ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/08/29
苦味が特徴のピーマン。夏が旬で、ビタミンCやβカロテンが豊富な食材です。
唐辛子の仲間ですが、辛みのない品種です。そんなピーマンを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にピーマンを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、ピーマンは犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬にピーマンを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、ピーマンには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし与え過ぎは要注意です。ピーマンは90%以上が水分ですので、たくさん与えてしまうと下痢などお腹の調子を崩すことが考えられます。あくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ピーマンには犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなピーマン100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
ピーマンには、ビタミンCなどが含まれています。
βカロテン 400μg
ピーマンには、βカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンC 76mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
クロロフィル
クロロフィルは緑色の天然色素で、植物が光合成をする際に必要となるものです。ビタミンCの酸化を抑制する効果に加え、消臭や抗菌効果があるとされ、犬用のオヤツなどにも配合されることがあります。ちなみに、目にする機会の多い緑色のピーマンは未熟な状態で収穫したもので、収穫せずにそのまま完熟させると赤いピーマンになります。
※ピーマン(生)の可食部100g当たりの数値
参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06245_7
犬にピーマンを与える際は生ではなく、消化しやすいように茹でてから与えるようにしましょう。ピーマンは加熱しても栄養素が流れにくいので、栄養素の観点からも問題ありません。
電子レンジを使用する場合は、大さじ1杯ほどの水を加えた容器にいれて柔らかくなるまで加熱しましょう。
犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしましょう。
へたや種は硬く消化しづらいので、はずして与えてください。子犬など消化器官が未発達の場合は、火を通した上ですり潰してペースト状にするなどして細かくして与えるのが良いでしょう。 また、犬には味が濃すぎるため、調理の際は塩を加えないようにしてください。
ピーマンの与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもピーマンだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、ピーマンはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなりますが、ピーマンのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。
ピーマンは90%以上が水分ですので、たくさん与えてしまうとお腹の調子を崩してしまうおそれがあります。そのため、小型犬で最大ピーマン小サイズ1/2個程度を目安に調整することをおすすめします。
ピーマンは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
ピーマンには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にピーマンを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Qピーマンを子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるピーマン。ただし、いくら栄養価が高いからといってもピーマンはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、ピーマンを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
他にもにんじんなどピーマン以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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