ペットフード業界で働くこと9年目。中学生の頃よりビションフリーゼ(メス、毛が薄め)のパピの姉として育つ。それ以来、白くてふわふわな犬が好き。趣味はビショングッズ収集。図書館司書の資格をもち絵本の読み聞かせやお話し会なども行っていた。好きな絵本は「どろんこハリー」。将来は犬と一緒に心を開いて読書を楽しむ社会貢献もしたいと思っている。
2023/02/20
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養豊富なトマト。
実際にリコピンやβカロテンなどの抗酸化作用のある成分や、カリウムやビタミンCなどの利尿作用や免疫力の向上に役立つ成分が含まれています。
そんなトマトやミニトマトを犬が美味しそうに食べるという声をよく聞く一方で、そもそも犬にトマトを与えて大丈夫なのかと不安に思っている飼い主も多いようです。
結論から言うと、トマトは犬に与えても大丈夫な野菜です。
本記事では、犬にトマトを与えても大丈夫な理由から与え方、そして注意点まで解説します。
犬にトマトを与える際は生でも加熱した状態でも問題ない
トマトの葉や茎には「トマチン」という有毒物質が含まれている
与える際は、おやつ、またはご褒美として一日の必要カロリーの10~20%分が許容量
トマトにはタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性がある
【 目 次 】
結論から言うと、トマトの実の部分には犬の体によくない有毒成分は含まれていませんので安心して与えることができます。
ただし、葉や茎、未成熟な青いトマトは「トマチン」という有毒な成分が含まれているので注意が必要です。
また、与え過ぎも要注意です。
人間から見ると一口サイズでも、身体の小さな犬にとっては体重換算で計算するとかなりの量になることがあるのであくまで適量であることが大切です。
そもそも栄養面において総合栄養食の良質なドッグフードを食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時や水分を摂らせたいとき、またはおやつや食事のトッピングとして検討するのが良いでしょう。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
トマトには犬の健康維持に役立つ栄養を含んでいます。期待できる代表的な効果には以下のようなことが挙げられます。
以下では、上記で示したようなトマト100gあたりに含まれる代表的な栄養素と効果を紹介します。
トマトの赤色の色素で、強力な抗酸化作用を持つ成分です。同じ効果を持つβカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の作用を持つとも言われています。
活性酸素を抑えて、老化防止や癌予防、生活習慣病の予防に効果があると言われています
βカロテン 540μg
犬がカロテンから合成できるビタミンAは、「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防など目の機能の健康維持に役立ちます。また、皮膚や被毛を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンC 15mg
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというタンパク質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚、皮膜や粘膜などの健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや動脈硬化の予防、免疫機能のアップなども期待できます。
フラボノイド
フラボノイドは、スムーズな血行を維持できるようにし動脈効果やコレステロールの低下にも役立ちます。ビタミンCと一緒に摂取することでその効果を高めます。
カリウム 210mg
トマトにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。 カリウムにはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、体液の浸透圧を調整したりといった働きがあります。この他にも利尿作用や心臓・神経、筋肉の動きにも関係しています。
※トマトの可食部100g当たりの数値
※参照元:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06182_7
犬にトマトを与える際は、生でも加熱した状態でも問題ありません。
ただし、トマトの種や皮は、犬の消化器官に負担をかけることがありますので、トマトを与えるときは種や皮を取り除き、小さく切ってから与えるように心がけましょう。
また前述の通りトマトの葉や茎には「トマチン」という有毒物質が含まれているので必ず取り除いてから与えてください。「トマチン」は緑色のトマトにも多く含まれているので、完熟した赤いトマトのみを与えるようにしてください。
トマトの与えすぎには注意しましょう。下痢や嘔吐などの原因となる可能性があります。
そもそも犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にいくら栄養素が豊富といってもトマトだけでは不十分です。そのためドッグフードを主食として、トマトはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。
おやつで与える際は一日の必要カロリーの10~20%分が許容量にはなりますが、実際にはトマトのカロリーが非常に低いため、そのままの計算では与える量がかなり多くなってしまいます。ミニトマトの個数に換算すると小型犬で2個程度を目安に調整することをおすすめします。
トマトは、これまで見てきたように健康な犬には問題なく与えられる食品ですが、アレルギーの点から注意が必要なケースがあります。
アレルギーは、体内の免疫機能がタンパク質に対して異常に反応することで起こるものです。
トマトには微量ですがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こすと下痢、嘔吐、痒みを伴う症状などが多く見られます。
初めて犬にトマトを与えるときには、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
トマトにはカリウムが多く含まれています。
腎臓に障害がある場合はカリウムを十分に排泄できなくなるため、血中のカリウム濃度が上がり、不整脈を起こしたり、最悪の場合は心臓の動きが止まったりする可能性があります。腎不全などでカリウム制限を行っている犬には、トマトは与えない方がよいでしょう。
その他、フルーツトマトには多くの糖質が含まれています。そのため、糖尿病や心臓病など、糖質を控えなくてはいけない持病を持っている犬には、与えないほうがいいでしょう。また、肥満の犬にも与えないよう注意しましょう。
Q.:犬にトマトジュースを与えても大丈夫でしょうか?
A.:おうちで作る、ミキサーにかけるストレートタイプのトマトジュースは、消化にもよく、少量であれば与えても大丈夫です。ただし、有毒な成分が含まれるトマトの緑色の部分や茎が混ざらないようにきちんと確認しましょう。
また市販されているトマトジュースで、塩分や保存料などの添加物が入っているものは与えてはいけません。塩分の過剰摂取となり、心臓や腎臓に負担がかかってしまい、犬の健康に悪影響を及ぼすことがあります。市販のものを与える場合は、必ず無塩タイプのトマトジュースを選ぶようにしましょう。
リコピンをはじめ犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれるトマト。ただし、いくら栄養価が高いからといってもトマトはあくまでおやつとして与えるようにしましょう。
そして、トマトを与えた分の主食を減らしてカロリーオーバーしないよう注意しましょう。
トマト以外の野菜については以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
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