、ヤギミルクを溶かしたスープやお肉の煮汁で風味をつけたスープなどで水分補給を後押ししてあげると良いでしょう。また、ドライフードよりも水分を多く含むウェットフードを毎日の食事に取り入れることも検討してみてはいかがでしょうか。

気温や活動量に応じて、犬が飲める水の量も調整する必要があります。外が暑かったり、激しく走り回ったりすると、脱水症状を防ぐために、より多くの水が必要になります(人間と同じですね!)。

飼い主として、愛犬が飲む水の量と、脱水症状のサインには普段から気を配るようにしましょう。そうすることで愛犬と一緒に、いつまでも健康で、幸せな生活を送ることができますよ!

また脱水症状に限らず、熱中症も夏に限らず注意が必要です。特に最近では夏以外でも急に暖かくなったり湿度が高かったりする日があります。実のところ熱中症の被害は、真夏よりも、急に昼間の気温が高くなるゴールデンウィーク頃から6月頃、9月~10月頃など、いわゆる行楽シーズンで、つい油断しがちな時期に起こるケースが多いと言われます。

熱中症については「夏に限らず要注意!犬の熱中症について症状や対策をご紹介」の記事に詳しくまとめていますので合わせて読んでみてください。

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この記事を書いた人

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