犬にネギを与えるのは絶対ダメ!中毒症状や対処法を解説

2023/11/14

犬 ネギ

ネギは、日本には奈良時代に伝わったとされ、古くから全国で栽培されてきた歴史ある野菜です。

風味を引き立てる食材として広く使われ、栄養面でもβ-カロテン、ビタミンCが豊富で、人間にとって血液サラサラ効果など健康に良い野菜として知られています。

しかし、犬にとってネギは中毒症状を引き起こす危険な食べ物です。

本記事では、ネギがなぜ犬にとって危険なのか、その体内でどのような影響をもたらすのか詳しくご紹介します。 また、万が一愛犬がネギを食べてしまった場合に起こり得る中毒症状についても触れます。いつ症状が現れるのか、どのくらいの量を食べると危険なのか、気をつけるべき点を明らかにします。

そして、何より大切なのはネギ中毒を未然に防ぐための予防策。家庭でできる簡単なポイントや、散歩中の注意点等をお伝えします。

ネギによって中毒症状が起こるメカニズム

ネギによって中毒症状が起こるメカニズム

ネギ中毒は、ネギに含まれる有機チオ硫酸化物(チオスルフィン酸化合物)によるものです。

この成分は人間にとっては「血液サラサラ」に保ち、血栓形成のリスクを低下する役割を果たしますが、犬の体内に入ると赤血球内部のヘモグロビンと反応し、ヘモグロビンを酸化させてしまいます。

酸化したヘモグロビンは酸素を運ぶ能力が低下し、犬の体にとっては重要な酸素供給が滞ることで貧血の症状を引き起こします。

これをネギ中毒と呼んでいます。 なお、この有機チオ硫酸化物はネギ科の食物(たまねぎ・長ねぎ・ニンニク・ニラなど)に含まれているので、これらの野菜も犬に与えてはいけません。さらに、この有機チオ硫酸化物は加熱しても消えることはないので、生のネギはもちろん、調理済みのものも充分注意しましょう。

犬がネギを食べてしまった時に起こり得る中毒症状

犬 ネギ

ネギを食べてしまうと、まずは嘔吐や下痢といった消化器系のトラブルが発生する可能性があります。

さらに時間が経つと、貧血を伴う中毒症状が現れることがあります。これは「貧血」という言葉からイメージする通常の症状、つまりめまいや意識喪失だけではなく、口の中などの粘膜が白っぽくなることがあります。

他にも以下に記す様々な症状が報告されています。

  • めまい
  • 意識の消失
  • 舌や歯茎が異常に白っぽくなる
  • 濃い色の尿が出る
  • 元気がなくなる・疲れやすい
  • 食欲の低下
  • 嘔吐
  • 下痢

状態が悪化すると呼吸ができなくなったり、けいれん発作などが起きたり、場合によっては命に関わる事態に至ることもあります。上記のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。

症状が出るまでの時間の目安

犬 ネギ

犬がネギを食べた直後にはすぐに中毒症状が現れるわけではありません。したがって、安易に安心するのは禁物です。30分から60分後に初めて中毒症状が出る犬もいれば、それ以上時間が経ってから反応を示す犬もいます。

具体的には、数日経過してから現われる可能性もありますので、直後から数日はしっかり様子を見てあげる必要があります。

どのくらいの量のネギを食べると危険なのか

犬 ネギ

どのくらいの量のネギが犬にとって危険かは、犬の大きさ、健康状態、年齢などによります。

あくまで目安としてはネギ類を体重の約0.5%以上摂取するとネギ中毒が起きてしまうと言われています。ただし、ほんの僅かの量しか食べなかった場合や初めは症状が見られなくても、数日後になってから症状が現れる可能性があること、あるいは何も症状が現れなくとも、体への負担がある可能性は無視できません。

犬にネギ中毒を引き起こさせないための予防策

犬 ネギ

いつまでも元気でいてほしいと願うのであれば、どんな犬であってもネギを少しでも食べさせないようにするのが賢明です。

ネギは「葉」「根っこ」「皮」どの部分を食べても中毒になってしまう可能性があるので、気をつけながら接したり、生活したりと飼い主が環境を整えてあげる必要があります。

犬がネギを誤って口にするのを防ぐ

ネギは非常に身近な野菜ですので、食事中はもちろん、台所に犬が入れるようにしている場合は調理中や保管時も、犬が誤って口にしないように、細心の注意を払うようにしましょう。

家族や同居人にも留意を促すことが重要です。

散歩中も注意

犬 ネギ

拾い食い癖のある犬についても、散歩中などで特に気をつけなければなりません。

特に散歩コースにネギ畑などがあると犬が口にしてしまう可能性があるため、注意が必要です。

ネギを使った調理の後は手を洗う

犬 ネギ

ネギを触った後、犬と触れ合う際には十分に気をつけましょう。

触れた手にネギの成分が残っている場合、犬がその手を舐めたり、ネギの成分が犬に付着し、それを舐めてしまったりすることで危険が高まります。 犬の安全を確保するために、ネギを触った後は必ず手を洗ってから犬と触れ合うようにしましょう。

犬がネギを食べてしまった場合の対処方法

犬 ネギ

予防をしていても万が一、犬がネギを食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

その場合は食べた量にかかわらず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をしてください。その際、下記の情報もなるべく具体的に伝えるようにしましょう。

  • いつ食べたのか
  • 何を食べたのか(食材のままか、スープやチャーハンなどの調理済み料理か)
  • どのくらいの量を食べたのか
  • 今、犬の体調はどうか

病院に行く際、もし食べたものと同じものが残っていれば一緒に持っていくのがおすすめです。

動物病院ではこれらの情報や症状をもとに、血液検査を行ったり、場合によっては吐かせたり胃の洗浄などを行います。また、既に中毒症状が出ている場合は投薬治療や輸血などを行うことも考えられます。

自己判断での応急処置は危険!

自己判断で応急処置を行うことは危険ですので、絶対に行わないようにしましょう。

特に「犬に塩を飲ませて吐かせる」といった応急処置の方法を紹介する記事を見かけることがありますが、絶対に行わないでください。

犬が嘔吐するほど濃い濃度の塩水を飲ませること自体、犬の体、とくに腎臓に害を及ぼす危険性があります。このような行動によって、犬が塩中毒に陥り、命を落とす危険性もあります。

まとめ:犬にネギは絶対NG

犬 ネギ

犬にとって、ネギや他のネギ科の食物は貧血から重篤な症状を引き起こしかねない、非常に危険な野菜です。

飼い主として、しっかりと注意を払い、絶対に犬が誤ってそれらを摂取しないようにしましょう。

もしも犬がネギを食べてしまった場合、食べた量にかかわらず、直ちにかかりつけの動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。犬の健康を最優先に考えることが重要です。

ネギ以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

パピ姉 セールス&マーケティング担当

ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。

監修獣医師

高橋 宏実 獣医師・ペット栄養管理士

麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業。東京都内の動物病院で臨床医として勤務。
その後、獣医師として栄養学をより深く学ぶことで、犬猫の健康を臨床医時代とは違う視点からもサポートできるのではと考え現在に至る。毎日欠かさず動物関係のSNSをみることで日々癒されている。

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