ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/02/10
どの季節でも手に入りやすく、手作り食やカフェのドッグメニューなどでも良く使われるキャベツ。
ビタミンや食物繊維はもちろん、人間用の胃腸薬にもなる成分も含む栄養豊富な野菜です。そんなキャベツを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にキャベツを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、キャベツは犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬にキャベツを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
犬にキャベツを与える際は生でも火を通すのでも問題ない
与える際は、おやつ、またはご褒美として一日の必要カロリーの10~20%分が許容量
キャベツにはタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性がある
【 目 次 】
結論から言うと、キャベツには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎは要注意です。人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、またはおやつや食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
また、キャベツは小松菜やブロッコリーといったアブラナ科の野菜のため、アブラナ科の植物に対するアレルギーのある犬の場合は、食べて下痢、嘔吐、痒みといったアレルギーを起こすこともあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。キャベツには少量ではありますがタンパク質が含まれているので、アブラナ科アレルギーのある犬にキャベツを与えるのはやめましょう。
キャベツには犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなキャベツ100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
キャベツには、葉酸などのB群、ビタミンC、ビタミンUなどが含まれています。
葉酸(ビタミンB9) 78μg
葉酸は神経組織の発達やDNAの合成に関与しているとされ妊娠中の母犬などに特に役立ちます。また、貧血予防にも効果があります。
ビタミンC 41mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
ビタミンU(キャベジン)
ビタミンUには、胃酸の過剰な分泌を抑え胃腸の粘膜を健康に保つ働きがあります。そのため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防・改善することが期待される栄養素です。
キャベツにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
※キャベツの可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06061_7
犬にキャベツを与える際は生でも火を通すのでも問題ありません。
生で与える場合は消化しやすいように細かく刻むと良いでしょう。
火を通す場合、茹でるとビタミンなどの栄養素が水に流れ出ますので、蒸したりレンジで加熱するのもおすすめです。
芯を与えることも可能です。子犬など消化器官が未発達の場合は、火を通したうえで細かくして与えるのが良いでしょう。
キャベツの与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもキャベツだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、キャベツはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなりますが、実際にはキャベツのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。小型犬で最大1枚程度を目安に調整することをおすすめします。
キャベツは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
キャベツに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。
健康な犬の場合、カリウムは犬の体の中で使われたあと、腎臓で濾過され尿として体外に排出されます。しかし、腎臓の機能が低下すると、カリウムの排泄が減少し、高カリウム血症を発生する可能性があります。
高カリウム血症の症状には、筋力低下、不整脈、消化器症状などがあり、重症化すると命にかかわることなので注意しなければなりません。
特に療法食を食べている犬の場合には、キャベツをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
キャベツには微量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にキャベツを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qキャベツは犬のダイエットにも有効でしょうか?
Aキャベツのカロリーは100gあたり約23gkcalと低カロリーなので、キャベツをドライフードにトッピングすることで、普段のフードの量は維持しつつもカロリーを減らしてダイエットさせることができます。ただし、前述の通りおやつやトッピングで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量ですので、それ以上与えることがないように気をつけましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるキャベツ。ただし、いくら栄養価が高いからといってもキャベツはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、キャベツを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
キャベツ以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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