麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。
2025/03/25
高温多湿の夏に増えるものとして代表的な犬の皮膚トラブル。涼しい時期は落ち着いているけれど、夏になると症状が出てきてしまい苦しめられることも多いのではないでしょうか。
今回はそんな暖かい時期に増加する犬の皮膚病についていくつか解説していきます。
夏場に多く見られる皮膚トラブルの代表的なものとしてまずは外耳炎や膿皮症などが挙げられます。
これらは高温多湿な環境下で起こりやすいです。高温多湿な環境は皮膚トラブルを引き起こすだけでなく、夏バテや熱中症にも繋がりますので、そうならないために日頃からエアコンや除湿機で温度や湿度を調整してあげてください。
【 目 次 】
外耳炎とは耳の入口から鼓膜までの外耳というところに炎症が起きている状態のことです。毛が多かったり垂れ耳だったりすると耳の中がより蒸れやすいため、外耳炎になりやすいです。
外耳炎になると以下のような症状がよく見られます。
このような症状を見つけたら動物病院へ連れていきましょう。
外耳炎になった場合は基本的に耳を洗浄したり、不要な耳毛を抜いたり、点耳薬等を処方されることが多いです。耳の洗浄や耳毛抜きなどの処置は、動物病院でしっかり耳の中を確認しながら行なうため、自宅での無理な処置は控えましょう。耳毛も本来は自浄作用があるため、抜きすぎはお勧めできません。病院で不要な分を抜いてもらうと良いでしょう。
また、アレルギーや免疫介在性疾患などの基礎疾患がある上で外耳炎になっている場合はそちらの治療も重要になります。
たかが外耳炎、と放置してしまうと耳の皮膚が肥厚してしまい、元に戻らなくなってしまうこともあります。夏場は湿度が高くなるので特に外耳炎がおこりやすく、普段は大丈夫な犬だとしても気をつけておきましょう。
もう一つ、代表的なものとして挙げられるのが膿皮症です。痒みを伴い、薬で一度良くなってもまた症状がぶり返してしまうこともあります。
膿皮症の原因は主にブドウ球菌という菌の感染です。犬の皮膚には人と同様に様々な微生物が存在しています。通常これらは常在菌と呼ばれ、健康な犬の皮膚にもいる菌です。しかし、高温多湿な環境ではこの常在菌が過剰に増殖してしまったり、免疫力の低下などで皮膚のバリア機能が低下すると常在菌のバランスが乱れたりして、皮膚トラブルに繋がります。
他にもアレルギーやホルモンの異常などの基礎疾患がある場合でも菌の繁殖に繋がることがあります。
膿皮症になると、以下のような症状が見られます。
最初は痒いだけでも、掻きすぎて皮膚を傷つけてしまい、そこから感染してしまうこともあるので、いつもと違う様子が見られたら動物病院を受診してください。
治療法としては抗生物質の内服や、抗菌シャンプーなどによるスキンケアが主なものになります。
ただし、シャンプーのしすぎでも逆に皮膚にダメージを与えてしまうこともあるので、必要であれば頻度や保湿ケアなども相談してみてください。
大抵の場合はこのような治療で症状は改善しますが、アレルギー等もともと持っている疾患によってはまた繰り返してしまうこともあります。
また、治療の途中で見た目が良くなり内服薬やシャンプーを途中で止めることは避けてください。一見治ったように見えても再発してしまったり、耐性菌ができてしまったりする可能性もありますので、獣医師の指示に従いしっかり最後まで治療を続けてください。
もちろん上記2つ以外にも様々な皮膚トラブルが起きる可能性が高く、涼しい間には落ち着いていた症状がぶり返してしまうことも多々あります。
例えば脂漏症もそのうちの一つでしょう。
脂漏症とは皮膚のターンオーバーがうまくいかないことが原因で起こります。遺伝的にシーズーやラブラドール・レトリーバーなどに多いですが、誤ったスキンケアを続けていたりホルモン系の疾患を持っていたりする場合でもなることがあります。
皮膚のバリア機能が低下することで過度に乾燥したり、脂っぽくベタベタした皮膚になったります。
また、湿度や皮脂を好むマラセチアという真菌が皮膚で過剰に増えてしまいます。マラセチアもブドウ球菌と同様に犬の皮膚の常在菌ですが、この脂質をエサとして異常に増えてしまうとバリア機能が低下している皮膚への刺激となり、赤みや痒みが出てきます。
これらが慢性化してしまうと、皮膚が分厚くなったり色素沈着などを起こしてしまいますので、皮膚がベタベタしていたり、独特の臭いがしてきたり、フケが出てきたりしている場合は早めに動物病院へ連れていきましょう。
また、急性湿疹も起こりやすくなります。
ホットスポットとも言われ、皮膚の一部に激しい炎症が起こり、細菌感染が起こる事で化膿する皮膚炎です。
特にアンダーコートが密な犬やアレルギーのある犬などで起こりやすいです。体温の上昇で蒸れてしまい細菌が増殖したことに伴う強い痒みや痛みにより、舐めたり引っ掻いたりすると皮膚の状態がさらに悪化していき、ジュクジュクした状態になり脱毛もよく見られます。
雨の日のお散歩の後に濡れたままにしたり、湿度や気温が高かったりすると起こりやすいため、皮膚が蒸れたまま放っておくのは控えましょう。
見た目の変化が大きく、突然症状が現れるためびっくりしてしまうかもしれませんが、原因を取り除くことが可能であれば落ち着く皮膚炎ですのでまずは動物病院へ連れていきましょう。
皮膚の健康維持においては食事管理も重要となります。
皮膚の健康やバリア機能の維持に大切なオメガ脂肪酸、腸内環境を整えてくれるプレバイオティクスやプロバイオティクスなどが大切になってきます。
毎日食べる食事から、皮膚の健康を心がけると良いでしょう。
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