ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/05/22
どの季節でも手に入りやすく、長期保存ができて幅広い料理に使える「じゃがいも」は、犬の生命活動のエネルギー源となる炭水化物の他、ビタミンCやビタミンB6、カリウム、食物繊維など栄養豊富な野菜です。
そんなじゃがいもを犬が美味しそうにホクホクと食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にじゃがいもを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、じゃがいもは犬に与えても大丈夫な野菜です!
本記事では、犬にじゃがいもを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
じゃがいも(ポテト)をドッグフードに使う理由については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
【 目 次 】
結論から言うと、じゃがいもには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
じゃがいもは、可食部の約15%が炭水化物と言われており、エネルギーを補給するのに役立つ食材です。茹でたり、レンジで加熱したりするだけで与えることができる調理のしやすさも魅力のひとつといえます。
ただし、与え過ぎには要注意です。
人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時、またはおやつや食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
じゃがいもは、豊富な炭水化物の他、ビタミンCにビタミンB6、カリウム、食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養素を含んでいます。そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、じゃがいも100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
じゃがいもには、タンパク質・脂質と並ぶ3大栄養素のひとつ「炭水化物」が多く含まれています。炭水化物は、犬の生命活動に必要なエネルギー源となります。
ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
ビタミンB6は、タンパク質・アミノ酸の代謝と細胞の合成をサポートします。
じゃがいもにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
食物繊維は、犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
※じゃがいも(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02017_7
犬にじゃがいもを与える際は、必ず茹でる、蒸す、レンジで加熱するなど熱を加えてでんぷんを犬が消化しやすい状態にしてから与えましょう。
生のじゃがいもをそのまま与えると、消化不良を引き起こし、嘔吐・下痢・食欲不振などの原因になります。
また与える際は、犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットして喉に詰まらせないように配慮してあげましょう。
じゃがいもの芽の部分や、皮が緑色になっている未成熟の部分には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが含まれています。
犬が食べてしまうと嘔吐・下痢、けいれんや運動障害などの神経症状を引き起こす場合があります。
人間と同じく犬も食べられない部分ですので、大きめに切り取り、必ず除いてから与えましょう。
じゃがいもの与えすぎには注意しましょう。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が含まれているといってもじゃがいもだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、じゃがいもはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
一般的におやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量です。
以下が犬にじゃがいもを与える際の目安です。
ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
※じゃがいも1個(約100g)に含まれるエネルギーは、約59kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
じゃがいもは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる野菜ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
じゃがいもには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にじゃがいもを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
じゃがいもに多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。
健康な犬の場合、カリウムは犬の体の中で使われたあと、腎臓で濾過され尿として体外に排出されます。しかし、腎臓の機能が低下すると、カリウムの排泄が減少し、高カリウム血症を発生する可能性があります。
高カリウム血症の症状には、筋力低下、不整脈、消化器症状などがあり、重症化すると命にかかわることなので注意しなければなりません。
特に療法食を食べている犬の場合には、じゃがいもをあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
Qじゃがいもの加工食品(ポテトチップス・フライドポテトなど)は与えても大丈夫でしょうか?
A一般的に人間用に加工された製品は、犬にとって過剰な塩分や油分が含まれていることが多く、カロリーの過剰摂取など犬にとって有害となることがあるので与えないほうがよいとされています。原材料や製法によっては与えて大丈夫な場合もありますが、犬用に作られた加工品以外は避けたほうがよいでしょう。
Qじゃがいもは子犬に与えても大丈夫でしょうか?
A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるじゃがいも。ただし、いくら栄養価が高いからといってもじゃがいもはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
与えるときは、芽や皮に含まれる「ソラニン」「チャコニン」を必ず取り除き、茹でる、蒸す、レンジで加熱するなど、熱を加えて消化しやすい状態にしてから与えましょう。
与える量は、1日の必要摂取カロリーの1割程度にし、じゃがいもを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
じゃがいも以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
じゃがいもがドッグフードに使われている理由が気になる方は、以下の記事を合わせてご覧ください。
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