こだわりが強い猫にキャットフードを食べてもらうヒント

2020/10/16

近所 犬

「猫」と「気まぐれ」という言葉はしばしば同じ意味でつかわれます。幾度となくキャットフードにそっぽを向ける愛猫に、多くの飼い主は悩んだことがあるのではないでしょうか。こだわりが強い性格の猫に対するキャットフードのあげ方に問題を抱えるのは、とても自然なことなのです。

一方で、猫の専門家によれば、キャットフードの好みが強い猫の性質は生まれつきではなく、習慣によって作られたものであるといいます。飼い主が猫を喜ばせようとする試みの中で好き嫌いになっていくというのです。

こだわりが強い猫の食事についての事実

こだわりが強い猫の食事

猫の食生活について、興味深い事実から考えていくことにしましょう。

まずはじめに、猫は、これまで接したことのない新奇な環境や体験などに対して不安や恐れを感じます。環境の変化を好まないし、食べ物の変化も好きではないのです。

次に、猫は犬に比べて独特な食生活を送っています。猫はもともと、獲物の肉からタンパク質を摂取する肉食動物でした。一方で、現在の猫はその時とは大きく異なり、様々な食生活を送ることができるようになっています。

栄養面で猫は高タンパク質の食事を必ずしも必要としているわけではありませんが、食事からのアミノ酸摂取量を、犬よりも多く必要としています。

キャットフードのあげ方はなにより「場所」が大事

キャットフードの与え方

猫がキャットフードを食べたり水を飲んだりする場所とリターボックス(トイレスポット)は離れている必要があります。なぜなら、猫が食べる場所と排泄する場所を遠ざけたいという欲求を持っているからです。猫は非常に清潔な生き物なので、それらが同じ場所にあると、食事と排泄のどちらかを拒否する恐れがあります。

また、食べ物のお皿と水のお皿も離れた場所に置くべきです。猫は汚れることを嫌うので、水源の近くに食べ物を置くことは猫の世界では「ナシ」なのです。猫へのキャットフードのあげ方を考える際は、食べ物皿と水皿を別々にし、常に清潔に保つ必要があります。

猫は私たちと違い、他者と交流しながら食事をしません。人混みの中、あるいは集団で食事をすることもありません。猫の食事の場所は、家の中の静かなところがいいでしょう。複数の猫を飼っている場合は、それぞれの猫にキャットフードをあげられるスペースを設けるべきです。

小さな子供や犬がいる家庭では、高さがあり、猫にしか行けない場所に食事スペースを設置するのが最善の策です。猫の食事スペースに人や他の猫が入らないようにすることで、猫に安心感を与えることができます。

キャットフードに隠された成分を混ぜるのはNG

キャットフード 成分

猫の食べ物に薬を隠そうとしないでください。猫の鋭い嗅覚は、キャットフード以外のものを感知します。嗅覚でのチェックをくぐり抜けたとしても、薬の多くはとても苦いので、味覚で気づくことになります。その結果、一度キャットフードに薬を入れてしまうと、薬を入れなくなったあとも、猫は自分の食べ物を「まずい」と思い込むようになります。

また、おやつとして、魚や鶏肉などをあげすぎるのもおすすめしません。特別なおやつは猫の期待を高め、他の食事を拒否する事態を招くようになります。生ゴミや食べ残しにも、猫を近づけないようにしましょう。

猫はどうしてそんなに敏感なのか?

猫 敏感

猫は食べるフードの形や大きさ、口当たり、食感などの変化に敏感です。味覚が偏る前に様々なレシピのご飯を与え、いろいろなフードを食べることに慣れさせてあげましょう。

猫が喜ぶフードを見つけて、毎日、時には何年も食べさせ続けている人も多いと思います。そのようなことをしていると、購入できるフードが変わった際や、特別な食事を与えなければならない時に、猫が食べるのを拒否する恐れがあります。

そうならないためにも、獣医師や猫の専門家は、早い段階で猫の食事に変化を付けることを提唱しています。猫が食事に過敏になってしまう理由はたくさんありますが、ほとんどの場合は、キャットフードのあげ方を工夫することで改善できます。

しかし、猫がきっかけもなく突然キャットフードを食べなくなった時には、獣医師に診てもらうべきです。猫は病気になると食事をとらなくなりますし、その予兆が命に関わる肝リピドーシス(脂肪肝)に発展するまで、それほど時間はかかりません。猫が理由もなく1日以上キャットフードを食べない時には、注意が必要です。

こだわりが強い猫にキャットフードを食べてもらうポイント

こだわり 強い 猫

最後に、その他のポイントをまとめます。

  • 猫が好きなキャットフードをあげるときにも、意識して味や食感、形を変えてみましょう。
  • 猫にはドライフードとウェットフードの両方をあげるべきです。ドライフードの場合は、自由に与えるより1日2~3回の小分けにしてあげた方が良いでしょう。キャットフードの鮮度が保たれ、肥満予防にもなります。
  • 喉が渇いていることに気づかない猫や、十分に水分をとれていない猫は多いものです。ウェットフードをあげることで、水分補給を確実に行えます。
  • ウェットフードは常温であげることが大切です。冷蔵されたウェットフードは香りを失い、猫はそれを腐った食べ物だと認識してしまいます。フードを温めてあげることで受け入れられやすくなります。
  • 猫へのキャットフードのあげ方を変更する際には、胃の不調や拒否反応を避けるために、少しずつ変えていきましょう。

まとめ

今回は食事に対するこだわりが強い猫へのキャットフードのあげ方について説明しました。

猫が食事に対して気難しくなってしまう原因は様々ですが、その多くは習慣によって培われるものだと専門家たちはいいます。特定のキャットフードしか食べない猫に困っている際には、少しずつキャットフードのあげ方を変えて、猫のこだわりを徐々に和らげていくことが大切です。

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この記事を書いた人

大久保 マネージャー

犬猫専門の動物園でアルバイトした事をきっかけにペット業界へ。以降、ペットショップ、ペット専門問屋、店舗開発などペットに関わる仕事を経験後、現在はNOW FRESHの営業として日々活動中。

Magda Romanow

マグダは、22年間、動物救援団体に関わり、18年前には自ら猫のシェルター「Katie's Place(キティズプレイス)」をオープンしました。以来、Katie's Placeは猫専門のシェルターとして大きな成長をとげています。Katie's Placeは猫にとって最後の受け皿であり、いつも満員です。

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