ペットキュリアン社のコンパニオンアニマル栄養士であるNatalie Asaroは、カナダ ゲルフ大学にて、生物科学の優等理学士号とコンパニオンアニマル栄養学の修士号を取得。修士課程研究では、猫のエネルギーと栄養素の代謝に焦点を当てており、複数の査読付き論文を発表。フードの構成やペットの栄養学研究を最新に保つことに熱心に取り組んでいます。カエルや鳥、猫などいろいろなペットと過ごしてきた彼女は今、おやつ大好きお昼寝大好きのミニチュアダックスフンドのGus君との時間を楽しんでいます。
2021/07/19 更新日:2022/11/04
多くの飼い主の最優先事項は、家族である犬や猫のために最適なフードを選ぶことです。
たくさんあるフードの中でも「ウェットフード」は、ペットの現在の食生活に変化を与えるだけでなく、健康面でもメリットがあり、最適なフードになりえます。
ウェットフードは、現在の食生活に変化を与えることができる
ウェットフードは、嗜好性が高いので偏食のペットにもお勧め
ウェットフードは、十分な水分補給を行うことができる
ウェットフードを主食として使用したい場合は「総合栄養食」の表記があるものを選ぶ
【 目 次 】
その名の通りウェットフードの水分含有量は、ドライフードよりもはるかに多いです。ドライフードには通常8~12%の水分が含まれていますが、ウェットフードには78~82%もの水分が含まれています。
こうした水分量の違いからウェットフードとドライフードの栄養成分を比較することは困難です。なぜならペットフードの製品ラベルに記載されている保証分析値は、 水分を含んだ「現物中」として記載されているからです。
つまり、同じ100gの量を比較した場合、ドライフードに比べてウェットフードのカロリーはとても低く見えますが、ウェットフードは栄養成分のほとんどが水分なので、ウェットフードだけで1日に必要な摂取カロリーを賄うには、ドライフードの数倍の量を食べる必要があるでしょう。
その他の栄養成分を比較する場合も、例えば、たんぱく質8%、水分78%のウェットフードと、たんぱく質26%、水分10%のドライフードを比較するには、まず数値を水分を除いた「乾物中」または「1kcalベース」に変換する必要があります。ただし、計算の心配は不要です。当社では、これらの値をウェブサイトの栄養成分表に掲載していますので参考にしてみてください。
ドライフードとウェットフードのもう一つのユニークな違いは、カリカリとした食感を出すために炭水化物を必要とするドライフードとは異なり、ウェットフードは炭水化物の量を少なくすることができることです。
ウェットフードのレシピには一般的に肉類が多く含まれているため、ドライフードに比べてタンパク質と脂肪が多く、炭水化物は少なくなります。そのため、ウェットフードは、「高タンパク」「低炭水化物」の食事を必要とするペットには、とてもよい選択肢となります。
一方で、膵炎や肥満など、特定の健康上の問題を抱えているペットには、ウェットフードが適さない場合もあります。
ウェットフードは嗜好性が高いので、偏食のペットにもお勧めです。また、シニアのペットや歯のトラブルを抱えているペットなど、柔らかい食事を必要とするペットにも最適です。
さらにウェットフードは、水分補給をサポートするというメリットがあります。適切に水分を摂ることは健康上とても大事なことです。特に猫は水の摂取量を調節するのが難しいと言われており、十分な量を飲まないケースが多くありますが、ウェットフードは一般的に78~82%の水分を含んでいるため、十分な水分補給を行うことができます。
水分摂取量を増やすことは、尿路結石症(尿石症)の発生を防ぐことにつながります。下部尿路のトラブル悩んでいる子は、ぜひウェットフードを取り入れてみましょう!
また尿路結石症(尿石症)を引き起こす代表的な結石の「ストルバイト結石」については「猫のストルバイト結石。その原因と今からできる6つの対処法」にまとめていますので、参考にしてみて下さい。
ウェットフードを選ぶ際には、すべてのウェットフードが同じ目的で作られているわけではないことに注意してください。一般的に、ウェットフードには、「総合栄養食」「副食(一般食)・栄養補完食」「食事療法食」という目的の異なる3種類の商品があります。
健康な犬猫で、主食として使用したい場合は「総合栄養食」の表記のあるものを選びましょう。これは、「毎日単体で与え続けてもペットの健康を維持できる栄養バランスの整った食事」であることを示しているので、メインの食事として与えることができます。
総合栄養食については「犬や猫の主食になる「総合栄養食」とは?選び方や注意すべきポイントなどを解説」に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
ドライフードのトッピングやおやつとして使用する場合は、「副食(一般食)・栄養補完食」でもかまいません。日々の食事に変化をつけて楽しんだり、食が細い子達の食欲スイッチを入れるのに役立ちます。使用する場合はおやつと同じようにカロリー過多にならないように主食の量を調整しましょう。
犬猫に特定の疾病があり、その治療に栄養学的なサポートが必要な場合は「食事療法食」を使用することもあります。治療の内容に合わせてフード中の栄養成分の量や比率が特別に調節されているため、必ずかかりつけの獣医師の指導のもとで適切に与えましょう。
特にウェットフードはこの3種類が見分けづらい商品も多いので、パッケージに記載されている栄養適正表示を必ず確認して、体調や与えるシーンに合わせて、適切なものを選びましょう。
原材料表示は、含有量が多いものから順番に表示するというルールがあります。例えば原材料の表示が、ターキー、ラムなどのように動物性原材料で始まっていれば動物性原材料が主原料となっていることが分かります。ウェットフードは動物性原材料を主原料にした商品が多いので、うちの子の好みに合った肉の種類や魚の種類が多く含まれるものを選ぶと良いでしょう。
また、主食のドライフードと組み合わせる場合は、あえてドライフードの主原材料と異なる食材が主原料のウェットフードを組み合わせて、食事のバリエーションを楽しむのもお勧めです。ポーク(豚肉)や馬肉、イワシやウズラなど、ドライフードの主原材料にはない少し変わった食材を選ぶことができるのはウェットフードの楽しみの一つです。
原材料表示について詳しく知りたい方は「ドッグフードの原材料や成分表示の読み方について徹底解説」「キャットフードの原材料や成分表示の読み方について徹底解説」にまとめていますので合わせて読んでみてください。
グレインフリーというのは、穀類つまりトウモロコシ、米、小麦、大豆などを使用していないという意味です。穀類は、アレルギーや肥満の原因になりやすいと言われており、近年ではグレインフリーのウェットフードも増えています。
グレインフリーについて詳しく知りたい方は「グレインフリー・グルテンフリーのドッグフードってどう違うの?」をあわせて読んでみてください。
無添加、ということをポイントに選ぶ方も多いと思います。ペットフードには品質維持のための保存料や、香料、着色料などを原材料として使用することがあります。ウェットフードの場合は缶など密閉容器を使用するケースがほとんどのため、一般的には品質維持のために保存料を使用するケースは少ないようです。気になる方は原材料表記を確認しましょう。
より安全性の高いものを求めるならば「ヒューマングレードの原材料かどうか」という考え方もあります。人間用として認定されている原材料を使用している、という表記がある商品だと、安心して与えられるのではないでしょうか。
「変化は人生のスパイス」ということわざがあるように、ペットの食生活に変化を持たせるには、ウェットフードが最適です。
ウェットフードの中身は、スープまたはシチュータイプ、フレーク状、ペースト状、パテ状など様々な形状があり、ペットの体調や好みにあわせて、その都度変化を与えることができます。
また、ウェットフードは缶やアルミパウチ、プラスチックトレーなど様々なパッケージで販売されています。その中でも最新のパッケージのひとつである「テトラパック」は、環境に優しいサスティナブルな素材で、便利で使いやすい四角い紙製のパッケージです。開封後も保存用の別の容器を用意する必要もなく、折りたたんでそのまま冷蔵庫に入れることができます。選ぶ際は、ライフスタイルに合った使い勝手の良いものを選ぶと良いでしょう。
ウェットフードは、栄養バランスのとれた主食として与えるだけでなく、トッピングや健康的なおやつとしても取り入れることができます。
ただし、ドライフード(カリカリ)のトッピングとしてウェットフードを与える際は、体重増加を避けるために現在与えているドライフード(カリカリ)の量を減らす必要があることを覚えておいてください。
ウェットフードをおやつとして取り入れる場合は、おもちゃのコングに詰めて与えたり、アイスキューブトレイに入れて凍らせて暑い夏に冷たいおやつにしたりと、ユニークな与え方ができます。
ウェットフードは、特に猫にお勧めです。猫は食べ物にうるさいことで有名です。
ドライフードを毎日食べることに慣れている多くの猫にとって、その習慣を断ち切るのは難しいかもしれません。というのも、猫は食感や味に非常に敏感で、慣れないものを避けようとする傾向があるからです。
そのため、特に若いうちに、様々な食感や味のウェットフードを愛猫に食べさせることが大切です。様々な食事を与えられた子猫は、大人になってからも食べ物にうるさくなくなることが少なくなります。
猫の食事にウェットフードを取り入れる際に、ちょっとしたコツが必要な場合は「猫がウェットフードを食べてくれない!」の記事を参考にしてみてください。
犬にも猫にもウェットフードは、現在の食生活に変化を与えるだけでなく、健康面でもメリットがあり、最適なフードになりえますが、いくつか注意すべき点があります。
ウェットフードは水分量が多いため、開封後の長期間の保存はできません。パッケージに記載されている賞味期限は未開封の状態のものですので、一度開けたら冷蔵庫で保管し、数日中には使い切るようにしましょう。
また、ウェットフードはドライフードに比べ、食べカスが歯につきやすいと言われています。食後のデンタルケアで、歯周病や口臭を防ぐことが大切です。
犬や猫のでんたるけあについては「犬、猫の歯をキレイに保つには?」「猫の歯を健康に保つデンタルケアのすすめ」に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
これまでドライフードしか食べたことがなく、ウェットフードに切り替える場合はゆっくりと期間をかけて行うことが重要であることを覚えておいてください。
今まで食べたことのない食事に変える場合は、最低でも10日間かけてゆっくりと行う必要があります。時間をかけることは身体が食事の変化に適応していくことを助け、消化器系の不調を避けることに繋がるからです。
ただ、いつものドライフードにトッピングから始める場合は、このような切り替え期間はあまり気にしないで良いことがほとんどです。食事のバリエーションや変化を楽しみましょう!
ペットキュリアン社のウェットフード:NOW FRESH(ナウフレッシュ) テトラパックのレシピは、普段の食事としてだけでなく、ドライフードへのトッピングとして、おやつとして、おかずとして、完璧に栄養バランスを整えています。USDA(アメリカ農務省)認証の人間用食材のみを使用した、安心安全で美味しいウェットフードです。
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