麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。
2024/11/20
いつも美味しそうに食事をしていた犬が食べなくなってしまうと心配ですよね。
食事は毎日のことなので犬がいつもと違う様子だと気がつきやすいですが、ただフードを食べないというだけで動物病院に行くべきなのかどうか悩むこともあるでしょう。
この記事ではそんな、犬がフードを食べなくなる原因やそれによって起こりうること、食べなくなってしまった時の対策を解説していきます。
犬がフードを食べない時に考えられる原因は様々です。
気分の問題から重大な疾患まで多種多様ですが、よく見られる原因とそれに対するそれぞれの対策をいくつか挙げていきます。
人の食事やおやつなど、犬にとって濃い味や匂いのものをあげ続けていると、フードでは物足りなく感じて食べなくなってしまうことがあります。
知らぬ間におやつのあげすぎでおなかがいっぱいになって、主食であるフードが食べられないこともあります。
家族と確認し合い、おやつのあげすぎや盗み食いなどが日常的に起こらないよう注意しましょう。
食事を出しても食べなければ次の食事までおやつなどはあげないようにして、食べなければもっとおいしいものが出てくると思われないようにした方が良いでしょう。
ねだればすぐにおやつが出てくると思われてしまうと、フードを食べずにおやつを待つ癖がつく可能性があります。肥満にも繋がりますのでおやつのあげすぎには注意してください。
また、空腹の時間が長すぎると胃が荒れて食欲不振になることもありますので、食事の時間やおやつの量は適切なのか再確認してみても良いでしょう。
引っ越しや家族が増える、コミュニケーション不足など、生活環境の変化でストレスがかかることがあります。
ストレスから下痢になったりする犬もいるように、食欲不振になってしまう犬もいます。
また、季節によって食べる量が変わることがあります。夏に食欲が落ちた時に夏バテかな?と思うかもしれませんが、体調も体重も特に変化がなければ夏バテというよりも、エネルギー生産のために冬に食事量が増えているだけで、相対的に夏の食事量が減っているように見えているということもあります。
可能であればストレスの原因となることを取り除いてあげてください。
例えば新しい家族が増えてそちらにばかり興味が向いていると、不安になったり寂しくなったりして食べなくなってしまうことがあるので、コミュニケーションを忘れないようにしましょう。
原因を取り除くことが難しければ、元の生活環境にできるだけ近づけてあげたり、慣れるまではなるべくストレスが少なく済むよう環境を整備しておいてあげたりするといいかもしれません。
今までのフードから突然フードを切り替えると、警戒して食べなくなることがあります。
また、開封してから時間が経ちすぎている場合、風味が落ちてしまいます。開封した時からフードの酸化は始まっているので、一度開けたものは早めに食べてしまいましょう。
フードを変える際には、元のフードと混ぜながら時間をかけてゆっくりと新しいフードに慣らしていくことをおすすめします。
また、安いからといって大袋を購入してしまうと、風味が損なわれたり湿気たりして最後の方は食べなくなってしまうこともあります。小分けやチャック付きのものを選んだり、身体の大きさからおよその必要量を確認したりしてから購入し、開封後は適切に保管しましょう。
人と同じく犬でも歳をとると運動量が落ちたり、消化機能が低下したりします。嗅覚が衰えてきたりすることもあるため、食が細くなり若い頃と同じ量が食べられなくなっていくことが多くみられます。
また、筋力の低下や眼疾患、歯周病などにより食べたくてもフードが食べにくくなっている可能性もあります。シニア期になると病気になりやすくなるので、一度動物病院へ相談してみると良いでしょう。
フードをお湯でふやかしてあげると温まることで匂いが立ち、柔らかくなるので、シニア犬でも食べやすくなります。水分もあわせて摂取できるので脱水予防にもなります。
台の上にお皿を置いてあげるなど工夫してあげることで、食べるときの姿勢も楽になるかもしれません。
それぞれの犬に合った食事のスタイルを探してみましょう。
シニア用のフードは消化に優しいレシピが多く、消化機能以外にも低下する様々な機能に配慮されているものがありますので、愛犬の年齢に合わせてフードの変更も検討しておくと良いでしょう。
病気が隠れていても食欲は減退します。空腹の時間が長すぎて胃が荒れてしまう、口の中が痛い、鼻水で鼻が詰まり嗅覚が落ちるなどが原因で食べなくなることもあれば、食欲とは関係なさそうな足や目の痛みからのストレスなど、消化器疾患以外の病気が原因で食べなくなることもあります。
また、胃捻転や誤食による消化管閉塞など重大な疾患の場合もありますので、犬の様子がいつもと違う場合は早めに動物病院を受診してください。
日頃から愛犬の様子を観察し、少しの変化にも気づけるようにしましょう。どんな状態がいつも通りなのかはもちろん犬によって異なります。動物病院の先生にも状態をうまく伝えられるよう、日頃からよく観察しておいてください。
以下のような、病院でよく聞かれること以外にも気になったことがあれば相談してみてください。
また、シニアになってくると当然調子が悪くなることも増えていきます。老化のためなのか、大きな疾患が隠れているのか、定期的に病院で健康診断を受けていると少し安心できるかもしれません。
基本的には前述の対策をしていくことになりますが、まずは食べなくなった原因の特定が必要です。自己判断では難しいこともありますので、環境の変化やフードの変更など明らかな原因がわからない場合は早めに病院で相談しましょう。
特に子犬やシニア犬、持病のある犬が食べないときは注意が必要です。
いつも喜ぶおやつすらも食べなかったり、その場では食べたとしても嘔吐してしまったりするようであれば体調不良が原因の可能性が高いです。
体調不良の場合、食欲以外にもいつもとは違う様子が見られることがありますのでいつもよりも気をつけて様子を確認してください。
犬が食べなくなったからといって口の中に押し込むなどして無理やり食べさせるのはおすすめできません。
なんらかの原因で消化管が閉塞してしまっている場合、命に関わる可能性もあり危険性が高いためです。病気が疑わしい場合は自己判断をせずに動物病院へ相談しましょう。
また、無理に食べさせることで誤嚥してしまうとそこから別の病気に繋がってしまうので、自宅での強制給餌が必要な場合は動物病院でやり方を指導してもらうと良いでしょう。
食べても問題ないのに食べてくれない場合は工夫してフードを食べさせる必要があります。
どうしてもフードを食べない場合はフードそのものの変更や、トッピングをしてあげることも考えても良いでしょう。トッピングしてあげる場合には栄養が偏りすぎないようトッピングは少量にしつつ、トッピング分のフードは減らして摂取カロリーを調整してあげてください。
お湯や煮汁でふやかしてあげたり、かつお節パックなどを袋に入れて匂い付けをしてあげたりしても良いでしょう。
嗜好性の良いフードを選びたい時には原材料にも着目してみてください。
肉や魚などの動物性タンパク質が主原料として使われているのか、脂質は良質なものが適度に含まれているか、などを確認してみると良いでしょう。犬によって嗜好性は異なりますので一概には言えませんが、上記のようなフードだと犬の食欲が刺激されよく食べてくれる可能性があります。
犬がフードを食べなくなる原因は単なる気分の問題から重大な疾患まで、多種多様です。
人間と同じく犬でも食事は毎日のことで大切なものです。
毎日の食事が犬にとっても楽しみであり続けられるよう、まずは食欲不振の原因を考え適切な対応がとれるよう日頃からよく様子を観察し、愛犬にぴったりのフードを探してみてください。
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