麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。
2024/12/23
皮膚疾患は多くの犬にみられ、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、アレルギーの完治は難しいですが、食事や環境の改善などで症状をコントロールしうまく付き合っていくことが重要となります。
「犬が皮膚を痒そうにしているけどこれはアレルギー?」「犬がアレルギーと診断されたけど良くなるの?」
とお悩みの方の参考のために、アレルギーの原因や症状、治療法について解説していきます。
外部の異物から身体を守るために免疫システムがありますが、これが過剰に反応することで様々な症状を引き起こすのが、アレルギー反応です。
本来は無害なものに対しても、有害な症状を引き起こします。
この原因となるのがアレルゲンと呼ばれるものですが、これには食べ物や花粉、ハウスダストやワクチン、虫などさまざまなものがあります。
食べ物やワクチンなど、ある程度生活から排除できるものは良いですが、環境中にある花粉やハウスダウトは完全に排除することができないことが多いため、生活環境を整えてあげる必要があります。
アレルギー性皮膚炎の発症には遺伝が関与していると考えられています。好発犬種として、柴犬、フレンチブルドッグ、パグなどがあげられ、約70%が3歳以下で発症すると言われています。
主に以下のような症状がみられることが多いです。愛犬がアレルギーかも?と思ったら動物病院で相談してみましょう。
食べ物や花粉、ノミやダニなどの寄生虫によるアレルギーなど、様々な要因で発症します。
目や口の周りや耳、わきや足先、太ももの内側などに左右対称の炎症が起こり、かきむしるようになります。
強い痒みが出ると犬にとってはストレスになりますし、搔きすぎて出血したり、毛が抜けたりしてしまうこともあります。
アレルギー反応によって下痢や嘔吐などの消化器症状が出てくることもあります。
この消化器症状は単独で発症することもあれば、皮膚症状と一緒に発症することもあります。
日頃から便の回数や状態を確認し、早めに異変に気がつけるようにしておきましょう。
人でも起こりうることのためご存知の方も多いかと思いますが、犬でもワクチン接種などによって引き起こされます。
命に関わることになりますので、異変に気づいたら早めに動物病院へ連れていきましょう。
アレルギーはノミなどの外部寄生虫が原因で起こっているものであれば、駆虫などを行うことで治せる見込みがあります。
しかし、体質が関与している場合も多いため、完治させることは難しい疾患であり、上手に管理することが大切です。
ノミなどによるアレルギーがある場合は予防薬を使用してください。皮膚につけるタイプや食べるタイプなどがありますので、継続的に使えるものを選びましょう。
シャンプーやブラッシングで皮膚の汚れを取り除くことで、環境中のアレルゲンもある程度は除去できます。
シャンプーを行った後は皮膚のバリア機能が低下しているため必ず保湿まで行うようにしましょう。
ハウスダストなどが原因の場合は、生活環境を整備してあげましょう。こまめな掃除や空気清浄機の使用などで対策してください。
原因が食事にある場合、食事内容を見直すことで症状が改善する場合があります。
食事は毎日のことなので、まずはここから見直そうという方も多いのではないでしょうか。
一般的なフードには様々な食材が含まれており、そのなかから検査なしでアレルゲンを特定することは難しいです。
しかし、アレルギー検査の費用が高額なうえに、実際に検査しても「どの成分がアレルギーを起こす可能性があるのか」がわかるだけで、検査項目に含まれていない成分がアレルゲンの可能性もあったり、偽陽性や不正確な結果に終わったりすることもあり、あくまでもひとつの目安に過ぎません。
そんな時には、アレルゲンと疑っているものを含まないなるべくシンプルなレシピのものや、今まで食べたことのない新たなタンパク質を材料としているものなどを試してみるのも良いでしょう。
また、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸や抗酸化作用のあるビタミンEなど、アレルギー対策に良い成分が入っているかも気にしてみてください。
犬のアレルギーの原因はさまざまですので、それに対する治療法や食事も多種多様です。愛犬にぴったりのフードに出会えるまでには時間がかかるかもしれませんが、生活の質を維持するためにもアレルギーとは上手く付き合っていきましょう。
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