ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/08/25
日本人の食卓には欠かすことのできない定番野菜の大根。
煮る、蒸す、炒める、そして、生食と、合わせやすい味でさまざまな料理に重宝されている食材です。
そんな大根を犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬に大根を与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、大根は犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬に大根を与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
【 目 次 】
結論から言うと、大根には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし、与え過ぎは要注意です。人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、栄養面で不足することはありません。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、または食べる楽しみ、与える楽しみとして、適量の範囲内で与えることが大切です。
総合栄養食については以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
大根は、根(白い部分)は淡色野菜、葉は緑黄色野菜であり、それぞれに犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。
根に多い栄養素
ビタミンC、カリウム、食物繊維、アミラーゼ(消化酵素)、イソチオシアネート(辛味成分)
葉に多い栄養素
βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、カリウム、鉄分
期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したような大根100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
カリウム 230mg
大根にはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも心臓や神経、筋肉の動きにも関係しています。
食物繊維 1.4g
犬のお腹の調子を整えたり、便秘予防に効果的といわれています。
アミラーゼ(消化酵素)
大根にはでんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」という消化酵素が多く含まれています。
アミラーゼは消化をサポートする働きがあり、胃腸の負担を軽減する効果があります。特に消化機能が低下している犬にとって効果的です。ただし、アミラーゼは熱に弱いため加熱せず、生のまま与える必要があります。
イソチオシアネート(辛味成分)
辛味成分「イソチオシアネート」は、殺菌効果や血液をサラサラにする効果があるといわれています。この成分は、大根をおろしたり切ったりしたときに発生します。
また大根の部位によってもイソチオシアネートの含有量は異なり、甘みのある葉に近い部分は少なく、辛味が強い先端部分の方に多く含まれます。
βカロテン(ビタミンA) 3900μg
大根には、βカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは犬の体内で「目のビタミン」とも言われるビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ他、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。さらに、抗酸化作用もあるため皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンC 53mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
カルシウム 260mg
カルシウムは骨と歯の構成成分の99%を占め、身体を支える骨格を強化する働きがあります。また、神経刺激の伝達・興奮、筋肉の収縮、ホルモンの分泌、血液凝固など、身体のバランスを整えることにも役立っています。
※大根の根と葉の可食部100g当たりの数値
根の参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06132_7
葉の参照元;https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06130_7
犬に大根を与える際は、白い根の部分、緑色の茎・葉の部分、どれも与えて大丈夫です。
葉に近い部分は柔らかく甘みがあり、細くなっていく先の部分は辛味があるのが一般的です。犬によっては大根がもつ辛みを嫌がる場合がありますので、人間が味見をしてから与えると良いでしょう。
また白い根の部分には消化酵素「アミラーゼ」は、熱に弱いので、加熱しないで生のまま与えるほうがおすすめです。大根おろしにするか、犬の大きさや食べ方にあわせて小さくカットして喉に詰まらせないように配慮してあげましょう。
大根の葉や茎の部分は、生のままだと食物繊維が多く固く、消化不良を起こす可能性があるので、茹でてから細かく刻んで与えたほうがよいでしょう。
いくら低カロリーの大根でも与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐の原因となる可能性があります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といっても大根だけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、大根はおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量になりますが、大根のカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。
以下が犬に大根を与える際の目安です。ただし、あくまでもカロリー上の算出値であること、犬の年齢やお腹の健康状態や運動量によっても適量は異なるのであくまで目安として調整しましょう。
犬の体重目安 1日あたりの摂取可能目安;1cmの厚さの大根の輪切りで40g程度
※大根100gに含まれるエネルギーは、根:約15kcal、葉:約23kcalとして算出
※数値は、1日の総摂取カロリー目安の10%として算出
大根は、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、心臓や腎臓に持病を持っている犬やアレルギーの点からも注意が必要なケースがあります。
大根に多く含まれるカリウムは、心臓、腎臓に持病のある犬には制限が必要な成分です。特に療法食を食べている犬の場合には、大根をあげる前に必ず獣医師に相談してからにしましょう。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
大根には少量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬に大根を与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
Q大根の加工食品は与えても大丈夫でしょうか?
A漬物や缶詰、レトルト食品などは、大抵の場合、多くの塩や調味料を含んでおり、犬の健康に害を与えてしまうことがあるため与えないようにしましょう。
Q市販の大根スティックは与えても大丈夫でしょうか?
A生のものがカットされただけのものであれば与えて問題ありませんが、一見味付けしていないように見えて調味料が使用されているケースもあります。ラベルをしっかり確認してください。また味付けがされていなくても、人間用にカットされたサイズなのでそのままでは喉をつまらせてしまう可能性があるので、犬のサイズに合わせて刻んでから与えるようにしましょう。
犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれる大根。ただし、いくら栄養価が高いからといっても大根はあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、大根を与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
NOW FRESH (ナウフレッシュ)は、新鮮な野菜や果物をたっぷり使って栄養バランスを整えたプレミアムドッグフードです。
タンパク質源として、レンダリングミートミールや肉副産物を一切使用していません。100%フレッシュな生肉・鮮魚+グレインフリー+豊富な野菜・フルーツを使ったほどよいタンパク質バランスのレシピで体調のコントロールがしやすいプレミアムドッグフードです。
NOW FRESH 詳細