犬ににんじんを与えても大丈夫?食べてもよい適量と注意点を解説

2023/03/21

犬 にんじん

どの季節でも手に入りやすく、野菜の中でもカロリーの低い野菜としてダイエット食などでも良く使われる「にんじん」。

さらにβカロテンや食物繊維など、犬の健康に必要な栄養素が豊富な野菜です。そんな「にんじん」を犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬ににんじんを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。

結論から言うと、にんじんは犬に与えても大丈夫な野菜です。

本記事では、犬ににんじんを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。

犬はにんじんを食べても大丈夫

犬 にんじん

結論から言うと、にんじんには犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。

ただし与え過ぎは要注意です。人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。

そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。

食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、おやつやドッグフードのトッピングとして検討するのが良いでしょう。

総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。

にんじんに含まれる栄養素と効果

犬 にんじん

にんじんには、他の野菜に比べて多く含まれるβカロテンのほか、カリウムや食物繊維など犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。

そうした栄養素によって期待できる効果には以下のようなことが挙げられます。

  • βカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。
  • カリウムには、体液の浸透圧を調整する作用があります。カリウムは体内で過剰になったナトリウムを排泄したり、酵素を活性化したりする役割を持ちます。
  • にんじんに含まれる豊富な食物繊維は、腸の働きを整える効果があり、便通の改善が期待できます

にんじん100gに含まれる栄養成分と効果

犬 にんじん

以下では、にんじん100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。

βカロテン 6900μg

にんじんには、βカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。

カリウム 300mg

にんじんにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。

カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。

食物繊維 2.8g

食物繊維は、犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。

タンパク質 0.7g

にんじんには、少量ですがタンパク質が含まれています。タンパク質は犬の成長、発達、体組織の修復、酵素、免疫系のすべてにかかわっている非常に重要な栄養素です。

※にんじん(生)の可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06212_7

犬へのにんじんの与え方

犬 にんじん

犬ににんじんを与える際は生ではなく、消化しやすいように茹でてから与えるようにしましょう。にんじんは加熱しても栄養素が流れにくいので、栄養素の観点からも問題ありません。

電子レンジを使用する場合は、大さじ1杯ほどの水を加えた容器にいれて柔らかくなるまで加熱しましょう。

犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットしたり、すり潰したりするなど喉に詰まらせないように配慮してあげましょう。

にんじんの皮は与えてもOK。ただし、よく洗いましょう

人間が調理する際には剥くことが多いにんじんの皮ですが、皮にも栄養素が含まれているのでそのまま調理して犬に与えても大丈夫です。

ただし、皮についている土に細菌がいたり、農薬が残っていたりすることがあるので、しっかりと洗ってから食べさせるようにしましょう。

犬ににんじんを与えるときの適量

犬 にんじん

にんじんの与えすぎには注意しましょう。

特に消化器疾患がある犬は、繊維質がたくさん含まれているにんじんを与えすぎてしまうと下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。

そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもにんじんだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、にんじんはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。

おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなりますが、実際にはにんじんのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。小型犬で最大にんじん1/3本程度を目安に調整することをおすすめします。

犬ににんじんを与える際の注意点

犬 にんじん

にんじんは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えることのできる野菜ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。

アレルギーに注意

アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。

にんじんには少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。

初めて犬ににんじんを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

にんじんに関するよくあるQ&A

犬 にんじん

Q.犬ににんじん100%のジュースを与えても大丈夫でしょうか?

A.おうちで作る、ミキサーにかけるストレートタイプのにんじんジュースは、消化にもよく少量であれば与えても大丈夫です。ただし、皮には農薬がついていることがあるのでよく洗ってからミキサーにかけましょう。

また市販されているにんじんジュースで、砂糖や保存料などの添加物が入っているものは与えてはいけません。砂糖の過剰摂取となり、心臓や腎臓に負担がかかってしまい、犬の健康に悪影響を及ぼすことがあります。市販のものを与える場合は、必ず無添加のにんじんジュースを選ぶようにしましょう。

子犬

Qにんじんは子犬に与えても大丈夫でしょうか?

A通常、消化器官が十分に発達する生後2〜3か月ほど経った頃から与えることができます。 ただし、子犬によっては歯が乳歯から永久歯に生え変わる生後7~8か月までは消化機能が未発達なこともあるので、心配な方は歯が生え変わったことを確認してから与えるようにしましょう。

まとめ:にんじんは、犬のおやつ程度に

βカロテンや食物繊維など犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるにんじん。ただし、いくら栄養価が高いからといってもにんじんはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。

与えるときは、アレルギーに注意し、喉に詰まらせないように茹でてから小さく食べやすくして与えましょう。

そして、にんじんを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。

キャベツなどにんじん以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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